UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

世界で最も厳しい基準だなんて、何だかウソっぽいと思っていたのですが・・・

2014-04-29 01:16:01 | 日記

みなさんもご存知のとおり、アベ君は福島原発事故後に作られた新しい原発規制基準は世界一厳しいものなので、この基準をクリアした原発は再稼働させると公言しております

 GGIは当初からこの「世界一厳しい」というのは怪しい、ウソっぽいと思っておりました、こんな短期間のうちに、事故から数年しかた経っていないのに「世界一厳しい基準」が簡単に作れると思われませんし、ましてその「世界一厳しい基準」に合うように原発を修理したり改造したり、体制を整えたりすることなんかできないと思うからです

 GGIだけでなく、多くの方々が「またまた、アベ君、いいかげんな口当たりのよい美辞麗句を羅列して・・・」などと思っておられるのではないかと思います

 そんなことを何となく考えておりましたら、一昨日426日の朝日新聞に、案の定、原発規制基準はまことにウソっぽい、いや、ウソであると言っても差し支えないという記事が掲載されていました、その記事を以下に引用いたします

 《世界一の根拠、政権示せず 原発規制基準》

安倍政権が今月閣議決定たエネルギー基本計画で、原発再稼働を審査する原子力規制委員会の規制基準を「世界で最も厳しい水準」と明記したことについて、疑問視する指摘が出ている。政権が「世界一」の根拠を示せていないからだ。

 安倍政権は基本計画で再稼働を進める条件として「世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合」と明記した。「世界で最も厳しい」の根拠について、管直人元首相が質問主意書でただしたところ、政権は25日に閣議決定した答弁書で「諸外国の規制基準を参考にしながら世界最高水準となるよう策定した」などと答えた。

 菅氏は取材に対し「根拠は何も示されなかった。最高水準だから最高水準なのだと同義反復しているだけだ」と答弁書を批判した。
 原発事故を経て国は規制基準を抜本的に見直し、防潮堤をかさ上げするなど、基準を事故前より厳しくした。だが、その水準が「世界最高」かどうかは「測る尺度がなかなか難しい」(原子力規制委員会・更田豊志委員)と内部にも慎重意見がある。
 15日の民主党部門会議でも、「世界最高」の根拠を問われた資源エネルギー庁職員が答えられずに立ち往生。その際、再稼働に賛成している直嶋正行経済産業相が「閣議決定している文書で根拠がないのはおかしい」とたしなめる場面もあった。
 元東芝技術者の後藤政志氏は、炉心が溶け落ちる大事故に備えるコアキャッチャーの設置や、格納容器の二重化などの具体例を挙げ「欧州では日本にない安全対策が始まっていて、後れをとっている」と指摘。自民党内からも「世界最高はウソ。再稼働向けのリップサービス」(党幹部)との声が出るほどだ。
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まあGGIに言わせれば、まことに案の定と申しますが、想定範囲内であります、確かに天災に対しての備え、耐震構造の強化や防潮堤の建設などと言った面では「世界一厳しい」に近いものかもしれませんが、その他の点に関しては、世界一というにはほど遠いのものであります

これまで原発の大事故というのは、そのほとんどは福島原発事故のような天災が引き金になって起きたものではなく、原子炉を運転している最中の設備などのトラブルや人為的なミスによるものであると言う、まったく単純な事実を関係者のみなさんはすっか見落としております。たとえば、スリーマイル島原発事故の引き金になったのは二次冷却水系統のポンプの故障と判断ミスが原因であり、チェルノブイリの事故は低出力での発電を行っていた最中に起きた事故であり、装置にも欠陥があったことによるものです。

ですから事故を未然に防ぐためには、単に天災に備えてハード面の対策を講じるだけではまったく不十分であり、原子炉の運転状況を常に厳しく監視する体制を設けておかなければならないのです、ところがこの点に関して、あらたな基準で大幅の改善が施されているとはとても思われません。

以前にも一度か二度この日記で書きましたが、米国では、運転状態を監視するために、全米約100基のすべての原子炉の運転状況、制御室の状況に関する映像や気象に関する情報などがリアルタイムで、24時間オンラインで米国原子力規制委員会(NCR)の監視部局に送られ担当者が監視しているだけでなく、各原発に2名の監視員が規制委員会からは派遣されており、独立した大きな調査・監視の権限を与えられて常に監視を行っているのです。

これにくらべて日本はどうでありませうか?福島原発事故以前は、何かトラブルがあった場合に規制庁の前身である原理力保安院の職員が原発に立ち入る程度であり、ふだんは保安院の職員はデスクワークばっかり行っていたに過ぎないのです。このような状況を大きく改善するような作業が行われたとは全く思われません。

当初、新基準の策定にあたっては米国のNCRをお手本にすると明言しておりましたが、運転状況の監視についてはお手本にした形跡はまったく認められません。米国のような監視体制を整えるには、ある程度の費用と人員と時間を要するにしても、技術的には何ら難しい点は存在しておりません、要はやる気がほんとうにあれば、十分に実現可能な話なのです。にもかかわらず、このように大切な側面を完全に手抜きして、世界一厳しい基準などと称して平然としているのは詐欺どころの話ではありません、病的な虚言壁ではないかとさえ疑いたくなります

また、米国NCRの元委員長であったヤッコ氏は、先日来日した際に、「実効性のある住民の避難計画が立てられていない場合、米国では運転を許可しないであろう」と述べております、しかしながら、原発から半径30キロの圏内に位置している自治体が作った住民避難計画のほとんどは、あるいはそのすべてが、絵に描いたモチに過ぎないであろうというのが関係者の実感であり、GGIの確信でもあります

以上に申し上げましたように「世界一厳しい基準」というのは欠陥だらけの基準であることは明らかでありますから、朝日の記事に書かれておりますように、閣議決定されたことになっている「エネルギー基本計画」において「世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合」に再稼働を認めるというのは、まことに恥知らずというか厚顔無恥というか、傍若無人というか、大インチキであります

そしてこの大インチキが、近々、この夏にも、白昼堂々まかり通りそうなのであります・・・・

今夜の写真はその大インチキがまかり通る可能性が一番大きい鹿児島の川内原発の映像です、よろしければクリックしてご覧くださいませ

グッドナイト・グッドラック!

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