安保破棄中央実行委員会などは、このほど米原子力空母ジョージ・ワシントン（ＧＷ）の横須賀配備３年をむかえ、これに抗議して「９・２５集会」を開催します。
これに先立ち、日本共産党神奈川県委員会は「県民を原子力災害から守るため、原子力空母・艦船の横須賀母港撤回を求める」提言をまとめました。そこでこの提言が明らかにしたＧＷ母港の危険性の概要を９月１５日付け「しんぶん赤旗」から紹介します。（文責：サイト管理者）
■ＧＷは福島第一原発１号機の出力（４６万キロワット）に匹敵
横須賀を母港にして３年となる原子力空母ジョージ・ワシントン（ＧＷ）は２つの原子炉を持っています。その出力は、東日本大震災で事故を起こした東京電力・福島第一原発の１号機の原子炉（発電出力計算で４６万キロワット）に匹敵。その空母が年間１５０日間以上も東京港の玄関ともいえる横須賀港にある横須賀基地に停泊しているのです。
■三浦半島には活断層がいっぱい
今、心配されているのは三浦半島に多くある活断層が震源となる大地震の危険性です。今後３０年以内に大地震が発生する確率は全国で５番目に高い地域で、東日本大震災による地殻変動で発生確率はさらに高まったと指摘されています（文部科学省地震調査委員会、７月１１日発表）。
三浦半島活断層群地震の想定規模はマグニチュード７．２。横須賀基地はこの三浦半島活断層に沿って存在し、さらに南関東地震、東海地震、県西部地震なども想定されていますからなおさら心配です。
■外部電源破壊も心配
危険は大地震だけではありません。福島第一原発で問題となった津波や引き波による原子力空母そのものへの影響も心配です。ＧＷの喫水（船体が沈む深さ）は１２メートル。ＧＷが接岸している１２号桟橋付近は水深１５メートル。その差はわずか３メートル。地震で海底隆起したうえに４メートルもの引き波が発生したなら、着底する危険性が出てきます。
空母が停泊中に原子炉を停止するとしたら、崩壊熱の冷却のために海水と真水が必要ですし、外部電力が必要です。真水をつくる工場や外部電力をつくる発電所は、現在基地内の埋め立て地にあり、地震で地盤が液状化すれば施設の破壊に直結すると見られています。地震・津波が引き金となって空母の２つの原子炉が福島第一原発と同じような炉心溶融（メルトダウン）する重大事故につながる可能性があると懸念されているのです。
■東京の玄関口に原発
ＧＷが横須賀港に居座ることは、東京湾の入り口、首都東京の玄関先に原発が存在しているのと同じです。福島第一原発事故で２０キロ圏内の住民が強制避難に、３０キロ圏内が避難勧告地域とされました。もし、横須賀で原子炉事故が起こり、放射線物質が放出されたとすると、１００キロ圏内にある首都圏の約３０００万人に重大な影響を及ぼすことになるのです。
東日本大震災と福島第一原発事故の被害を受けた現在、こうした危険性が指摘される横須賀に原子力空母ＧＷの母港として３年間も居座り続けて来たことは認められません。「９・２５集会」主催者は「原発ゼロ！原子力空母はいらない！」の声を集め、是非集会を成功させようと訴えています。
＜原発ゼロへ！原子力空母はいらない
米原子力空母ジョージ・ワシントン
横須賀配備３年抗議９・２５集会＞日時：９月２５日（日）１３：３０～１６：００
会場：横須賀市 ヴェルニー公園
（ＪＲ横須賀駅、京浜急行汐入駅から徒歩５分）※集会後、デモ行進を行います。
※午前中、同会場で平和運動センター系の集会が行われます。規模：神奈川を中心に首都圏を含めて１万人
主催：原子力空母配備阻止神奈川県闘争本部、米原子力空母の横須賀配備を阻止する三浦半島連絡会、安保破棄中央実行委員会、安保破棄東京実行委員会、安保破棄埼玉県実行委員会、安保廃棄諸要求実現千葉県実行委員会
【出典参考】２０１１年９月１５日・１６日付け「しんぶん赤旗」
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