ファンタジーなど

基本的に、いろいろなことの変なとこに突っ込みます。

光速艦インパルス飛翔! デイヴ・バラ著 ハヤカワ文庫

2016-08-28 07:03:17 | SF
SFの分類で出版されていますが、宇宙を舞台にしただけのファンタジーです。

科学だけでなく算数にも弱いんじゃないかと。

これ、半分まで至らずギブアップしました。

変なとこを:
1:宇宙船と調査隊が何者かの攻撃を受けて大破し、宇宙船本体はなんとか逃げられたというんですが、逃げられたのが不思議。

2:最初の調査隊もドローンを飛ばすことなく突っ込んだというのですから、間抜けとしか。
  さらに再調査隊もドローンを使わずに突っ込むとは、これまた間抜けすぎの設定。

3:宇宙には無重力も加減速による重力変動も無い設定のようです。
  最近のはやりの重力制御にしても、やりすぎです。
  宇宙ステーションや宇宙船の内部描写にこれらが表れています。
  台風にも動じない巨大客船の内部描写みたいで、さらに、宇宙船が無重力になることは絶対ありませんみたいな設備。
  コーヒーカップに入れたコーヒー飲みながら出航とか加減速するってどうよ?
  着陸艇のような小さな機体でも常時通常重力があり上下固定・・・

4:ついでに、コーヒーは誰が用意して配ったり下げたりするんでしょうかね。
  一応、個人で用意はしているようなんですけど、なんかな~
  コーヒーサーバーの影も形も出てきません。また、給仕役も出てきません。
  片付け役もでてきません。まあ、個人が片付ける場面も出てきません。
  (カップを捨てるとか握りつぶすといった描写が出てこないので陶器製の印象なんですけど)

P122:ヴァーチャル表示に触れようとして感電する場面:
  理論が不明です。感電するような仕掛けを感電防止しないまま常用していいのか。
  原書は2015年出版ですから立体表示の原理は知られていたはずですがね。

P164:秒読みを始めよ・・・5分前から
  翻訳が変なんでしょうね。

P165:熱感知式タッチパネル
  こんなシロモノは誤動作がひどくて使えないかと。室温が体温の37度あたりを超えたらすべてタッチの判定になります。
  戦闘艦では、欠陥品でしょう。
  怪しい方式を出すまでもなく、立派に実用されている方式が少なくとも2つあるのを知らない?

P179:船がかすかにゆれた・・・探査機を射出したくらいで宇宙船がゆれるって・・・
  出航でもゆれない宇宙船なのに、どれだけでっかい探査機なんだ?
  ついでに探査機射出にハッチの開け閉め程度の動作をして欲しい。

P181:変位波のエネルギーの特徴が視認される時点で変位波は届いているはずなんだが、届くまで少なくとも36秒以上かかる?
  変位波は光でも重力波でもないと?

P232:この距離だと、返事は30分以内に・・・あと数分ではっきりわかる
  翻訳が変なんでしょうか。
  それとも数行以上抜けた?抜けてるなら、次の変なのも理解できるけど。

P232:そのとき~無線コンタクト・・・
  これの少し前に無線では出力が足りない、ロングウェーブの機能は無いと言っている。
  ところで、返事はまだ30分近くかかるはずなんだが、やけに早すぎる。
  で、7分後に横付けって、光速より早いってか。

P234までで、ギブアップ・・・



  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

比類なき翠玉 ケルスティン・ギア著 東京創元社

2016-08-17 15:17:20 | 日記
時間旅行者の系譜の第3巻です。

前回の続きです。

1:自分が生まれた時点以後には行けない件:
  過去への同一時点への旅行であることが示されました。
  もっとも最初の時には、顔のアザで自分ではなく若いときの叔母さんであると認識していました。
  顔や姿が似ているって、まあ、許容してもいいかもだけど、アザもそっくりってやりすぎ。

2:ひとりで車のところに行ける:
  運転手が送ろうという男なのでちょっと違和感のある進行。

3:幽霊のセメリスが博識で現在までの知識がありすぎ。また記憶もバッチリ
  幽霊がバカという定番では話の進行がもたつくので、
  幽霊の脳がどうなっているのかとか、エネルギー原とか無視しときましょうか。
  (しかもセメリウスは飾り物であるガーゴイルの幽霊という設定。他に人間の幽霊が3体登場するけど頭は良くない)

4:幽霊のジェイムズの過去に介入して歴史?を変えちゃいました。
  ルーシーとポールを若いうちに殺せる可能性も。
  ただし、話が変わっちゃうから、スルーを。
  ジェイムズの家が学校になったままというのは、圧倒的にまずいかも。

5:不老不死も登場しちゃいました。
  で、グウェンドリンは生まれた時から不死だけど、普通に成長しているから不老ではなさそう。
  伯爵がグウェンドリンが生まれた時から不老不死でなくなったという・・・
  で16年たっても若いってのは、やばくない?
  全部ご都合主義でしかないですね。

6:時間消費で、毎日3時間は過去に行かないとって多すぎだろう。
  伯爵がグウェンドリンが生まれるまでは、ずっと秘密にやってたってのは無理筋かも。

7:タイムトラベラー12人の血で賢者の石が作れ、それで不老不死になれる。
  そのためにはグウェンドリンが死ななきゃいけないとしてるが、ギデオンは不死にはなれた。

8:幽霊は幽霊を食えて、食われた幽霊は消滅するって、ご都合主義のような。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

時間旅行者の系譜 ケルスティン・ギア著 東京創元社

2016-08-15 06:15:25 | ファンタジー
文庫版にもなっている3部作です。
おもしろいです。

タイムトラベルをテーマとしたファンタジーです。

とりあえず、2巻までですが、特徴と変なところを。

1:過去へ行けるがある程度の年限がある。
  戻るのは、旅立から少し経過した時間へである。

2:出現場所は、地球上の同一の場所・同一の高さである。
  (地球が公転・自転していることと太陽系全体も移動していているため、
  地球上の同一地点は常に移動している上に同一空間になることはまず無いってことを考えないように)

3:自分が生まれた時点以後にはタイムトラベルできない。
  一方、自分が訪れている過去には行ける。つまり過去にいる自分にも会える。
  (注:1巻に例外とも見えるイベントが出てくる。3巻でわかるのか?)

4:過去を改変することが可能。というか、変えた結果が常に現代となっています。
  過去に情報を伝えることがタブーになっていない。金儲けさせることも普通に行われている。
  先祖を殺すことさへ行われているようです(自分の直系の先祖が生まれてからでしょうけど)。

5:タイムトラベルできるのは、男系の一家族の中のごく少数と、女系の一家族のごく少数。
  2家系で、これまで12人(双子1組がいるので実数は13人)という少なさ。
  (能力は遺伝するとしているものの、女だけに遺伝するのはミトコンドリアなんですが、ふれられていません。
  また、男だけに遺伝するのはY染色体なのですが、こちらもふれられていません。)

6:特殊遺伝子を持つ男も女も16歳になると、いつかタイムトラベル能力を発揮する。

7:クロノグラフという時間旅行先の年日時分、訪問時間まで設定できる装置を誰かが過去に作成した。
  過去のタイムトラベラーの一人が所持していたが用途や使い方は知らなかった。
  12人の血を集めると何かが起きるとしたのも、それがわかったのもすごすぎ。
  (すごいご都合主義!神が作ったとでもしないとダメかも)

8:タイムトラベラーの生まれる日を予言・計算できる。
  これもすごすぎるご都合主義。なお、タイムトラベラーは過去を訪問できるし、家系は2つだけなのだから、
  組織さへしっかりしていれば予言できなくても誰が能力を持っているかいずれわかるはず。
  グウェンドリンではなくシャーロットがタイムトラベラーと思われていたというのは、ご都合主義すぎ。
  つまり生まれた時からトラベラーと思われていたのに、過去へのシャーロットの訪問記録が無いというのだから、設定が変すぎる。

9:過去へ人や動物を連れていくことはできない。
  体内の細菌やウィルスは連れていけるし、持ち帰ることもできるようです。予防接種の話がでてきます。
  また、無機物は、持ち込み、置き去り、持ち帰りのいずれも可能なようです。

10:ほかの超能力としては、念動(離れた所から首を絞める)、テレパシー(発信能力のないグウェンドリでも受けられる)、
  幽霊が見え会話できる(少し見える人はいる。会話までできるのはグウェンドリだけで会話中の傍にいてもグウェンドリンの声しか聞こえない。
  幽霊は誰の声でも聞こえる)。
  ついでに幽霊は人を通り抜けることはできないが、壁などは抜けられる。よって、車に乗って移動できる幽霊は、ご都合主義かも。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ボーン・アナリスト テッド・コズマトカ著 ハヤカワ文庫

2016-08-10 18:11:58 | 本と雑誌
読まずに放置してました。

おもしろいです。

運の良さだけで生き延びるアクション+ファンタジー+サイエンスという感じです。

創造論が正しい世界なので、聖書の記述が正しいとなりますので、地球の歴史も5800年ほどとしています。
(炭素14年代測定法などの年代測定法をいじっていますので、現実の結果とは、ことごとく異なることになります。)
ネアンデルタール人などをの古生物が生存していたものとして記述するとかなり無茶がでます。
(なお、恐竜などは無視しています。これらも登場させると、さすがに無理でしょう。)

さらに、2人?の創造者の存在が暗示されています。

どちらもDNAを基本とし、人みたいな生物の骨格も同一素材で生物を作ったらしいと。
ただしDNAに一致するところが無い、つまり、DNAには共通点は素材だけで流用も何もないよと。
(生物はDNAでしか作れないとしなくてもという意見は、飛躍しすぎか?
ついでに、まったく異なる物質や化合物で作っても良かったんではとすると、ぶっ飛びすぎかも。
でも万能の創造主が2ついたら同じことしなくてもと思うよね?)


で、一方に創造された生物群は全滅しているというから、一方の創造主は消えた?みたいな・・・
まあ、一方を作ったのは悪魔だったでもいいんだけど。
さらに、その後の創造物は聖書の時代以降には影も形もあらわさないという現実に即しちゃって・・・

創造論の困ったところは、古生物の存在をどう説明するかなのだけど、
ファンタジーなんだから、この世界には古生物などいないとしても良かったかも。
もっともそうすると、主題のボーン(骨)が無くなるからまずいか。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カエルの楽園 百田尚樹著 新潮社

2016-08-04 10:27:32 | 本と雑誌
書評通りで、なんか、やりきれなさが残ります。

まだまだ甘いようです。

ウシガエルの立場に立てば、
アマガエルは、どんな味なのか、食ってみたいと思わないはずがないのです。
崖下で主食にしていたのがアマガエルで食傷ぎみだったとするなら理由にできますが。
主人公が食われても、小説ですから、なんとでもなるかと。

ヌマガエルも同じく試食される立場にあります。
北朝鮮人・韓国人の比喩でしょうから当面残されるのは当然でしょうけど。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする