ファンタジーなど

基本的に、いろいろなことの変なとこに突っ込みます。

災獣たちの楽士2 赫奕の怒り 尾白未果著 中央公論新社

2012-01-31 15:39:34 | ファンタジー
難しいタイトルを付けたものです。

この巻で、霊魂が登場します。蛇なんかだと、殺すどころか一瞬で消滅させるとんでもない能力があります。死んで霊魂になったほうが超強力って・・・ホラーものの常道だったか。

霊魂を浄化する・じょうぶつ・昇天・消滅させるのは、災獣だけが可能って、なんか良くわからない設定になっています。

”樽の縁から茶色い泥のようなものが地面にぽたりと滴り落ちる”と、馬糞を表現していますが、現実の馬糞とは、まったく異なるようです。

馬糞は、水っぽくありませんし、あまり臭いません。ススキとかワラを食べさせると、繊維がそのまま出てくるほど消化されていません。糞の一つ一つは球形で、地面に落ちると、少しつぶれて、まんじゅうのような形になります。すぐに持ち上げても形がくずれにくいし、乾かせば良い燃料になるはずです。色は、黄土色といったところでしょうか。

牛糞ならば、完全に消化されていて水っぽくて、糞は円盤状に広がります。少し乾いてからか凍ってからなら拾えます。糞だけ集めても、小説のように滴り落ちるほどの水っぽさはありません。尿を混ぜると、そうなりますけど・・・

ところで、災獣の震魚は、自分の子である砕魚を餌とするとなっています。砕魚の餌は、なんか別なのになっています。子が食うものは親も食えるのでは?小説の筋上、砕魚がいっぱい必要で、道具立てで重要ですから、砕魚を餌にするのがいないと成長して震魚だらけになってまずいからでしょうね。

災獣5種中3種は、単独で子供を作れるようです。現実世界では下等動物だけなんですが・・・なお、焔馬の子は、普通の馬になっちゃうようです・・・残り2種は、今後の小説に期待です。


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新月が昇るまで2 鋼鉄の少女 諸口正巳著 中央公論新社

2012-01-30 10:32:31 | ファンタジー
ちょっとフェッセンデンの宇宙を連想しちゃうファンタジーです。

人と神+天使と悪魔のファンタジーというとこです。ただし神は、いまだ登場しませんし、多数の神がいるらしいのですが、神々が争っている気配はありません。また神と悪魔も戦っていないようです。一神の僕である天使が主である神に会っていないという変なとこも。神の代わりには神が作ったというとんでもない獣~神獣が戦います。神が戦う相手は、別の神を信仰する人間たちって、かなり変だし、代行に戦わせるって、結構なさけない神かも。

悪魔は、堕天使らしいのですが、悪魔のほうが天使より能力が上のようです。天使は死ぬと神が再生しない限り消滅したままのようです。弱いから殺されたのに、同じ能力のまま再生するって、バカかも・・・

天使は、魔術・魔法(神の力だから奇跡?)を使いますが、(一部の)人間は、召喚で、機械を呼び出して戦わせます。この機械が天空から鎖でぶら下がっているってところが、なんかフェッセンデンの宇宙かな~と。呼び出すには、声が必要で、しゃべれなくなると召喚できないというシバリがあります。

さて、召喚機械は、武器を持たないものは殺さないという一方で、逃げるだけの民衆を殺しまくるという変なとこも。また、複数の召喚機械が暴れまくるときに、召喚者や味方は見分けて攻撃しないという、すご~く便利な能力があるようです。

ところで、作者さんの趣味でしょうか、慣用句などをわざとひねって誤用するようです。”何々にすぎない”を”何々にすぎる”というように。

ところで、天使が”俺”と言うんですが、くだけすぎのような・・・


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古代史 封印された謎を解く 関裕二著 PHP研究所

2012-01-29 23:13:10 | 本と雑誌
2005年8月初版で、2011年12月で1版のまま43刷ってすごいです。

あまりに意外な「あの人物・あの事件」の真相とは?って副題が付いてます。

全部納得できるほどです~いいのか~

聖徳太子にも触れていますが、あのお札でなじみ?の肖像は、聖徳太子ではないというのが通説になってきてますが、そこには触れていません。まあ、法隆寺の聖徳太子の姿を彫ったと云う木像見ると、まったく違うしね・・・

まあ、蘇我の入鹿はともかく、蝦夷なんて名前では、こんな蛮族を示す名前を名乗る奴いたってのが変だな~って感じてました。これ読むと理由バッチリ。

この本では、卑弥呼は誰って特定していませんが、トヨは、誰って特定しています。邪馬台国が、なぜ特定できないようになっているかってのも、納得し易くておもしろいです。



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熱砂の巨兵2 片翼の天馬 黒川裕子著 中央公論新社

2012-01-29 14:15:35 | ファンタジー
おもしろいのですが、変なのがあって、引っかかります。

流砂:前巻からなのですが、流れっぱなしって無茶でしょう。こういう世界ですからってしか言えないかも。

P9:死ぬ頃には全身が純銀になるという、虫が出てくるんですが、いかにファンタジーでも無茶でしょう。また、純銀は酸化し易く、数ヶ月とたたずに表面が真っ黒になってしまうということをご存知ない?

P16:失敗を許さない王が出てきます。失敗=死罪って、よくぞ、こんな人の下に優秀な人材が逃げもせずに残っているものです。まあ、この設定って、コミックや、TVヒーローものの悪人としか出てこないと思ってました。まあ、こういう設定ですからと言われれば、それまで。

P68:桑の実が出てくるのですが、現実世界の桑とは違うようです。現実世界の桑になるのは、果実です。熟しすぎると落ちますが、その頃は、もう食べれません。なお、種は、ゴマよりも小さいです。クリとか、トチなどのかなり大きい実がイメージ的には合うようです。

P83:鳥(ハイタカ)を通信に使っているようですが、同じページに「なんと返信したのですか?」とありますから、ハリポタのフクロウと同様に、どことも分からないところにいる渡す相手を探して見つけて飛んできたってことを暗示しています。人間には、この超能力を持った人は、いないようです(ハリポタにもいません)。この鳥を使って、人を探そうって職業があっても良さそう。

P90:黄金の精錬所・・・金は、ほとんど単一金属で産出しますし、中世程度なら、純度100%なんて意味ないはずなので、精錬しないはず。逆に、金に混ぜ物をして純度落とし、かつ硬くするはずなので、溶かして混ぜるだけでしょう。
ブラジルでは、金が水銀に溶けることを利用して、土に混ざっている金を水銀で回収しています。集めた水銀を蒸発させれば、後には金が残ります。でも、これは精錬とは呼びません。

P202:金型師の息子が、戦術どころか戦闘の勉強もしたようには書いていないのに、戦術の運用実践にすぐれているってのは無茶でしょう。

P226:「戦はなかったのですね」・・・首を縦に振った。まあ、日本人の作品ですというとこです。ヨーロッパ人は横に振りますから。欧米へ行って日本人が苦労するのは、イエス、ノーだけじゃないんです。首振る意味が真逆の国がありましたね。

P242~:敵味方が何もせずに、ただ眺めているっていうのは、アニメなどの影響でかすぎですね。


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ファンタジーでの国境線のこと

2012-01-25 11:01:16 | 日記・エッセイ・コラム
小説であれ、マンガであれ、ファンタジーを作る場合には、多分に国境が出てきます。

その際には、国境の線引きに、少し留意して欲しいと思います。素人意見ですけど。

戦いのある国通しの国境線は、通常、戦闘を避けられる地帯の中央線近くに置くものです。つまり両国の住民が、通常では接触できない地帯です。一般的には、山や山脈の稜線や、河川・峡谷の中央、海、断崖、砂漠などです。ただし、断崖は、上の方からは楽に攻撃できてしまうので、恒久的にはなりえません(一例がデカン高原の断崖でしょうか)。砂漠は、それなりの装備で渡れるため、非戦闘地帯とはなりませんが、歴史的な経緯での立派な国境です。

ただの平地の中に国境を置くのは、普通でない場合です。
1:全域に住んでもいないうちに、地図上で分けた:アメリカの州境や、カナダーアメリカの国境、アメリカーメキシコの国境など、直線の国境が目立ちます。

2:強国が、地図上で線引きしてわけたーアフリカのかなりの国境、イラクークゥエートの国境、イスラエル旧国境、北朝鮮ー韓国国境、などなど。住民の種族や言語などをかなり無視して分けたので、強国の重石が取れると、紛争が起き易く、今も紛争が絶えません。おっと、日付変更線の付け替えで1日が消えてしまった国が話題になりましたね。

3:争っていた小国や小領主が、近くの強国とてんでばらばらに結びついたため、込み入った国境になった:日本の現在の都府県境に、それが現れているようです(飛び地が多いのは、地主もかかわったせいかと思います)。

で、ちょっと、間違いのある例を:

A:西洋の中世風の世界で、山に住み山稜地帯を支配する一族がいます。その一族と、国(農民および平地支配者)との境界が、山裾というのです。
住民は、調理するにも暖房するにも熱源となるものが、必要です。山近くに住む者なら、木です。おじいさんは、山に芝刈りに行きましたってのは、山に薪とりに入っていたのです。草原に住む者ならば、飼っている動物の糞が熱源です。肉や乳のためだけに飼っているわけでは、ないのです。燃やすものがなくなったら?多分、その地域は放置されて無人の土地になってしまうはずです。放置されていた遺跡のいくつかは、これが原因ではないのかな?

ともかく、住民は、近くの山を、燃料供給元として、大事に扱います。山の恵みを得るためにも使います。したがって、山裾から他国の領土というのは、無理な設定となります。
どうしてもというなら、山裾から、徒歩2日以上おいた土地に、かなり大きい林か森付きで村を置いてください。

B:山脈を避けて山間地つまり平地に全部の国境を引いてしまった戦国時代ファンタジーとでも呼ぶ小説があります。
自分の国側の山脈を越えた先にある土地なんて、守れないし、兵站を維持するだけでも一苦労です。これは、相手の国にとっても同じです。したがって、自然と、山脈の稜線が国境になって落ち着くのです。2つの山脈が並んでいるなら、どっちかの山脈です。楽したい側が手前の山脈を選ぶでしょう。欲張ったほうは、代わりに砦あるいは、城を築いて守備に当たる苦労をしょいこむことになります。つまり、平地と自国の間に山脈があるなら、平地側に砦ないし出城がないと不自然になります。
国境をそのまま平地におくなら砦か出城がにらみ合う配置でないとおかしいのです。なお、この場合、農地特に水利の問題が発生します。平和だと言われていた江戸時代どころか明治、大正、昭和の時代でさえ、水源の上流と下流の農民通しで水の取り合いがしばしば発生し人死さえ起きていました(村内の隣通しでもあったそうな)。これが他国の村どうしとなると・・・考えたくありませんから、こんな状況になるような設定は避けて欲しいです。

ついでなので:河川をはさんだ場合、両国は、河川をはさんで砦か出城を向き合わせることになります。もちろん、別の城から即日対応できるなら、省けます。両国が相手を信頼できるなら、作らないことも可能です。守備は、当然、一時対応(数日から長くて数ヶ月)できるだけの兵力を置き、事ある場合は応援が駆けつけられる位置に、砦、出城、兵力を配置するはずです。



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