ミソピーイク賞をもらったベストセラーというだけに、おもしろいです。
賜(たまもの)という名称で、超能力を有する人々が少数存在する中世相当の剣の世界が舞台です。
賜由来でない魔法は存在しません。というか、魔法っぽい賜は、あまり無いようです。賜は、無意味なものからとんでもないものまで、言ってしまえばなんでもありの様相です。また、賜が発動するための必要条件は特には無いようです(後述の言霊のように、声に出さなければいけないというような少数の例外もあります)。
読者の考え付かないような、とんでもない能力もでてくるかと期待できます。一応3話構成で、アメリカでは、もうじき完結編が発行されるそうです。
主人公(娘)の能力は、戦闘、生存の能力らしいのですが、骨や筋肉なども人間以上に強化されているようです。最初のエピソードで男の鼻骨を陥没させてしまうのですが、普通なら、自分の側の骨も何か障害を起こします。
また、主人公(男)の能力は、最初自分に向けられた思念を読み取るだけとなっていましたが、どんどん進化して、人間どころか、植物、昆虫の存在まで感知し、さらには、目が見えなくても、周囲を感知して動き回れるようになってしまいます。なんか、進化じゃなくて能力の変化で、しっくりしません。話の上では、ここまで変化させる必然性は、なかったと思います。結局のところ、男の能力では敵を倒せなかったわけですから。
敵の能力は、日本でいうところの言霊の超強力版というところでしょうか。声に出して言わなければいけないというものですが、その効果範囲は、とてつもなく広いようです。なお、この賜は、ダンマリだと、その内容や方法がわからないからという理由でしゃべらせることにしたのでは。
賜を持たないアッシェン王妃とビターブルー王女がその影響から逃げ続けていられた理由は根拠薄弱です。ご都合主義ですね。
いずれにしても、これらの賜は、科学では何も説明できませんねwww