今年の米国の同盟国やパートナー諸国に対する兵器売却額が約557億ドル(約6兆2384億円)と前年比で33%増となり、2012年以降で最高水準になったことが、分かりました。
米国で兵器などの海外売り込みを担う国防安全保障協力局(DSCA)が10月10日に明らかにしたものです。
2018年10月11日配信「CNNニュース」から記事を転載させていただき紹介することにします。(サイト管理者)
※以下、転載はじめ↓
〈米国製兵器の海外売却、33%増ーー政権の促進策が一因〉
兵器などの海外売り込みを担う米国防安全保障協力局(DSCA)は(10月)10日、今年の同盟国やパートナー諸国に対する兵器売却額は約557億ドル(約6兆2384億円)と前年比で33%増を記録し、年間の全体額としては2012年以降では最高水準になったと報告した。
昨年は約420億ドルで、2012年は690億ドル以上だった。今年の増加は、トランプ米政権が打ち出した軍事装備品の輸出規制の緩和が一因。米国の兵器産業の商機拡大を唱えるトランプ氏は大統領就任後、外国指導者との首脳会談でも米国製兵器の売り込みに自ら当たっている。
就任後、最初の外遊となった昨年5月のサウジアラビア訪問ではサルマン国王との間で約1100億ドル相当の軍事関連契約をまとめていた。オバマ前政権時代はサウジへの売却を禁じていた一部の爆弾の輸出許可にも踏み切っていた。
トランプ政権による通常兵器や無人航空システムの輸出政策では、国防関連の民間企業は政府を通さず直接同盟国に売却出来る方式とした。
DSCAはこの方式の導入により、外国への兵器類売却で米政府と折衝するなどの負担が減り、売却手続きが是正されたとの利点を強調。同局幹部は声明で、米国は世界で最先端の防衛システムを売却しているだけでなく、同盟国の能力を強化し戦略的かつ防衛面での提携関係を通じ新たなパートナー諸国を引き付けているとも主張した。
ただ、トランプ氏による外国向け兵器売却に絡む官僚主義の除去は輸出対象国における人権問題とどう折り合いを付けるのかの疑問も招いている。
国際問題などを研究する米シンクタンク「スティムソン・センター」の幹部は、兵器移転にかかわるリスクは考えず、売却に伴う恩恵だけを重視していると批判。人権擁護で問題が指摘される複数の国への武器売却を認めた最近の事例に言及した
人権擁護問題と絡めた懸念はここ数カ月間くすぶり、特にサウジアラビアへの武器輸出に関連して、注目を集めた。サウジ主導の有志国が軍事介入するシリア内戦では学校バスが空爆被害を受ける惨事があったが、米国務省が承認していたサウジへの兵器売却の中に含まれていた爆弾が用いられたとも指摘されている。
【出典】2018年10月11日配信「CNNニュース」
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