ファンタジーなど

基本的に、いろいろなことの変なとこに突っ込みます。

紅のモーゼルI頭弾上下 樋口明雄著 双葉文庫

2010-10-29 20:39:05 | アドベンチャー

満州国を舞台としたアドベンチャーものです。(タイトルのモーゼルは、しかたなくカタカナにしてあります。)

日本人としては、ちょっとひけめを感じますので、読むのが、あまり心地良くないのが難点です。

ちょっと疑問も

1.受けた銃弾のせいで難儀していた謝大雲が、結局は骨髄ガンで死亡するのですが、この時代の中国大陸の一村に、骨髄ガンと診断できるほどの医術・医師がいたんでしょうか。わざわざ難しい骨髄ガンを理由にするが何かあったんでしょうね。

2.劉星山の正体が、脱走した軍人というのですが、脱走したときは、すごいやせっぽちの印象で、多分どんな中国語もしゃべれてなかったと思うのですが、結構な短期間?で、歴史に?現れた時にはがっしりで中国語ペラペラしかも黒語もバッチリってのは、つごうよすぎかも。

3、柴火と伊達の最後の対決で銃声一発だけってことは、伊達は殺されるつもりだったことになりますが、この小説では、そこまでに至る理由はなさそうに思います。伊達氏に花を持たせすぎではないでしょうか。

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覚醒するアダム デヴィッド・アンブルーズ著 角川文庫

2010-10-28 11:39:01 | ファンタジー

原著は1997年出版の、どっちかと言えばホラーよりの小説です。

結末近くの一場面をプロローグにもってきて、次は1年前から始まるんですが、プロローグで示されているのは並行世界の話かというほど違います。最後近くでも死んだはずの人が生きていたりで、ますます並行世界めいてきます。むずかしい小説です。

ところで、作者は、これまでの作品ではどうだったのかあまり覚えがありませんが、ちょっと電気関係にうといようです。

1、P100:マイクのコードは、ずんぐりした変圧器を通って壁の電源につながっていた。

   マイクが有線式ならつながっているべきは、アンプ(増幅器)あるいはレコーダーとかカメラ。無線式の場合、乾電池などの小さいやつを内臓していて、外部には、ケーブルが出ても数cm。ここでは、ビデオカメラにつながるべきで、マイク4本と言っているから、ミックスするためのアンプにつながってからだろう。なお、ビデオカメラには付属のマイクもあるんですが、映画撮影で使うような大掛かりなのしか知らないから、こんな道具たてなのかも?

2.P184:ビデオカメラの・・・・カメラのケーブルを変圧器のところまで・・・・・彼はプラグを差し込んだ。機械に電力がよみがえると、一群のインジケーターが明るく輝きだした。

  電源につないだだけで、電源が入ってしまうようなビデオカメラって存在したことがあるんだろうか?ついでに、ビデオカメラの電源に変圧器をつないでいるんだが、ACDCコンバータならわかるんだけど、翻訳がおかしい?

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神は沈黙せず 山本弘著 角川書店

2010-10-26 13:08:52 | SF

平成15年の出版です。SFと言うよりファンタジーっぽさが強いかも。中古で見つけました(安いです)。著者は、ト学会の会長でもあり、こちらの本領を発揮した小説です。

フェッセンデンの宇宙(エドモンド・ハミルトンの書いたSF短編)で示された、「何者かが、この世界を作って遊んでいるかも知れない」というのをテーマとした小説です。

さて、小説は、女の子を主人公として、彼女の一人称形式で展開されますが、彼女は著者そのもので、ものすごい質・量のうんちくを展開します(彼女だけではありませんけども)。まさに、トンデモ本やトンデモ理論の記事を延々と連ねたような、いわば集大成とでも言えるものでしょうか。

で、小説ですから、本物の記事、真の理論の中に、ウソの記事や、ウソや仮想の理論などが紛れ込んでいます。どれがウソとか調べるのは大変かもね。本物、ニセものあわせると半端な数と半端な分野数じゃありませんから。

ちょいと感想を:

1.彼女が6歳というところから話が始まりますが、とてもとても6歳どころで考える内容ではありません。プログラムのバグ云々は、プログラマーの道を歩んだ人しかわからないのでは。

2.たまに、なぜか第三者の視点が混じるようです。うんちくの展開に熱中しすぎて見落とした?

3.小説のすべては、どうも、彼女が、すべて完結した後に、過去を振り返って、その当時の視点で書いたとする形式になっているようです。で、ここで問題が:

3-1:心理描写は、一部は日記書いてるからということで逃げられるのですが・・・

3-2:話の内容がすごすぎます。すべて記録してないと無理なほどの内容の濃さだし、語る相手にしても資料見ないで、すさまじい程のうんちく語れるというのは、すごすぎます。ト学会の会員なら、この程度はできるってことかな?

3-3:しばしば、進行中に「当時は」って、書き込んでいるために、頭書の推測が成立するわけですが、これって小説としては、最悪でしょう。つまり、どんな展開になっても主人公は、無事であるということであり、ハラハラドキドキなんてしたくてもできません。ついでに言えば主人公の一人称記述ってだけでも先が見えてダメですね。短編とか、ひねくれた?作者でなきゃ殺しません。死んだ瞬間に小説が終わりますからねー

4.超常現象に、そりゃ誰も信じねーとツッコミ入れたくなるようなのが出てきます。著者がこの小説は、まったくのウソなんですよと主張しているようで、しらけちゃうんです。この小説マジに信じられると困るなと入れた?お茶目すぎでは?

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ニセ科学を10倍楽しむ本 山本弘著 楽工社

2010-10-24 20:49:36 | うんちく・小ネタ

似非科学が、どこが間違っているかを説明してくれている本です。

ちょっと氏らしくない間違いもありますが、楽しく読めます。

名称だけ触れられていますが、40年前に繁盛していたバイオリズムも、こんなもん信じられるかよと思っていましたが、この仲間だったんですね~。

間違いはP202~203:「2600年で2万6000光年を移動」は誤りで「2600光年を2万6000年で移動」が正しいのです。その前の文章から間違いはすぐわかります。光速の10倍でなんか動けませんし。

間違いじゃないんですが:P293:相対論の件でGPS衛星の時計について記述しています。一般相対論では、重力が弱まると時計の進みは速くなるのは書いてある通り。ここでは省略されていますが、一方で特殊相対論では、速く動くものは、時間が遅くなります。GPS衛星は地球の周りを飛んでいるわけですから、その速度分の遅れが出ます。その相殺の結果、GPS衛星の時計は、進む方ということです。  そういや、真逆に、GPS衛星では、時間が遅れると書いた本がありました。どれかの戦略用衛星と誤解してないだろうか?

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MM9 山本弘著 創元SF文庫

2010-10-16 13:23:43 | SF

大魔神やゴジラやウルトラマンなどの怪獣映画やTVで育ってきた世代も、気づいてみればついに定年になってしまったんですねー

で、怪獣たちに科学の目が及ぶと、残念ながら、存在が無理なものばかり・・・・ すべてが重すぎて歩くどころか立っていることさえ不可能とか、質量保存則を無視して大きくなったり小さくなったりなど。

著者は、と学会会長であり、科学技術にはとんでもなく詳しい。~氏の「こんなにヘンだぞ!空想科学読本」がおもしろいです。

怪獣の存在や大小化などに理論付けして(もちろん空想の理論)書いたのが、この本。なつかしい作品のシーンやセリフなどが、あちこちに書き込まれているというのですが、全部見つけ出せる人はかなりの通?なのだとか。既出の怪獣すべてを肯定して書いてますので、中には結構苦しいものも・・・。

一点だけ:巨大化あるいは極小化に質量保存則が働かないという理論でやっているのですが、エネルギー保存則や慣性の法則については、言及がありません。でも、巨大化した時の停止のし方からすると、巨大化しても、そのままの速度を維持するとしてしまったようです。つまり、巨大化にあわせて、どこかからエネルギーを得たということに。まあ、どっちにしても、お話の上では大したことはないので、ほっときます。

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