北海道・帯広市に、六花亭というお菓子屋がある。東京で、ここの菓子をおみやげにもっていくと喜ばれる。わたしは、ゼネコンの建築現場で警備員をやっているとき、現場事務所の女性たちに六花亭のホワイトチョコレートやマルセイバター(クッキー)をよくもっていった。「ワア、六花亭だ」と、警備員のジジイなどに普段は笑顔ひとつ見せない女の人たちが、声をあげて喜ぶ。
この帯広・六花亭の包装紙は、坂本直行さんの描いた花の絵だ。
坂本直行(1906年~1982年)さんは、坂本龍馬の坂本家8代目の当主だ。坂本龍馬に子はいないが、龍馬の姉・千鶴が、直行さんの曽祖母だ。
坂本直行さんは、釧路で生まれ、北大を卒業して、十勝の広尾町に開拓に入った。北大時代は山岳部員だ。開拓農民であり、日高山脈のスポーツ登山の開拓者でもある。画家で、山岳家で、開拓農民だったのだ。
坂本直行さんが入植した下野塚は、日高山脈が目の前にせまる土地だ。日高山脈でも、最も鋭く美しい南日高の光景を毎日みていたわけだ。写真家・戸張良彦さんが、直行さんのみていた日高山脈の風景を撮影している。
十勝には、六花亭の運営する坂本直行記念館がある。冬のあいだは休館するようだが、坂本龍馬ファンの人は、訪ねてみてはどうだろう。帯広空港のすぐ近くだ。
六花亭のホームページ http://www.rokkatei.co.jp/facilities/index2.html
松本額縁店の坂本直行のページ http://matsuyama.web7.jp/chokou/index.html
写真家・戸張良彦さんのサイト http://www.y-tobari.jp/