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「経済安全保障推進法」が可決・成立――その危惧する問題点とは

2022年05月18日 | 国際・政治
5月11日、参院本会議で「経済安全保障推進法」が可決・成立しました。日本共産党から田村智子・参議院議員は反対討論に立ち、「漠とした不安や恐怖を煽り、仮想敵を前提とした安全保障戦略に企業活動や研究開発を組み込むことは、民間企業や大学等への国家権力による監視や介入をもたらす」などと訴えました。「経済安全保障推進法」とはどんなものか、2022年5月11日配信「日経新聞」、5月12日付け「しんぶん赤旗」5月12日付け「しんぶん赤旗」から記事を転載させていただき、紹介することにします。(サイト管理者)


※以下、転載はじめ↓


<経済安保推進法が成立 23年から施行、供給網を強化>

岸田文雄政権が看板政策に掲げる経済安全保障推進法が(5月)11日の参院本会議で可決、成立した。半導体など戦略的に重要性が増す物資で供給網を強化し、基幹インフラの防護に取り組む体制を整える。2023年から段階的に施行する。

経済安保法は①供給網の構築②基幹インフラの安全確保③先端技術の官民研究④特許の非公開――の4本柱で構成する。

戦略物資の調達を海外に依存するリスクを減らす。国が半導体、レアアース(希土類)などの重要鉱物、蓄電池、医薬品などを「特定重要物資」に指定する。対象物資はこれから政省令で定め関連産業向けの財政支援は厚くする。

供給の滞りを避けるため、企業の原材料の調達先や在庫を調査する権限を国が持つ。公的な支援を受けている場合、調査を拒めば罰則を科す。

基幹インフラに安保上の脅威となる外国製品が入らないための仕組みもつくる。電気や金融、鉄道など14業種を指定し、事業者は管理システムの概要や仕入れ先、部品の詳細について事前に国に報告する義務を負う。

サイバー攻撃によるシステム障害や情報流出のリスクを審査する。必要があれば設備の変更を勧告、命令する。米政府が使用を禁じる中国の華為技術(ファーウェイ)製品などを念頭に置く。

人工知能(AI)や量子といった各国が開発競争する先端技術を巡っては、官民で研究・開発する環境を整える。テーマごとの官民協議会の設置を促し、企業や大学への資金支援をする。高度な研究を進めるため、政府の機密情報を守秘義務を課して提供する。

核兵器の開発につながるウラン濃縮技術など軍事転用の恐れがある技術の特許は非公開にする。年間30万件ほどある特許出願のうち数件程度の認定を見込む。防衛省などの担当者が審査する。

虚偽の届け出や情報漏えいには最大で「懲役2年以下」の罰則を科す。

公布後2年間で段階的に施行する。まず供給網強化と先端技術の官民協力を公布後9カ月以内に始める。施行は23年からになる。次に基幹インフラの安全確保、最後に特許の非公開を始める予定で24年を想定する。

松野博一官房長官は11日午前の記者会見で「分野横断的かつ法制上の手当てが必要な喫緊の課題に対応する。日本の経済安保の確保に向けた重要な一歩だ」と述べた。


【出典】2022年5月11日配信「日経新聞」


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<安全保障」口実に権力介入――経済安保法成立 田村氏が反対討論>

――米国の対中戦略に企業や研究開発を組み込むもの――

 
外交・防衛政策とともに、経済政策を国家安全保障の柱にすえる経済安全保障法が(5月)11日の参院本会議で自民、公明、立民、維新、国民の各党の賛成で可決・成立しました。日本共産党は反対しました。日本共産党の田村智子議員は討論で、同法案が、中国の経済力・軍事力を脅威とする米国の安全保障戦略と軌を一にしたものであることをあげ、「仮想敵を前提とした安全保障戦略に、企業活動や研究開発を組み込むことは、民間企業や大学等への国家権力による監視や介入をもたらす」と指摘。しかも、政府が経済安全保障について「定義はない」と開き直り、具体的な目的・政策を明らかにしていないとして、「安全保障を理由とする規制が誰に対して、どのように行われるか、政省令に白紙委任するなど断じて認められない」と批判しました。(討論要旨)

同法案は、「特定重要技術」の開発支援として官民協議会を設置することや、特許の非公開制度の導入、政府が指定する「特定重要物資」の安定供給のための計画提出などが盛り込まれています。

田村氏は、何が「特定重要技術」に当たるのか、官民協議会の設置を求めるかは、研究資金をもつ政府の判断に委ねられ、政府が研究成果の非公開を要請することも可能になっていることなどをあげ、「このような政府による関与は、学問の自由への介入であり、研究の発展を阻害する」と指摘。戦前の秘密特許制度の復活である特許の非公開制度が産業発展を阻害することや、安全保障を理由に企業活動への政府の監視・介入が強化される危険性を強調しました。

そのうえで、田村氏は「日本にとって最も問われるのは、米国からの自立であり、労働者をコストとみなしてきた経済政策の転換だ」と指摘。「国家体制や宗教などが異なる多様な国々を『価値観』によって分断し、敵対するのではなく、平和と共存共栄の国際秩序をいかに構築するか、それこそが追求すべき真の安全保障だ」と強調しました。


【出典】2022年5月12日付け「しんぶん赤旗」


※5月11日参院本会議で成立した際の各党の態度
賛成:自民・公明・立憲・維新・国民
反対:共産・れいわ



▲経済安全保障推進法のポイント(JIJI.COM)


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