宇宙航空研究開発機構(JAXA)の業務を「平和の目的に限り」行うと定めた「JAXA法」からこの規定を削除するなど、宇宙の軍事利用を進める体制整備の関連法案が、6月20日の参院本会議で民主、自民、公明、みんなの党などの賛成多数で可決、成立しました。日本共産党と社民党が反対しました。
本会議前に開かれた参院内閣委員会で、糸数慶子議員(革新無所属)が質問。防衛省がどのような事態で、JAXA側に協力を要請することを想定しているのか尋ねたのに対し、須永和男防衛政策局次長は、現時点で具体的な想定はないとしつつ「防衛省が要請することはありうる」「安全保障、防衛分野においても、JAXAが役割を果たすことを期待している」などと述べました。
糸数議員は「日本の宇宙開発は非軍事で進められ、世界に誇る数々の成果をあげてきた。JAXAが宇宙軍拡を行う組織に変容することになる」と、反対を表明しました。
また政府は、内閣府の所掌となる準天頂衛星システムの整備・運用に関連して、米軍が関与していることも認めました。
「JAXA法」をめぐっては、日本人初の宇宙飛行士の秋山豊寛さんらが呼びかけた改悪反対のインターネット署名に平和を願う市民や科学者、JAXA職員など1600を超える個人・団体から賛同メッセージが多数寄せられていました。
<改悪のおもな内容>
■JAXA法:業務を「平和の目的に限り」行うと定めた規定を削除▽「国際的な平和及び安全の維持」などの必要性があれば、主務大臣がJAXAに「必要な措置」を求めることを可能にする▽人工衛星の開発・打ち上げなどで民間事業者の求めに応じて「援助」や「助言」を行うことを業務として追加▽中期目標の策定の際は、(「安全保障」や「産業育成」などを柱に掲げる)宇宙基本計画にもとづく▽主務大臣に首相と経済産業相を追加し、政令で個別プロジェクトの主務大臣を追加できるしくみを導入。
■内閣府設置法:内閣府に宇宙政策の“指令塔”機能をもたせる▽人工衛星(実用準天頂衛星システムなど)の整備・管理を所掌事務に追加▽宇宙政策委員会を設置。
■文科省設置法:宇宙開発委員会を廃止。
【出典参考】2012年6月21日付け「しんぶん赤旗」
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