日産JUKE(ジューク)のCM http://www.youtube.com/watch?v=BbAEiT4WHFU
いまテレビで流れる、オリアンティが演奏する日産JUKEのCMの曲は Sunshine of Your Love 。オリジナルは、クリームの1967年(昭和42年)の大ヒット曲だ。ロックの傑作、名曲だ。作曲は、ベースとヴォーカルのジャック・ブルース。作詞は、イギリスの詩人ピート・ブラウン。White Room や I Feel Free などクリームのほとんどの曲を、このふたりが書いている。クラプトンの名もクレジットされているが、印税をバンドメンバーで公平に分配するためだろう(と、わたしは思う)。
クリームは、ドラムスがジンジャー・ベイカー、ベースとヴォーカルがジャック・ブルース、ギターがエリック・クラプトン。トリオのロックバンドだ。1966年(昭和41年)に結成され、1968年11月に解散した。このわずか2年間で、3,500万枚のアルバムを売ったスーパーグループだ。このグループの大ヒットで、ギタリスト、エリック・クラプトンの名は世界的に知られて、のちの大成功へとつづいていく(紆余曲折があるのだが……)
(ベースのジャック・ブルースのことは、以前もちょっと書いたが、またすこし書きたい……わたしは、ジャック・ブルースが好きなんだ……)
グループができたとき、ジンジャー・ベイカーとジャック・ブルースは、ジャズがスタートのキャリアの長いプロ・ミュージシャンだった。テクニックもあり、音楽理論の知識も深い、ロンドンのジャズシーンのトップミュージシャンだ。
エリック・クラプトンは、ロック、ブルースのギタリストで、天才といわれた人気ギタリストだ。モデル・俳優でもいけるハンサムな若者だった。ロンドンの地下鉄ホームに、“クラプトンは、神だ” と大きな落書きがあった。という伝説もある。
そういうキャリアの音楽家3人の演奏は、いままでのティーンズをマーケットにしたロック、ポップス・バンドとはまったく違っていた。
クリーム Sunshine of Your Love http://www.youtube.com/watch?v=Cqh54rSzheg
この曲の作者で、クリームのほとんどの曲を書いて、歌ってベースを弾いているのは、ジャック・ブルースだ。もとは、クラシックの人だ。
スコットランド音楽演劇学院の奨学金をえて、チェロと作曲を学んでいたが、18才でドロップアウトする。音楽院の仲間とジャズを演奏しているのを、教授たちにうとまれ、クラシックの音楽院に嫌気をさしてやめる。
イタリア、フランスを、ジャズのダブルベース(ウッドベース)のプレイヤーで稼ぎながら放浪する。イギリスにもどって、ジャズバンドやブルースバンドのベーシストとして、ライブやスタジオでプレイしていた。
ウッドベースを弾いているのが、ジャック・ブルース。
わたしは、クリームは、ジャック・ブルースが頭のバンドだと思う。ジャック・ブルースの音楽センスと詩人ピート・ブラウンの歌詞の力が大きい。歌詞は、コマーシャルなロックバンドとは違って、文学的だ。
ジミ・ヘンの「紫のけむり」の歌詞も、かなり暗示的で、意味深だ。(アシッド的、ドラッグ的ともいえるが)。クリームやジミ・ヘンの曲を、少年・少女たちが買って大ヒットしたのだから、あの時代の若者の音楽センスは、いまのAKBなんちゃらの若者とはかなり違う。
チェロを弾くジャック・ブルース。
クリームの最後の二枚組アルバムは、日本では、金と銀のジャケットで、スタジオ録音・ライブ録音にバラして発売された。わたしの帯広駅前のレコード屋では、両方ともよく売れた。とくに金色のライブ盤が売れた。買っていったのは、高校生たちだ。十勝・帯広の少年・少女たちもいいセンスをしていたのだ。
クリーム White Room http://www.youtube.com/watch?v=uGZeqwdWoeo
ジミー・ヘンドリックス Purple Haze http://www.youtube.com/watch?v=5hSW67ySCio
ジャック・ブルースは、アメリカの「ロックの殿堂」にはいったミュージシャンだ。母校のドロップアウトした、スコットランド音楽学院からは、名誉博士号を贈られている。
ジャック・ブルース オフィシャル・サイト http://www.jackbruce.com/2008/