2007年9月8日、安倍自民党が先の参院選で歴史的大敗をしてまもなく開かれた憲法改悪阻止各界連絡会議(憲法会議)の「学習討論集会」(於・明治大学)で、渡辺治氏(一橋大学教授)が「集団的自衛権と改憲問題」と題する講演を行っています。参院選後の憲法をめぐる新たな局面を向かえていた時期であり、9月12日の安倍首相の突然の退陣表明直前という時期的なこともあって、改憲阻止の展望を確認し合う政治状況にあったことから、集会での渡辺氏の講演はとても示唆に富んだ内容になっています。今回は、その中から「明文改憲」と「解釈改憲」、特に焦点となっている「集団的自衛権」の問題などにわたって渡辺氏の解説(概要)をご紹介したいと思います。(文責:サイト管理者)
冒頭、渡辺氏は安倍自民党の参院選での大敗によって、改憲情勢に大きな変化があらわれているとしたうえで、安倍政権が発足当初からとってきた「明文改憲」と「解釈改憲」の“二本立て戦略”のうち、「明文改憲」のスケジュールが遅延を余儀なくされたため、「解釈改憲」が再び前面に出るという状況があらわれてきたこと、そして、その目玉として登場しているのが、米軍による軍事作戦の後方支援を拡大することであり、「集団的自衛権」の容認論であると指摘しています。
渡辺氏は、講演の中で、まず歴代自民党政権とともに安倍政権が改憲戦略として進めてきた「明文改憲」と「解釈改憲」という“二本立て戦略”について説明をしています。
1955年に自由民主党が発足して以来、21人の総理大臣が出ているらしいのですが、その21人の誰もが任期中に「改憲する」ということをうたわなかったし、60年安保以来の19人にいたっては逆に「任期中には改憲しません」と言って保守政治を運営せざるを得なかった、それだけ自民党の保守政治といえども国民の憲法に対する気分を踏まえて政治を行わなければならなかったのだと分析しています。それなのに、安倍政権というのは自民党結党後の52年の歴史の中で、鳩山首相以来はじめて「任期中に改憲を実行する」ということを公約して登場した非常に“画期的な”(特異な)内閣であると言ってもいいと言っています。
そして、その第一の特徴が「明文改憲」と「解釈改憲」の“二本立て戦略”であったということ。それも同時進行という点です。
特徴の二つ目は「明文改憲」を実現するために超えなければならない“2つのハードル”=①「衆参両院で3分の2の多数をとらなければ改憲案を発議できない」というハードル、②発議された改憲案を「国民投票にかけて過半数の賛成を得なければならない」というハードルについて、渡辺氏は、これを“クルマの両輪づくり”と呼び、安倍政権はこの2つの作業を強引に推し進めたと指摘しました。(つづく)
【参考】『月刊 憲法運動』9・10月合併号(憲法改悪阻止各界連絡会議刊、665円+税)
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■「とだ九条の会」公式ホームページもご覧ください。
http://www15.ocn.ne.jp/~toda9jo/
冒頭、渡辺氏は安倍自民党の参院選での大敗によって、改憲情勢に大きな変化があらわれているとしたうえで、安倍政権が発足当初からとってきた「明文改憲」と「解釈改憲」の“二本立て戦略”のうち、「明文改憲」のスケジュールが遅延を余儀なくされたため、「解釈改憲」が再び前面に出るという状況があらわれてきたこと、そして、その目玉として登場しているのが、米軍による軍事作戦の後方支援を拡大することであり、「集団的自衛権」の容認論であると指摘しています。
渡辺氏は、講演の中で、まず歴代自民党政権とともに安倍政権が改憲戦略として進めてきた「明文改憲」と「解釈改憲」という“二本立て戦略”について説明をしています。
1955年に自由民主党が発足して以来、21人の総理大臣が出ているらしいのですが、その21人の誰もが任期中に「改憲する」ということをうたわなかったし、60年安保以来の19人にいたっては逆に「任期中には改憲しません」と言って保守政治を運営せざるを得なかった、それだけ自民党の保守政治といえども国民の憲法に対する気分を踏まえて政治を行わなければならなかったのだと分析しています。それなのに、安倍政権というのは自民党結党後の52年の歴史の中で、鳩山首相以来はじめて「任期中に改憲を実行する」ということを公約して登場した非常に“画期的な”(特異な)内閣であると言ってもいいと言っています。
そして、その第一の特徴が「明文改憲」と「解釈改憲」の“二本立て戦略”であったということ。それも同時進行という点です。
特徴の二つ目は「明文改憲」を実現するために超えなければならない“2つのハードル”=①「衆参両院で3分の2の多数をとらなければ改憲案を発議できない」というハードル、②発議された改憲案を「国民投票にかけて過半数の賛成を得なければならない」というハードルについて、渡辺氏は、これを“クルマの両輪づくり”と呼び、安倍政権はこの2つの作業を強引に推し進めたと指摘しました。(つづく)
【参考】『月刊 憲法運動』9・10月合併号(憲法改悪阻止各界連絡会議刊、665円+税)
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