ファンタジーなど

基本的に、いろいろなことの変なとこに突っ込みます。

円環宇宙の戦士少女 クローディア・グレイ著 ハヤカワ文庫

2019-02-17 22:49:33 | SF
未来の宇宙戦争SFというものなんだけど、サイエンスは、いい加減です。

1:人工重力有り:かなりのSFが採用しているからスルーします。

2:ゲート(ワームホール)による他星系の居住可能惑星軌道への近接位置に移動可能、
   (科学のテーマにもありますから、これそのものはスルー)
 円環状に惑星をつないだので1星系に2つある:
  問題1:星系も宇宙空間を移動している~銀河系全体が回転しながら移動していることを忘れているかも。
      2つのゲートも星系に同期させて移動させないといけないのです。
      2つあるから、惑星の位置に合わせる必要性は低いけども、使用頻度の高い方を近くに置くべく惑星の移動に
      追従させるのが経済的で現実的かも。ただし、外側軌道の公転周期を内側軌道の公転周期に一致させるのって
      余計なエネルギーを食いそう。
  問題2:ゲートが星系内にあることに。つまり、その外側軌道にも惑星がある。
      地球の外側の軌道に2つのワームホールがあるってこと。
      太陽系だと火星軌道と地球軌道の間にある感じなんだろうけど、太陽のほかに
      大引力源が2つ惑星の軌道から外れた位置にあるわけで、公転軌道を維持できるのかという疑問があります。
      惑星をワームホールに置き換えるという手法が最適な感じで、火星は置き換えて、もう一つは、小惑星帯や
      木星は無理っぽいから金星を置き換えるのが適当かも?
      惑星軌道のラグランジュ点の2つに置くのが正解の気もする。でも、星系には影響でそうな。
  問題3:惑星そばから恒星の反対側にあるゲート(ワームホール)までの所要時間を14時間としている。
      恒星までが加速、恒星過ぎてから減速となるのだけど、早すぎだろう。
       (P92に加速の記述はあるけど、減速の記述なし・・・)
      いくつものゲートを経由しての作戦実施で15日~20日って・・・

  問題4:宗教集団が3つ(第2カトリック、イスラム、ユダヤ)ではまとめすぎでは。言語も一つなのか?

  問題5:ワームホールの相手先には、宇宙船で飛んで行ってワームホールを設置しなきゃいけないのです。
      太陽系に一番近い恒星でもプロキシマ・ケンタウリで約4.243光年、次はケンタウルス座アルファ星
      4.36光年(連星だからダメ)、バーナード星5.96光年となります。行ってみて、少しは居留可能な
      惑星があったら、近くの宇宙空間にゲート(ワームホール)を設置してゲートを使って帰るとしても、
      世代宇宙船で技術者家族が飛ぶような話になるのです。
      小説がかなり遠い未来ってことで・・・

  問題6:侵略戦争で退却させた後、相手と交渉するでもなく、ワームホールを監視もせず、他惑星に連絡員・外務員も
      置かず、ワームホールを使って交易できる宇宙船があるにも関わらず交易もせずにただただ放置したって
      脳天気は、あり得るのか?

P37:メカしかいない船内が30年間、呼吸可能な空気の状態で保持されていたってのはご都合主義かも。
  水分も保持されていたってこと。
  自動機械がやってましたでもいいけど。

P69:ジェネシス星系の描写で、ジェネシス惑星の衛星2個が見えるのは近くで戦闘したのだからいいとしよう。
  ほかの惑星もひときわ大きく輝いているというのは、観念的にはわかるけど、見えているとは無理筋。
  地球から見える隣の惑星の金星(朝夕限定)や火星(夜間限定)でも光っている点にしか見えないわけで、
  宇宙空間で見れば、外惑星は、いつでも見えるとしても光っている点=星の一つとしか見えないのでは。
  コンピュータの表示とするべき。(ただし30年たっても壊れないってのは無理だから、
  メカがまったく故障していないってのもご都合主義w)

P83:SFで便利な保護フィールドがあることに。これが生きていたら乗り込めなかったはず。
  切れていたなら、恒星からの放射線も30年間素通りだったことに。現代の半導体メモリだったら、
  中身が保持できないから、別の素子を考え出さないとw

P92:恒星に向かって進むので遠ざかる惑星はジェネシス星の外軌道の惑星ということに。
  (近づく惑星もあっていいんだけど~内惑星と、恒星の反対側にある外惑星)
  外惑星が遠ざかるように見える速度って無理じゃないだろうか。どれも星の一つにしか見えないのだから。
  ゆっくり移動して見える星があるというのなら少しは正解かも。

P96:現実的には、ロケット噴射を目的地に向けて噴射して減速するため、足下方向が目的地のわけなのですが、
  小説では頭が向いているようです。
  減速方法が疑問です。減速しないまま最大速度で突っ込みました、ゲート移動中に速度ゼロになりましたって
  無理筋?あるいは、最大速度のままゲートを飛び出したとしても地雷原抜けるのが無理っぽいのでは。
  3階建てのビルほどの(涙滴型)宇宙船なので、方向転換はかなり難しいし、少しは減速していないと。

P106:キズミット星の近くから恒星へ遺体を偵察機で飛ばすのですが、恒星へ突っ込むのが早すぎです。
  少なくとも7時間は掛けないと。さらに、エンジンを噴射してるのに、ばれないと?

以後省略

結局は、宇宙を場面に借りただけのファンタジーってとこでしょうか。
超科学は、魔法に見えるのはいいとしても、理科程度も無視する小説をファンタジーとして読むのは
ストーリーを楽しむ以前に結構な抵抗があります。
     
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