みなさん、亀と言えば、ひごろよく見かけるとは申せませんが、ウサギとカメというイソップの童話が良く知られていますように、人間には馴染みのある生きものです
でも、みなさん、この馴染みのあるはずの亀のお腹をご覧になったことがおありでせうか?
GGIも生まれたこのかた、前期高齢者後期が近づくまで、亀クンのお腹を見たことがなかったですが、昨日、偶然ですが、元気な少年たちのおかげで、亀クンのお腹を拝見する機会に恵まれました
昨日は真夏のような暑さでありました、夕方買い物に出たのですが、あまりに暑いのでたまには湖の風に吹かれてみるのもよかろうと、買い物の帰り道に湖岸から突き出している城跡の公園を散策することにしました
公園にうろつくのはヒマな前期や後期の高齢者である、というのが定説のようでありますが、これは真っ赤なウソでありました、緑滴る公園のなか、湖岸沿いにおかれたベンチには老人の影は、GGIを除いて、皆無でありました
世間にはこのようなインチキな定説が多いよなあ、老人はブラブラしていてはいけないとか、根拠なき定説と言うか俗説というか、ヘンなものが世の中に多すぎるよなあ、などと思いながら、暑いときには毒のある飲み物が一番と思い、自販機で久しぶりのコカコーラを買ってのもうといたしました、ところがです、このコーラのヤロウ、まったく冷えていませんでした、生ぬるいバッチイ泥水のような液体が、ドロのような泡がだらしなく缶のなかから湧き出てくるだけです、とても飲めたものではありませぬ
まいったなあ、でもコーラは冷えているものだというアホな定説を信じ込んでいた私がワルカッタのよ、俗説に振り回されて生きてきた私がワルイのよと反省しながら散策を続けておりましたら、公園の中央あたり、小山のようになったところで少年たちが五、六人、小学校3年生ぐらいでありませうか、何かを囲んで騒いでおります
近くへ言って何を騒いでいるのだろうとのぞいてみましたら、そこには亀クンが一匹、よちよちと歩いておりました、湖岸からはだいぶん離れた場所です、いったいどうしてこんなところに亀クンがうろついているのでありませう・・・
みんなに騒がれながらよちよちと歩いているうちに、亀クン、一段と低い場所にコロンと落ちてしまいました
それを見ていた少年の一人が、おそるおそるでありましたが、あわてて亀クンを抱き上げました、大きさはちょうど野球のキャッチャーミットぐらいでありませうか、
少年が胸元に抱きかかえますと、亀クンのお腹がみんなの目にはいりました、
亀クンのお腹を目にしたとたん、みんな思わず歓声をあげました、もちろんGGIも歓声をあげてしまいました
「うわあ!きれいやなあ!」
「ほんまや、まるでカボチャみたい!」
亀クンのお腹は鮮やかなオレンジ色をしておりました、地味な甲羅の色からは想像もつかぬ明るい色彩です、そしてこのオレンジ色を背景に、ブラウンの斑点が左右対称についており、お腹の周囲は見事に斑点で縁どられておりました
このまま亀クンをここに置き去りにしておくと、亀クン、干上がって死んでしまうかもしれませんので、しばらく亀クンの見事なお腹を鑑賞した後、GGIは少年たちに厳かに言い渡しました
「君たち、このまま、こんなところにほっておいたら亀クン、死んでしまうぞ、誰か水のあるところろまで、あのヨシが生えているあたりまで、連れて行ってから離してやれ」
はじめ少年たちはみんな「ええっ~」という顔をしておりましたが、最後にこの亀を抱き上げた少年が、「わかった、ボクが連れていく」と申しました
少年たちは一団となって、水辺に駆けていきました、GGIは少年たちの後ろ姿をみながら、どうしようもなくぬるいだけの、腑抜けたコーラを再び口にしたのでありました
やがて少年たちが戻ってきました、亀を最初に抱き上げた少年が言いました
「オッチャン、亀、ヨシのはえているとこまで連れていって離してやった、そしたら、よちよちと水のなかに入っていきよった」
まことに素直で感心な少年たちであります、
などと感心しておりましたら、少年たちはもう亀クンのことなんか忘れてサッカー遊びに興じておりました
この琵琶湖の湖底にも竜宮城があるという伝説をどこかで聞いたことがあります、そのうち亀クンがお礼に現れて、この少年を竜宮城に連れていくかもしれませぬ
今夜の写真は亀クンのお腹でございます、よろしければクリックして、とくとご観察くださいませ
グッドナイト・グッドラック!