防衛省は6月13日、MV22オスプレイの普天間基地配備かかわる米軍の「環境審査(レビュー)」を公表しました。これからオスプレイ配備の問題点がさらに明らかになってきました。
<訓練区域は沖縄全域、「戦術着陸帯」も50ヵ所の異常>
これによると、普天間基地を飛び立ったオスプレイは伊江島補助飛行場、北部訓練場、中火訓練場など沖縄本島全域で訓練を実施すると明記されているほか、オスプレイが沖縄の訓練で使用する「戦術着陸帯」は実に50ヵ所にのぼる異常さです。
<事故率はCH46ヘリより高い>
これまで日本政府はMV22オスプレイの事故率について、現在使用されているCH46ヘリコプターよりも低いと「安全性」を宣伝してきました。
しかし、米軍の資料から、今年4月にモロッコでの墜落事故を含めた事故率(10万飛行時間あたり)は1・93となり、CH46ヘリの1.11を上回ります。さらに同型機のCV22オスプレイは、2010年に引き続き今月13日にも米国フロリダ州で墜落事故を起していますから、これらを含めれば字孤立はさらに高まります。しかし、政府は「海兵隊用のMV22と空軍用のCV22とは別」などと述べ、両者をあわせた事故率を示していないなど姑息な説明で事故率を低めようとする始末です。
<オートローテーション(自動回転)機能が欠如>
オスプレイには「オートローテーション(自動回転)」機能が欠如しているという構造的欠陥が指摘されています。
この自動回転昨日とは、普通ヘリコプターなども回転翼航空機の場合、エンジンが停止した場合でも機体の落下で生まれる空気の流れで回転翼を回し、揚力を作り出して緊急着陸をするという能力。オスプレイはこの自動回転能力が劣っているのです。
実施、オスプレイの技術データの元主任分析官レックス・リボロ氏は「オートローテーション昨日の欠如による事故はいつか起こりうる」「エンジンが停止すればオスプレイは操縦不能になり、どこにでも墜落する」と指摘しているくらいです。
特に米軍ヘリの普天間基地上空の飛行高度は1000フィート(約300メートル)未満に設定されていますから、ヘリモードのオスプレイのエンジンが万一停止すれば、固定翼機モードに移って滑空することもできず、墜落する危険は避けられません。
(つづく)
【出典参考】2012年6月16日付け「しんぶん赤旗」(笠井・赤嶺両衆院議員の質問から、他)
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