透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

景観シミュレーションについて考えるの巻

2008-02-07 | A あれこれ

 中国製餃子による中毒事件は一体どのように収束する(させる)んでしょうか。成り行き、注目です。

日本の食は実に多様ですが食材の大半を輸入に頼っている現状を考えると、そのことを素直に喜ぶ気持ちにはなれません。中国製餃子で中毒事件が起こったからといって中国からの「食」の輸入を禁止することができないこの国の「食」の供給事情を憂えるべきでしょう。

おっと今回はこんなことを書くつもりではありませんでした。一体景観シミュレーションとどういう関係があるというのでしょう。軌道修正しないと・・・。 

日本の食も多様ですが、建材も多様です(と強引に修正)。屋根材も例外ではなく、様々な材料が使われています。

混沌とした景観、その理由として多様な建材の存在を挙げることが出来るでしょう。もちろん建材を選択する者にも無秩序な景観形成の責任があることは言うまでもありませんが。

屋根材料が限られている場合には必然的に景観に秩序が生まれます。白川郷の合掌造りの集落が、どの家も皆同じ屋根材料、同じ屋根形状なのは住民が共同して屋根を葺くための暗黙のルールがあってのことかも知れません。家ごとに使う屋根材料や葺き方が違っていては住民が助け合って屋根を維持管理することが出来ませんから。あるいはそれは地元産の材料を使うことによるのかも知れません。

木曽街道ではかつては柿(こけら)板葺き石置き屋根の民家が連なっていました。古い写真などを見るとそのことが分かります。

随分前置きが長くなりました、本題に入ります。

先日(3日)降った大雪で様々な色の屋根が白一色に統一されました。混沌とした町の景観が雪によって秩序づけられた、と考えることが出来ます。雪によって屋根の色が統一されたときの景観シミュレーションが行なわれたと考えることも出来るでしょう。

景観シミュレーション、CGによって長大な建造物、例えば高層ビルや橋を建設した時景観にどのような影響が及ぶかといったチェックはよく行なわれるようですが、それには費用も時間も掛かります。

雪による景観シミュレーション、費用は掛かりません。白い景色を見ながら例えば屋根を何色で統一するのが好ましいか、検討会でも開催したらいいと思うのです。

雪化粧、それはもっと景観について考えたらどうか、という自然からのメッセージなのかもしれません。