UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

久しぶりのシャンソン?に浸りきりの記、あるいはアマポーラ、アマポーラ、君は・・・

2014-06-14 01:04:01 | 日記

昨日、友人についてどこかの新聞社がやっているカルチャーセンターのカンツォーネ・シャンソン教室なるもの行ってきました、友人は生徒さんですが、一度見学に来てみたらどうやというわけです

 まあ、それほど強い関心があったわけではないのですが、いつであったか、十年以上前のことだったでしょうか、この友人の選挙落選記念パーティーをどこかのラウンジみたいなところで行いましたときに、誰もフランス語がわかる人がいなかったのを幸いに、GGIはシャンソンの名曲「枯葉」をインチキ・おフランス語で熱唱、大喝采を浴びたことがあるのをこの友人が覚えていて、誘ってくれたのであります、それに、世間はいまいったいどうなっているのか、近頃高齢者などのあいだで大流行りのカルチャー教室はいかなるものであるか、視察するのも悪くないであろうと思ったからでもあります

 教室はJR京都駅のすぐ近くの、こぎれいなビルの7階にありました、先生は50代半ばか、いかにも大阪のオバちゃんといった感じのあけっぴろげな、たいへん元気が良いと申しますか、ときには元気すぎて少々乱暴になってしまうという感じの女性でありました

 友人が教室の先生に、入口でGGIを紹介してくれました

「センセ、このヒト、ボクの友だちやけど、見学したいと言うてはるのや、よろしいですか」

「ああ、ええよ、どうぞ、どうぞ、何でも見学したって!」

 カンツォーネ・シャンソン教室と銘打っておりましたが、要するにあちらのポップスに日本のポップスも交えて何でもありのようでありました、生徒さんは十数人、大半が中年以上のオバサン、教室にはマイクにスピカ―など音響機器などが備えられており、ピアノの伴奏を行う女性が鎮座しております

 授業の初めに先生が叫びます

「さあ、みんな、はじめにピアノに合わせて二、三曲、全員でうたってみましょかあ、じゃあ、○○チャン、ピアノ頼むでぇ、譜面あるなあ?」

「座ってたらあかん、元気がでん、みんな立って!さあ、いくでぇ!」

岸洋子の「夜明けの歌」などGGIも知っている曲ばかりでありました

「ちょっと、みんな、もっと大きな声で!どっかからヘンな声が聞こえるでぇ、音程はずれてる、誰や!」

「今日は○○チャン、来てへんのか、あのこ、よう休むなあ、ええ声してるんやけどなあ」

たえず身振り手振りで拍子をとりながらの元気な指導ぶりであります、気取ったところがまったくないものの、ズケズケとものを言う、なかかなの授業ぶりでありました

 今日の課題曲はラテン・ポップスの懐かしき名曲「アマポーラ」(ヒナゲシの花)でありました、甘ったるいラブソングであります

 しばらく全員で練習したのち、生徒さん、一人一人、前に呼び出されて、先生を横にしてマイクに向かって歌うといわけです、先生が口うるさく、かつ具体的に指導を行います

 「は~い、次は○○ちゃん、ちゃんと家で練習したきたあ?先週、家でも練習できるように、ピアノでひいてもらったのを録音して帰ったんやろ?」

「ええ、そやけど・・・」

「まあ、ええわ、歌ってみぃ、キーの高さ、どうする?」

「あのぉ・・低いのでお願いします・・・」

「あんなあ、○○ちゃん、ピアニストに低いのでお願いしますなんていうたら怒られるでぇ、どうするの?低いの言うてもいろいろあるんや、Dでええか」

「はい、それでお願いします・・・」

先生、次から次へ元気にさばいていきます

「えっと、次は○○ちゃん、あんたや・・・・」

「まあまあやなあ、でもな、ここの音、あんた高すぎるのや、もっと低く・・」

「もう一回、ここだけ歌ってみぃ・・・ああ、ますます悪いわ、最悪や、ピアノ弾いてもらうから、よう聞きなさい!」

先生が何を言おうと、GGIは見学者であるから気楽なものであることよなあと思っておりましたら、ついにわが友人の番が回ってきました

有人、先生の横にたってから何やらボソボソお願いしておりました

「センセ、このスペイン語の歌詞のほうはカンニンしてほしいのやけど・・・」

「ああ、ええよ、それなら日本語の歌詞のほう2回繰り替えて歌ったらええ」

友人、なかなか野太い、いい声でありました

かようなしだいでGGI、あまり上手とはいえない「アマポーラ」を続けて十度ばかり聞いてしまうことにあいなったのですが、クーラーが効きすぎていたので体がすっかり冷えてしましました

弱ったなあと思っておりましたら、生徒さんの一人が大きな声で先生に向かって言いました

「センセ、クーラーが効きすぎて寒いんですけど」

「あ、そう、何でも言うてや、私なんでもするさかい」と言って、先生はすぐに立ち上がり、クーラーのスイッチを切りました

授業が終わり、退席するときに、友人が先生に何か頼みごとをしておりました

「センセ、○○○のCDが欲しいのやけど手に入らないのです、どこで売っていますかねぇ」

「あっ、それやったら私持ってる、ダビングしてあげるわ、そやけど私忘れっぽいし、メールちょうだい、メールに『ダビングするの忘れるな!』とでも書いておいてくれたら次の授業のときに持ってくるさかい・・・」

たいへんいい先生であります、GGIは感心してしまいました

 次回の課題曲は古いシャンソン「花まつり」でありました、先生が歌ってみせ、最後に「シ・ビアン シ・ビアン」、センセ、「これ、おフランス語よ」とのたまわっておりました、si bien、英語のvery goodであります

 帰宅しましてから深夜、ネットで「アマポーラ」を聞いてみました、ナナ・ムスクリークというギリシャの人気女性歌手が、オーケストラか大きな楽団をバックに、スローテンポで甘く優しく歌い上げており、なかなかのものでありました

 教室で聞かせていただいた生徒の皆さんの歌いぶりとは、こう申しては失礼の限りでありますが、大違いでありました、教室ではみなさん、大きな声でひたすら元気に歌われていたのでありますが、この歌、もともと甘い甘い優しい優しい恋の歌でありますから、もっとスローテンポでもっと甘ったるく静かに歌うべきなのであることに気づきました、でもですねえ、あの元気いっぱいオバサン先生に、そのような指導を望むのはお門違いというものでありませう

 でもなかなか楽しい体験でありました、友人とこの優秀なる楽し過ぎるセンセイに心より感謝申し上げます

 今夜の写真はアマポーラ、すなわちヒナゲシの花であります、ネットから借用したものであります、よろしければクリックしてご覧くださいませ

 グッドナイト・グッドラック!