透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

週末東京 3

2011-11-22 | B 繰り返しの美学




 東京都現代美術館(MOT)の長大なエントランスホールの壁面はV字形の柱とガラス、金属製の有孔パネルによって構成されている。カラフルな椅子は無機的な空間に効果的なアクセントで、魅力的な空間を創出している。

繰り返しの美学@MOT 撮影111120



222 週末東京 2

2011-11-21 | A 火の見櫓っておもしろい

日野市西平山の火の見櫓

 

 
222

 中央線の八王子駅と豊田駅のほぼ中間に火の見櫓が立っている。そう、都内にもまだ火の見櫓があるのだ。電車から見えるので以前から気がついていた。先週の土曜日(19日)にようやく訪ねることができた。豊田駅で途中下車して雨の中を歩くことおよそ30分で火の見櫓に着いた。

三角形の櫓に、六角形の屋根と見張り台。屋根の上の避雷針に飾りは付いているし、櫓のブレースにはリング式ターンバックルが使われている。オーソドックスな形で各部バランスのよい火の見櫓だ。

屋根の下に半鐘が吊るされているが、見張り台の床の開口は塞がれているから上ることができない。従って半鐘が叩かれることはなく、火の見櫓は既に引退していると判断できる。隣には後継の防災無線柱が立っている。





トラス材の曲線がなかなか美しい。

火の見櫓の隣の詰所の表示板  撮影111119


 


週末東京 1

2011-11-19 | A あれこれ

 今日(19日)の午後、新宿の某ホテルで高校の同期会(24会)が開催される。この会に参加するために上京する。35人くらい参加予定とのことだが、地元松本からも15人くらい参加する。来年高校卒業○十年となり、記念行事が予定されているが、今回の同期会はそのプレイベントとして企画された。



松本からの参加者の大半は高速バスで上京するが、私は電車で行く。「あずさ東京週末フリーきっぷ」を買い求めた。図に示されているエリア内で乗り降り自由、往復9,000円のきっぷだ(土日限定)。

まず豊田駅で下車して火の見櫓を観察する。どうやら参加者の中に日頃の行いがよくない者がいるらしく、今日明日、東京は雨模様の予報だが、今日の午前中は降らないようだ。

次、武蔵境で下車して今年の7月にオープンした「武蔵野プレイス」を見学する。火の見櫓にうつつを抜かしてばかりではいけない。建築観察をもっとしないと・・・。



いつも電車では本を読むが、今回はこの2冊を持っていく。『どくとるマンボウ航海記』はあと少しで読み終える。『夜と霧の隅で』は芥川賞受賞作。共に北杜夫の代表作だ。

明日(20日)は千葉のホキ美術館まで行こうと思っていたが、大学で行われる現役学生との交流会に参加することにしたため、変更。午前中東京都現代美術館へ行き、「建築、アートがつくりだす新しい環境――これからの〝感じ〟」を観る予定。

5時を過ぎた。そろそろ出かける支度をしよう。



221 火の見ヤグラーな休日

2011-11-18 | A 火の見櫓っておもしろい

塩尻市洗馬岩垂の火の見櫓

 
221

 辰野町で火の見櫓を観察しての帰路、少し寄り道をしました。塩尻市洗馬岩垂。ここは長野県内有数のレタスの産地です。この集落を抜けるとレタス畑が広がっています。

生活道路の辻に小さな火の見櫓が立っていました。後方に防災無線の屋外スピーカーが見えています。なんだかな~という立ち姿、味気ないです。

3角形の櫓に3角錘の屋根と3角形の見張り台は小さな火の見櫓によくある型です。細身の櫓の外側に梯子が設置してあります。素朴な照明器具がついています。夜間は街灯の役目をしている火の見櫓、どんな表情を見せているのか気になります。




撮影 111113

火の見櫓も道祖神も長い年月の流れの中、人びとの暮らしをずっと見守ってきました。田舎ならではの素朴な光景です。


 


水道管

2011-11-17 | B 繰り返しの美学

 
松本市内を流れる田川に架かるちくま野橋  撮影 111115

 全く同じ要素を等間隔に並べるというシンプルなルールに拠って秩序づけられた状態は美しい。

橋桁にアングルを組んだブラケットを等間隔に取り付けて水道管(ステンレス二重保温管200Φ)を通している。

街中の繰り返しの美学な光景。


 


2011-11-15 | F 建築に棲む生き物たち

 「透明タペストリー」などという、田舎のカールおじさんのブログにおよそ似つかわしくないタイトルで書いてきました。このところ火の見櫓の記事が圧倒的に多いので、「火の見ヤグラーな日々」とタイトルを改めて書こうかな、などと考えないわけではありませんが、まあこのまま続けようと思います。

今回は久しぶりに建築に棲む生き物たちです。


棲息地:松本市の流通団地 観察日:111115

丸が横にふたつ並んでいると、ヒトはそれを顔として認識するように、どうやら神さまがプログラムしてあるようです。生まれて間もない赤ちゃんがよく見えない目で見ても母親だと分かるようにしてあるのでしょう、きっと。

ですから、丸窓がふたつ付いている外壁をみると、人の顔に見えてしまいます。そうなると、小庇と縦長の窓は鼻に、壁の手前のフェンスは口と歯に見えてしまいます。脳が顔として辻褄合わせをしてしまうからなんでしょう。

涙のあとがありますね。


 


― 彼誰時

2011-11-13 | A 火の見櫓っておもしろい


晩秋のフォトアルバム  辰野町川島にて 火の見櫓4  撮影111113 朝6時前 (三脚使用)


■ 昔は三脚もレリーズも使っていた。そう、三脚を使えばいいんだよ。気がついて今朝ふたたび辰野へ。三脚を立ててカメラを設置して待つ。火の見櫓の近くの屯所に消防団員が集まっている。

6時。来ない・・・、半鐘をたたきに来ない。近くの防災無線柱のスピーカーから音楽が流れ出す・・・。あれれ。今朝はどうやら消防関係の行事があるようだ。消防自動車が走っていく・・・。


― 撮ったど~!

2011-11-13 | A 火の見櫓っておもしろい

 今月9日から15日まで、秋の全国火災予防運動の実施期間だ。 私の住む鄙里では数年前までこの期間中、消防団員が朝晩火の見櫓に上って半鐘をたたいていたが、今では防災無線のスピーカーから半鐘の音を流すようになってしまった。

辰野町では今も消防団員が半鐘をたたいている!  知人のKさんから情報を得て、12日の早朝辰野町まで出かけた。5時過ぎに川島小学校に着いた。すぐ近くに好きな火の見櫓がある。

この時間まだ真っ暗で、火の見櫓は見張り台の照明だけがポツンと見えるだけだ。車の中でしばらく待つ。6時少し前、軽トラックが消防団屯所の前に停まった。消防団員が歩いてきたが顔がよく見えない。挨拶をして撮影をお願いした。団員が梯子を上っていく。半鐘の設置位置が低いせいだろうか、踊り場でしゃがんだ状態で半鐘をたたき始めた。谷あいの集落に半鐘の音が響き渡る。


火の見櫓4

暗すぎるのだろう、カメラが撮影対象を捉えることができないのかピントが合わない・・・。ああ、なんということだ。あせる。シャッターを押すが手持ちなのでぶれてしまう。

撮影をお願いした時、2ヶ所の火の見櫓で半鐘をたたく、と聞いていたので別の火の見櫓まで軽トラックの後をついていく。運転しながら、少し冷静になった頭で考えた。カメラを何かで固定すること、手ぶれを防ぐためにセルフタイマーを使うこと。

軽トラックが停まった。私も後ろで車を停めて外に出た。少し明るくなっている。ガードレールの支柱の上端にカメラを載せて、セルフタイマーを使って撮影する。


撮影 111112 朝6時過ぎ 火の見櫓3

1秒を越えるスローシャッターなので、団員が右手で持った木槌がぶれている。

撮ったど~!


 


217 辰野町横川の火の見櫓 6

2011-11-13 | A 火の見櫓っておもしろい

 
217 火の見櫓6 撮影111112

 天竜川の支流の横川川の谷あいに沿って国道153号線から横川ダムに至るまで辰野町横川の集落が7キロくらいだろうか、続く。ここに火の見櫓を7基見つけている。この火の見櫓は6基目。 

高さ3メートル程の小さなものだが、火の見櫓を構成する要素がすべて揃っている。梯子に手すりが付けられていて、製作者の優しい心づかいを感じる。

この火の見櫓を人に見立てるとすると・・・。山際の畑で汗を流すおばあさん、といったところだろうか。


 


― 辰野町横川の火の見櫓 4

2011-11-13 | A 火の見櫓っておもしろい

 ①

 ②

①と②の写真から、櫓が直線で構成されていることがわかります。踊り場まで四角錘台、さらに踊り場から見張り台までも、よく見ると四隅の柱が内側に傾斜しています。 いままで櫓は曲線的に絞られていることが美しいフォルムの条件だとしてきましたが、この火の見櫓を見て、改めます。実に美しい立ち姿です。

脚部のデザインがユニークです(① ③)。2面だけブレースではなくて等辺山形鋼(アングル材)で台形のフレームを組み、第1横架材と柱のコーナーに丸鋼で繋いでいます。なぜこうしたのか、構造的な理由は分かりませんが意匠的に櫓全体を直線材のみでまとめるという意図からかもしれません。脚部のデザインとして効果的で、美しい火の見櫓です。梯子のかけ方までが美しく見えてくるから不思議です。

 ③

 ④

火の見櫓4 撮影110814  建設 昭和33年 


 


― 辰野町横川の火の見櫓 3

2011-11-13 | A 火の見櫓っておもしろい

 

■ この火の見櫓は集落全体を見渡せる好立地に立っています。

  

火の見櫓の手前は屯所。全く違和感なく集落に溶け込んでいます。



屋根を支えている柱の頂部をアーチ状の横架材で繋いでいます。珍しい造りです。これだけでも雰囲気が変わります。より屋内空間的になる、とでも言ったらいいのかな。半鐘が雨からきちんと守られているという印象が強くなりますね。

反りのきつい方形(ほうぎょう)屋根と、くるっとした蕨手(神輿の屋根に付けられている飾りと同じ)とが意匠的にバランスよくまとまっています。前稿の火の見櫓同様、見張り台の下のゴチャゴチャは残念です。メカっぽくていいじゃないか、といった評価もあるかもしれませんが。


火の見櫓3  撮影110814

道路より一段低いところから四隅の柱をまず垂直に立ち上げ、道路と同レベルのところから櫓を絞り始めています。苦労してますね。この部分を美しくというのは無理な注文かもしれません。