ファンタジーなど

基本的に、いろいろなことの変なとこに突っ込みます。

イレーネの戦争 川人忠明著 朝日ノベルズ

2010-07-31 12:16:41 | ファンタジー

意欲作ですね。

時代設定はヨーロッパ中世あたりですかね。

おしいかな、戦争の戦術というか実態が変です。

1.敵に攻め込まれるまで、敵に気づかない・・・・攻撃側は、応援が来ることも充分予想できるはずで、予想できなくとも、周辺に見張りを出しているはずなのです。また見張りがいなくても、林や森林ならともかく平地の城郭都市ですから、近づいてくれば丸見えです。また騎馬部隊がいれば土ぼこりがあがりますから。

2.遠隔武器(弓、弩など)や槍を持つ部隊がいるのがあたりまえのはずですが、どうも敵にはいないみたいです。これじゃあ、弓兵や騎兵には一方的にやられちゃいますね。ついでと言えば、応援に来た騎兵部隊は、ヨーロッパ中世のナイトのイメージなのかな?これって、弓や弩や槍で一方的に攻撃されて殺されたという十字軍の歴史があるんですけど。ナイトには数人の歩兵相当のお供が付いていたようですけど遠隔武器でナイトだけ先に殺されてしまい、あとは役に立たなかったようで・・・

騎兵しかいない相手は、歩兵だけで殲滅できるという戦術が存在します。盾や槍装備の歩兵や、馬を寄せないための柵などで騎兵が近づけないように押さえておいて後方から弓や弩で攻撃するというものです。当然騎兵も近くでは戦闘できませんから、自然に弓で攻撃する形になり、一箇所にいたらいい標的ですから走り回るわけです。しかし、標的としては騎馬のほうが大きいわけですから、人数が同程度なら、騎馬側の方の損失が大きく、いずれ騎馬側は、殲滅されます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

魔人譚偵 夜凪砂傷那 寺だとものり著 朝日ノベルズ

2010-07-30 20:41:11 | ファンタジー

大正十八年の架空の時代を舞台にしたファンタジーです。

おかしなとこを:

P15:手紙の文体なのですが、手紙とすれば、歩きながら書いたことに・・・・

ヨネさん:出身不明。作者の趣味でしょうか、つけるあだ名が、地方色?豊かすぎ。キズナっち、ふさっきー、あかはん・・・ ついでに、あかはん含めて地方出の方がいるのですが、標準語ですね~まあ、仕方ないでしょうね。

P31:「空を見上げる。」 :オープンカーだったのか?と思っちゃいました。サイドの窓に顔をくっつけてとか、窓を開けてやってください。(なお、フロントガラスにってのは、ライト付けてるので邪魔になってまず見えませんから無しで)

P32-35:7階建てくらい?に相当する巨大な建物の最上部(多分屋上でないと月を背にできないだろう)に月を背にした男2人が見えたというのですが、二人とも、壁際にいてくれないと地上からは見えないだろう。なお、並んでいるとこを想像してしまいましたが、向き合っていると・・・・一人が月を背にすると、向き合っている相手は・・・・ついでだ、月を背にしている人の顔は見えません。

P59-60:後ろ姿を見て、「紅い輝石が鎖骨の辺りに見える」って、無茶でしょう。その辺りに見えるなら、後姿なんだから首の下辺りとか肩の高さの背骨辺りって言わないか?

P74:赤い星は、夕方前でも見えるってことらしい。ついでだけど、北極星を除く星は、季節、時刻で見える位置が変わるんだけど、この小説では、いつでも同じ位置にありそうだ・・・・

房子は魔人だったわけですが、なぜ、結界を張ったアパートの中に入れたんだろうか?常には結界を張っていなかったってこと?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドラゴン・フライ! 諸星崇著 朝日ノベルズ

2010-07-30 16:33:59 | ファンタジー

地上は噴火だらけで住めず、空中に浮いている都市(複数らしい)に住んでいる。交通手段は、飛行機の類はあっても風のせいで実用にならず、翼竜(ドラゴン)を使うという世界。文明はかなりのものらしいが、銃器は出てこないから無いらしい。

で、おかしなとこを:

P24~:暴走族(ジャッカー)の旗を幼い竜にはかわいそうだと少女がかっぱらうのですが、少女はドラゴンに乗って逃げる間もなんとか旗をなびかせたまま持っています。少女が軽く?持っていられるものが重い?ドラゴン(幼竜キャスパー)は、その重みでふらつくというのですが?

P28:ジャッカーがやはりドラゴンに乗って鉄パイプで攻撃してくるのですが、ここが問題。

1.ドラゴンには翼があります。並んで飛んでいて触れ合わないようにするには、少なくとも翼2枚分は間を取らないといけないのです。つまり、鉄パイプもそれだけ長くないといけないのです。端を持って振り回すのは難儀だとなると、鉄パイプはさらに長くなります。

2.ドラゴンの翼は多分背側にあります。羽ばたくとかしないとしても、翼先端は、体より上にあるのが普通でしょう。この状態で鉄パイプ振り回すと・・・自分が乗っている竜の翼を殴ってしまうのが関の山。ドラゴンを傾けるか逆さになって見た目で上方に敵を置かないと殴れないでしょう。この方法なら鉄パイプは短くても大丈夫ですね。

3.戦法としては、人より大きいドラゴンを殴るのが常道では? ついでに、ファンタジーではドラゴンや大鳥に乗って剣を振り回して戦うってのが良くありますが、ここに述べた理由で不合理と思います。使う武器は、弓とか長い槍が妥当と思います。(オートバイとか馬に乗っての戦い方をそのまま書いているような気がする)

P227:腕利きの乗る翼竜からブレスが・・・:ブレス吐けるのはゼオハルトとフォレストぐらいでなかったのか?設定忘れるな~(ここはゼオハルトだけのブレスのはず)

P227:「アンタはアタシがやってあげる~」:誰のセリフだと前に戻ったら2ページ前にメルがフォルトの横にいると・・・

P228:氷雪の直撃・・・:ドラゴンが吐いたとは思えない。どういう武器だ?液体ヘリウムとか液体窒素を使った武器ってあるのか?やっぱり武器は火炎放射器が上でないのか?

P232:重力にまかせて落とすってのは、マンガの空中戦(紫電改のタカ?)でありました。が、はずすべきなのは銃弾なので、ちょっとでも落とせば弾ははずれそうですから、納得できました。でも、ここではずすべきなのは、ドラゴンの火で直径がかなりあるようです。重力で落とすだけじゃ不足するのでは?(計算すれば出るけど・・・)。また、倒されたギルガと竜は、どうやら都市上に落ちたようですが、落ちる時間が短かすぎるような?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フェンネル大陸 真勇伝 高里椎奈著 講談社

2010-07-29 17:51:07 | ファンタジー

フェンネル大陸 偽王伝シリーズに続くシリーズです。おもしろいです。

シリーズ途中から本屋で見かけなくなって、おかしいな~と思ってういるうちに忘れていました。なんと、最終巻まで出てたんですね。(田舎の本屋は、これだから・・・・・)

イメージを描きながら読む(速読の秘訣なんだそうです)わたしとしては、すごく辛いシリーズです。例えば、「雪の追憶」のP127:レンテンは・・・・歩いて・・即座に音をあげた。・・・・仰向けから一気に起き上がった。 いつ仰向けになったんだよ~というように、どうも状況説明がところどころ抜けてしまっているせいなのです。イメージのつながりが絶たれるたびに、あれ?あれ?と元に戻って確認を・・・・

また、会話部分は登場人物のせいで、すごくぶっきらぼうなため、常に話されない部分を補い、意味を考えながら読み進めないといけないので、こちらも時間がかかります。速読には向かないシリーズです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

風の島の竜使い 片倉一著 中央公論社

2010-07-29 14:39:53 | ファンタジー

C・NOVELSの特別賞受賞作です。

地名などを見るとアイヌ語から借りてるな~と思ったら挿絵なんかもアイヌを意識してるようです。北海道やサハリンなど現実との関係は無いようです。ただ、アイヌっぽい人々が昔ながらに住んでいる島に現代人(自動車や飛行船や元込めの連発銃まであるようです)が移り住んできたというところは借りているようです。話言葉は同じようなので、そこはそれというとこでしょう。

環境や人物関係・生活を書き込みすぎたため話がのったりとしてしまい、本の半分に達してからやっと事件が起きるというのが、特別賞止まりだった原因のように思います。

事件を早いうちに起こして、読者を掴んでから、時制を戻して環境や人物を書き込む手法をとったほうが良かったかもです。(駒崎優氏が、やってる手法で、説明なくやってますので、すぐには過去の話に戻ったとか現在に戻ったとかがわからないのが難点ですけど・・・「運命は剣を差し出す1~3」なんかだと、時制順は、2、1、3・・・書きあがってから、ページ入れ替えてるんではないかと思うくらい)

少し気になるのが、

P133:飛びながら掴むわけなんですが、速度的にはぶつかる形ではないかと・・・・竜が鳥のようにはばたきで滞空できるなら別ですが、竜は風に乗って飛ぶだけのようですから。

P168:二発目はあたったようだ:なんか1行かそこら抜けていないかな?

P184:地上に落ちたらもう飛べない:一般のドラゴンなんかは、走って上昇力を得てから飛ぶ方法なんだけど、この竜は、それが出来ないというのかな?だとすれば、肉食は絶対無理だな~草食でしかも木の葉しか食わなくなるわけだ・・・・なお、樹上から飛ぶ方がすごく微妙のように思います:幹を足でけって推力を得てもまずは落ちるだろうから高い木からでないとだめだろう。木の天辺から飛ぼうとすると、まず前方に落ちることから始まるので、よっぽど高い木でないと。(ドラゴン自体は飛べるはずがないってのがありましたね:あれは魔法で飛んでいるんだと)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする