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インドの長距離弾道ミサイル発射実験に抗議する

2012年04月25日 | 国際・政治

インド政府は4月19日、5000キロ以上の射程を持ち、核兵器を搭載できる長距離弾道ミサイル「アグニ5」の発射実験に成功したと発表しました。この4月30日からオーストリア・ウィーンで核不拡散条約(NPT)再検討会議の第1回準備委員会が開幕されようとしている矢先に、実施されたインド政府による長距離弾道ミサイル発射実験はどんな理由があろうとも許されるものではありません。ここに断固抗議したいと思います。

ミサイルは東部オディシャ(旧オリッサ)州の実験場からインド洋に向けて発射されました。担当官はメディアに、「(ミサイルの目的は)戦争の抑止であり、特定の標的国を想定したものではない」と語り、ミサイル開発を正当化しています。

インドは国境を接する中国やパキスタンとの間で緊張を抱えていますが、すでにパキスタンのほぼ全土を射程に入れる中距離ミサイルの配備を終えています。今回のミサイルではさらに、北京やテヘランを射程に入れるといいます。
それどころか射程距離が5000キロ以上ということですから、中国全土はもちろん西日本にも到達可能で、米ロ中など核保有国が配備する大陸間弾道弾(ICBM)に匹敵するものであって、南アジアで核兵器を含む軍拡が進む危険性があり、和平を損なうものです。

今回のミサイル発射実験は、国連安保理の決議に反して強行した北朝鮮の場合とは異なり、国際社会から発射を禁じられているわけではありません。またインドは公然と核兵器を保有しながらも、パキスタンやイスラエルと同様、核不拡散条約(NPT)に加盟していません。NPTは核兵器の保有を米ロ英仏中の5ヵ国だけに認めた不平等条約だというのがその理由です。しかしそのような状況の中で、今回のインド政府のミサイル発射実験に対して米国などの主要国は非難を避けているのは道理にあいません。

インドの核兵器保有は、パキスタンの核兵器保有を招きました。このように、インドがいくら「先制攻撃には使用しない」「防衛的」だといっても、核兵器保有を正当化することは核兵器の拡散に繋がり、世界を一層危うくするものです。

通常兵器でもインドは「軍事大国化」を加速しています。ストックホルム国際平和研究所の調査によると、インドによる戦闘機などの主要兵器の輸入は、2007年~2011年の間にその前の5年間と比較して38%も膨らんだそうです。そしてそれは世界全体の兵器輸入の10%を占めているというのです。
インドのような新興国には、経済成長に“見合った”軍事力の拡大を正当化する議論がありますが、こうした軍事力による安全保障の追求は、その地域での軍拡競争に拍車をかけることはあっても安全を確保することはできません。軍事力によるのではなく、核兵器の禁止・廃絶を実現し、地域での平和的・外交的努力によって安全を確保する道こそ探求すべきです。

【出典参考】2012年4月22日付け「しんぶん赤旗」

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