とだ九条の会blog

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「軍隊のない27ヵ国」から学ぶもの(5)

2008年12月21日 | 国際・政治

昨日に引き続き、前田朗氏の講演「軍隊のない27ヵ国」と著書『軍隊のない国家―27の国々と人びと―』からその一部概要をご紹介します。(文責:サイト管理者)

前田氏は、こうして「軍隊のない27ヵ国」を紹介してくると、軍隊のない国家といっても、小国が多く、経済力がないうえ、地政学的にも必要がないので軍隊を保有していないだけではないのか、他の諸国、とりわけ日本国にとって参考にならないのではないか、との批判があるとすれば、それに対し、そうではないと主張します。その理由は、

●第一に、国連192ヵ国のうち25ヵ国が軍隊を持たないという事実そのものに大きな意味があるということ。
「国家は軍隊を持つのが当たり前」という“通念”が全く誤りであることを明白に実証したから。
●第二に、「軍隊がない国家」が増えてきたことが重要であるということ。
現在いくつあるかよりも、増えてきたことが重要であると言います。
●第三に、「軍隊を持たない」という事実だけが問題ではない。諸国がいかなる歴史を有しているか、どのような外交政策を採ってきたのか、教育や市民社会のあり方はどうなのか、こうした点に目を向ける必要があると言います。
●第四に、「軍隊のない国家に学ぶ」という側面だけを問題にするのはいかにも不十分であること。
日本には憲法第九条があるのだから、本来、日本は諸外国に学ぶ立場ではなく、諸外国が憲法第九条に学んできたかどうかが問題であるとしています。
逆に言えば、日本政府が憲法第九条を守ろうとせず、骨抜きにしてきた歴史、そして「憲法第九条を世界に輸出してこなかった不作為」を反省する必要があると指摘しています。

(つづく)

【参考】『軍隊のない国家―27の国々と人びと―』(前田朗著、日本評論社刊、1900円+税)

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