透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「本所おけら長屋 一」

2019-12-08 | A 読書日記

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 久しぶりの時代小説。読み始めたのは『本所おけら長屋』畠山健二/PHP文芸文庫 第1巻。

このシリーズは12巻まで出ている(19年12月現在)。第1巻には7編の短編が収録されている。タイトルは皆ひらがな4文字。第一話の「だいくま」は大工の熊五郎が騒動を起こす話で、落語のよう。

畠山健二さん作品を読むのは初めてだが、自在な文章運びに書き慣れているという印象を受けた。巻末のプロフィールによると演芸の台本執筆や演出をしているという。このプロフィールを読んで納得した。

続けて全巻読むのかどうか、自分でも分からない。これから読みたい新書が見つかるかどうか・・・。読みたい新書が見つからなければ、このシリーズが年越し本になるかもしれない。

 
△ 表通りから表店の裏側に入る小道に面して平屋建ての裏店が並ぶ(深川江戸資料館にて 以下同じ)。

井戸や便所、ごみ溜めなどは共同。資料館で入手した資料(資料館ノート第114号 H28年3月16日発行)によると、文政11年(1828年)には江戸の平均的な店借率(長屋住まいの借家人)は約70パーセントだったという。深川地域では82.5パーセントで、江戸市中で最も高い割合だったそうだ。


△ 6帖(間口1間半、奥行2間)の大きさ。簡素な暮らしぶりが窺える。本所おけら長屋もこんな様子だろう。島田鉄斎も松吉も熊五郎もみんなこういうところで暮らしているのだなぁ。


 


― 火の見櫓 広くて深い世界

2019-12-08 | A 火の見櫓っておもしろい

■ ふたつの火の見櫓講座、今月(12月)1日のココブラ信州と7日のサイエンスカフェ(池田町のカフェ 風のいろ)を予定通り行うことができました。参加していただいた皆さん、ありがとうございました。企画・準備していただたたスタッフの皆さん、お世話になりました。

私が撮りためた火の見櫓の写真をご覧いただきながら話を聞いていただいた皆さんが火の見櫓に興味を持っていただき、「火の見櫓 みんなちがって みんないい」と思うようになっていただけたら幸せです。


大町市美麻の火の見櫓 撮影日20100504 

後方に写っているそば屋「ヨコテ家」からこの木造の火の見櫓を見たのが出口のない火の見櫓の世界に入り込むきっかけでした。


 


「脳には妙なクセがある」

2019-12-08 | A 読書日記



 『脳には妙なクセがある』池谷裕二/新潮文庫 5日、朝カフェで読み終えた。

本書を読んで中公新書ではなくて新潮文庫、といことに納得(と書いてもこの記事の閲覧者は「?」だと思うが)。

様々な実験によって得られた脳に関する知見をいくつも読み物としてまとめている。例えば幽体離脱。このオカルト的な現象も脳の右側頭頂葉の「角回」という部位を刺激すると起きることが実験によって確認されているという。

角回をウィキペディアで調べると、幽体離脱についても触れていて次のような説明がある。**身体が実際に存在する位置と意識が知覚している身体の位置との不一致によるものと考えられる。** 


興味深い内容で「へ~、そうなのか」の連続だった。