透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

包む

2010-10-24 | A あれこれ

 「包む」というカテゴリーを設けた。「包む」については以前から関心があった。


ものと人間の文化史20 包み』額田巌/法政大学出版局 19770627購入

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「建築とは何か」 この問いにはいろいろな答え方ができるだろう。「建築は空間を秩序づける装置」だと私は答える。ハードな意味での建築だが。この定義では傘も建築ということになる。傘は雨や雪、日傘は日射を遮り、傘の中の空間を秩序づける。

同様の考え方に基づき、伊東豊雄氏はまんまくを興味ある建築として挙げている。まんまくは傘のように雨や雪、日射は遮ることができないが、視線を遮り、内外の人の出入りを制御する。内部では人の動きをほとんど拘束しない。まんまくは空間をゆるやかに秩序づける装置で、伊東氏の目指す建築が具現化されたものの一例だ。

「建築は人を包む装置」と答えることもできるだろう。この「包む」を視点にすることで、例えば洋服(*1)も風呂敷も餃子も同じ土俵に上げることができる。

『鞄心理学』で中山和彦氏は**家族が住む家は、まさに物理的な家族用カバンです。**と書き、家をカバンと捉えている。子宮もからだもカバン。いろいろなものの入れ物をトータルにカバンと捉える。

鞄という漢字のつくりも「包」だ。これからは包むについても取り上げていこう。

メモ)*1 過去ログ


 


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2 コメント

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これはパオだね (shin)
2010-11-03 23:08:55
アジア共通かと思ったら西アジアや南米でもパオは共通ですね
料理でも家でも衣装でも、どうやら繭という意味かもしれません
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shinさんへ (U1)
2010-11-04 21:28:55
コメントありがとうございます。
繭ですか、なるほど。
コク―ニング願望って誰にもあるのかもしれません。
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