最近の将棋界で、盛り上がっていた話。
「 女性棋士が、いよいよ三段リーグを抜けるか? 」 が、ありました。
この過酷なリーグ戦を勝ち抜けないと、プロとして認められません。
当然、女性にはハードルが高すぎて、過去誰一人として突破出来ていないのです。
そんな “ 三段リーグ ” の最終戦で、西山三段に四段昇段のチャンスが
巡ったのです。
結果は、残念なことになりましたが。
90年前後の、或る日の田園。
「 オーイ 後輩 」 と呼ぶ声が、菊の席から聞こえます。
先輩が、若い男性二人を連れて来店されているのです。
先輩とは、服部胃腸科の院長で、出身高校が同じでした。
偶々、病院建て替え時の設計士さんが田園の常連さんだったことから、
会う機会も段々増えて、気易く話をさせてもらいました。
「 オマエ、何しとる? (笑)
今日は、お前が退屈しちゃおらんどかと思って、
将棋の相手を連れてきてやったゾ~
はよ~、将棋盤ば持ってこんかい。
このおにいちゃんは “ 奨励会三段 ” のホープだけん。 」
こうして、ヒゲにとっては最強の相手との対局が始まったのです。
先手 ▲ ヒゲ △ 奨励会三段
▲ 7六歩 △ 8四歩 ▲ 2六歩 △ 8五歩 ▲ 7七角 △ 3四歩
▲ 8ハ銀 △ 7七角成 ▲ 同銀 △ 2二銀 ▲ 2五歩 △ 3三銀
▲ 7ハ金 △ 3二金 ▲ 3ハ銀 △ 6二銀 ▲ 2七銀 △ 7四歩
ヒゲが、現役で指していた70年前後の将棋界。
アマ棋界は、大山四間飛車がほとんど。
居飛車同士でも、せいぜいヤグラ戦が指されているぐらい。
こんな角換わり棒銀は、非常にレアでした。
▲ 2六銀 △ 7三銀 ▲ 1五銀 △ 5四角
実戦では、初めて遭遇する 5四角!
このまま▲ 2四歩 と行くと、△ 同歩 ▲ 同銀 に、△ 2七歩 のカウンターを。
▲ 3ハ角 △ 4四歩
それで、 3ハ角! 升田九段が居たら、ニヤリとしたか?
すると、4四歩! 一手一手が、緊張感あふれる手順です。
▲ 2四歩 △ 同歩 ▲ 同銀 △ 同銀 ▲ 同飛車 △ 3三金!
▲ 2五飛 △ 2四歩 ▲ 2ハ飛 △ 2二飛 ▲ 4六歩 △ 2五歩
長考に沈むヒゲに、先輩から 「 もう良かろう? 」 と指掛けの提案が出た。
この対局から数年後の99年5月の日曜日。
救急車で運ばれたヒゲのCT画像を見たドクターから、
「 非常に危険な状態です。
此処(日赤病院)では出来ませんので、転送先の病院を探しています。
緊急手術になるかもしれませんが、ドクターが集まるかどうか?
日曜日なんですよね~ 明日まで持ってもらえる事を願いましょう!
念の為、親族の方には連絡を取られた方がいいでしょう。 」 と。
そう言われて、事態を理解し行動に移すまで、しばらく座り込んだカァちゃん。
そして、子供二人への連絡と店のスタッフとの打ち合わせを済ませます。
だが、なかなか転送される病院が決まりません。
困り果てたカァちゃんは、ある方に電話します。
国立病院へ移動し、翌月曜日まで異変が起きずに持ち堪えました。
ヒゲが手術の準備で部屋を移動した間もなしに、落ち着かないカァちゃんを
励ましに来たのは服部先生でした。
「 執刀医のケイ先生に電話しておいたよ。
『 俺の後輩で、役に立つ奴だから、ぜひ助けてやってくれんかい! 』 とね。
もう、先生は手術室に入っていたよ。 」
その先輩の訃報を、つい最近の熊日新聞で知ることになりました。
一番危険だったハズのヒゲが、又、残されました。
世の中、順番通りには行かないことが、いっぱいです。
http://blog.with2.net/link.php?1046790
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「 女性棋士が、いよいよ三段リーグを抜けるか? 」 が、ありました。
この過酷なリーグ戦を勝ち抜けないと、プロとして認められません。
当然、女性にはハードルが高すぎて、過去誰一人として突破出来ていないのです。
そんな “ 三段リーグ ” の最終戦で、西山三段に四段昇段のチャンスが
巡ったのです。
結果は、残念なことになりましたが。
90年前後の、或る日の田園。
「 オーイ 後輩 」 と呼ぶ声が、菊の席から聞こえます。
先輩が、若い男性二人を連れて来店されているのです。
先輩とは、服部胃腸科の院長で、出身高校が同じでした。
偶々、病院建て替え時の設計士さんが田園の常連さんだったことから、
会う機会も段々増えて、気易く話をさせてもらいました。
「 オマエ、何しとる? (笑)
今日は、お前が退屈しちゃおらんどかと思って、
将棋の相手を連れてきてやったゾ~
はよ~、将棋盤ば持ってこんかい。
このおにいちゃんは “ 奨励会三段 ” のホープだけん。 」
こうして、ヒゲにとっては最強の相手との対局が始まったのです。
先手 ▲ ヒゲ △ 奨励会三段
▲ 7六歩 △ 8四歩 ▲ 2六歩 △ 8五歩 ▲ 7七角 △ 3四歩
▲ 8ハ銀 △ 7七角成 ▲ 同銀 △ 2二銀 ▲ 2五歩 △ 3三銀
▲ 7ハ金 △ 3二金 ▲ 3ハ銀 △ 6二銀 ▲ 2七銀 △ 7四歩
ヒゲが、現役で指していた70年前後の将棋界。
アマ棋界は、大山四間飛車がほとんど。
居飛車同士でも、せいぜいヤグラ戦が指されているぐらい。
こんな角換わり棒銀は、非常にレアでした。
▲ 2六銀 △ 7三銀 ▲ 1五銀 △ 5四角
実戦では、初めて遭遇する 5四角!
このまま▲ 2四歩 と行くと、△ 同歩 ▲ 同銀 に、△ 2七歩 のカウンターを。
▲ 3ハ角 △ 4四歩
それで、 3ハ角! 升田九段が居たら、ニヤリとしたか?
すると、4四歩! 一手一手が、緊張感あふれる手順です。
▲ 2四歩 △ 同歩 ▲ 同銀 △ 同銀 ▲ 同飛車 △ 3三金!
▲ 2五飛 △ 2四歩 ▲ 2ハ飛 △ 2二飛 ▲ 4六歩 △ 2五歩
長考に沈むヒゲに、先輩から 「 もう良かろう? 」 と指掛けの提案が出た。
この対局から数年後の99年5月の日曜日。
救急車で運ばれたヒゲのCT画像を見たドクターから、
「 非常に危険な状態です。
此処(日赤病院)では出来ませんので、転送先の病院を探しています。
緊急手術になるかもしれませんが、ドクターが集まるかどうか?
日曜日なんですよね~ 明日まで持ってもらえる事を願いましょう!
念の為、親族の方には連絡を取られた方がいいでしょう。 」 と。
そう言われて、事態を理解し行動に移すまで、しばらく座り込んだカァちゃん。
そして、子供二人への連絡と店のスタッフとの打ち合わせを済ませます。
だが、なかなか転送される病院が決まりません。
困り果てたカァちゃんは、ある方に電話します。
国立病院へ移動し、翌月曜日まで異変が起きずに持ち堪えました。
ヒゲが手術の準備で部屋を移動した間もなしに、落ち着かないカァちゃんを
励ましに来たのは服部先生でした。
「 執刀医のケイ先生に電話しておいたよ。
『 俺の後輩で、役に立つ奴だから、ぜひ助けてやってくれんかい! 』 とね。
もう、先生は手術室に入っていたよ。 」
その先輩の訃報を、つい最近の熊日新聞で知ることになりました。
一番危険だったハズのヒゲが、又、残されました。
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