みなさん「生贄」(いけにえ)という言葉をご存知でせう
でも言葉はご存知でも、生贄の実物は目撃する機会は稀にしかありません
「生贄」というのは神さまへの供え物とされる生きた動物のことであるとされています、
日頃なにかとお世話になっている人間たちの神さまへの感謝の印なのでしょうが、供え物にされる動物にとりましては、人間どものまことに手前勝手なる行為、はた迷惑もはた迷惑、大迷惑でありませう、生贄にされる動物にとりましては冤罪どころの騒ぎでありませぬ、突然の死刑宣告であり、死刑執行であります
先日の日記で近所の神社のお祭りのことを記しましたが、このお祭りのときにGGIは「生贄」を至近距離から目撃いたしました
お祭りの神輿などが休憩する「お旅所」と称される街の一角に、簡単な祭壇が用意され、その上に供え物が用意されています
上の段、中央に水が入れられた壺、その左右にお酒が入れられた壺、それにお塩とお米がひと盛り、下の段、中央に鯉が一匹、その左右に大根と海苔、
この鯉こそ、供え物の主役、すなわち「生贄」であります
写真はこの「生贄」を撮ったものです
よろしければクリックしてご覧くださいませ
哀れ鯉クン、口と尾っぽを一本の紐でしばりつけられております
これはまだ生きている鯉クンが暴れるのを防ぐためと
尾っぽをピンと反らせてカッコよく見せるためでありませう
目にはテープが貼り付けられており、外界を見ることはもはやかないませぬ
目が見えると暴れるので、わざわざ見えないようにテープで塞ぐのだそうです
鯉クン、お昼頃はまだ元気に生きているようでありました
しかし、お祭りのみなさんが楽しげにさんざめくなか
薫風のもとで五月の陽光にさらされながら
ただ独り、緩慢かつ確実に死の道をたどっていきます
夕刻にはついに息が途絶えたようでありました・・・
まことに残酷なことであります、
近くからじっと観察しておりますと、決して気持ちのよいものではありませぬ
GGIはひとり心のなかで合掌いたしました
そんなことを言って、GGI、オマエは毎日、ウシや豚の屍を食らったり、魚の遺体をつっついたりしているではないか、何をいい気なことを言っておるのかとお叱りを受けそうであります、けれどもGGIは毎日口にしておりますのは「食品」でありまして決して生贄なんかではないのであります
でも人間はやはり罪深き 生きものでありませう、人間ほど自分たちが生きていくためと申しますか、自分たちの楽しみのためにと申しますか、数多くの様々な動物を殺しまくっている動物は他に存在しないからです
《ご免よとチリメンジャコに呟きて、数十匹をひと箸に食う》
詠み人は忘れました、ずいぶん昔、朝日歌壇に載っていた短歌です
グッドナイト・グッドラック!