彼女の作品は、かなりこなれていますので、つっこむとこは、ほとんどないんですが・・・
P139:なんの前触れもなくオズがふわりと微笑んだ。
ファンタジーは、道具立てに理論付けしなくてよいということが、あるんですけど、このシリーズでは、基本がとんでもないものになっています。
紋章の力を受け継ぐ貴族の家系が4つあり、それぞれの紋章は、異なるものであるが、各家系に伝わる紋章は、同じ紋章である。
1:手などに紋章として現れる。死ぬとか奪われたりすると消える。紋章自体が生き物ってわけじゃないようです。
2:それぞれの貴族に常に一人だけで、既に持つものが死亡した時に、その直接の血縁の中の1名だけに、その力が伝わる。つまり、完全に後天的な能力である。なお、娘が嫁に行った先には伝わらない様ですが、男子がいない場合は、女子に伝わるようではあり、かなり都合の良い、すごく頭?の良い能力です。これができそうなのは、神様くらいでしょう。
3:紋章を有する人は、他人を4人?まで、超人的な力を持つ従者?にすることができる。その従者の力は、主人が紋章を所持している限り有効です。従者が年取った時は、付け替える必要がありそうですが、それができるかどうかは不明です。
4:紋章の力は、不思議な石様のものを使って奪うことができる。これを別人に付与できるかどうかは不明ですが、どうも、話としては付与できるということのようです。しかし、奪った当人は3つも奪いながら自分を含めて誰にも付与しておらず、使わないまま敗れ去るという、なんか、ご都合主義的な展開。
ほかに、主人公は、母親が殺されたときの事件をすべて記憶喪失したことになっています。まあ、話の展開に謎と意外性を持たせようというのはわかるんですが、ご都合主義のような。小さい時の事件なら細かく覚えていなくて当たり前ってできたはず。