tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

アメリカとの付合い方に思う事

2022年08月05日 15時57分59秒 | 国際関係
日本は島国で、歴史的には外来文化を入れて成長発展してきた国ですが、第二次大戦後はアメリカ駐留軍の教宣活動をしっかり学んで、日本的ではありますが民主主義国に脱皮しました。

あの頃のアメリカは、新生の覇権国として心理的にも経済的にも余裕があり素晴らしい国だったように思います。

その後、東西対立の中で覇権国、自由世界のリーダーとして当時言われた「世界の警察官」としての役割を果たそうとするうちに、次第に経済的な余裕をなくし、貧すれば鈍するといっては失礼かもしれませんが、随分変わりました。

ベトナム戦争では経済力の消耗は激しく、1971年にはいわゆるニクソンショックで、基軸通貨ドルは金兌換をやめペーパーマネーになり変動相場制時代に入ります。
しかし、覇権国の自覚、誇りは維持しなければなりません。自由世界で覇権国の力量を持つ国は他にありません。

1970年代以降、アメリカは、覇権国、基軸通貨国の地位を守るための多様な努力を重ね、経済力で追い上げる国に対しては警戒の目で見るようになりました。

第一番にこれに引っかかったのが日本だったようです。
日本は平和憲法を持つ国で、アメリカの核の傘で国の安全を図っている国ですから、経済的に大きくなっても人畜無害のはずですが、やはりアメリカとしては日本経済に主導権を握られることは許せなかったのでしょう。

折しも、日米関係は未曾有の親密さの「ロン・ヤス」時代でした。しかしその親密さの中でも、アメリカは、確り計算し「プラザ合意」という形で、日本に円レートの切り上げを認めさせ、日本経済を長期不況に突入させました。

アメリカがどこまでの結果を読んでいたのかは解りません。しかし結果は1ドル240円が120円と、円は2倍の切り上げとなり、日本経済は、その調整に20年を要しました。

結果的に日本はその後今日まで、ほとんど経済成長のない国になって、アメリカの思惑は予想外の出来過ぎた結果になりました。

日米蜜月といわれる中で、アメリカは自分にとって必要のことはきちんとやっているのです。仕掛けるアメリカもアメリカですが、かくも長い不況は、やはり日本の対応の失敗と考えるべきでしょう。(日本人は他人のせいにせず、自ら反省して納得するようです)

アメリカは日本に親切です、しかし、アメリカにとって必要な事はきちんと手を打ってきます。それに倣って、日本は、日本として大事なことはきちんと発言し、日本としての立場、考え方を明確に発信すべきです。

平和憲法を持つ日本です。基本的な政策は、困難を乗り越えてこれからの人類社会の平和で安定した発展のための発言であり、行動でしょう。そうした形の日本のぶれない哲学を出来得る限り明確にし、日本の意思を世界に明らかにし続ける必要があると思うところです。

多分、アメリカも。そうした人類社会の将来のための日本の発言や行動には異論を差しはさまないと思っています。