tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

人類社会と核について:難問をいかに整理するか

2022年08月09日 16時03分38秒 | 国際関係
人類社会と核について:難問をいかに整理するか
人類社会と核の問題といっても、現実に今の社会で喫緊の問題になっているのは核兵器の問題です。

核エネルギーは宇宙の活動のエネルギー源でしょう。アインシュタインはその全体像の基本原理「E=MC²」という公式を明らかにしました。
人類はその公式のほんの一部を、放射性元素を利用して巨大な原子核崩壊のエネルギーを爆弾という「核兵器」に使う事を考えつきました。

多分、放射線エネルギーは、今後人類社会の発展のために多様な役割を持つものでしょうが、そうした活用の背後で、常に人類社会の巨大な棘として、人類社会の存亡すら脅かす存在となっているのが核兵器の存在です。

ご承知のように、核兵器の存在については大きく2つの議論があります。1つは核の抑止力を重視する考え方、もう1つは核の廃絶こそが真の解決という考え方です。

確かに戦後77年、山ほど作った核兵器の使用がなかったという現実は、いったん核兵器が使用されれば、地球は核戦争の戦場となり、人類社会の破滅は明らかであるから、核兵器の存在そのものが核兵器の使用を抑止してきたのでしょう。

しかし核兵器が存在する限り、それが使用されないと言い切ることは出来ない、核兵器の廃絶こそが核戦争を無くする唯一の方法というのが確かな真実でしょう。

そして今、ロシアのウクライナ侵攻の中でプーチンが核の先行使用に触れて、世界を恫喝するという現実があるのです。

勿論プーチンは世界80億の人間の中でも際立って特殊な思考回路を持った人間でしょう。しかしそういう人間が核保有国のリーダーになることはありうるのです。

その意味では核廃絶を確実なものにすることは、これからの人類社会にとって最も大事なことでしょう。

では、その役割を果たせるのは誰かという事になるのです。80億の世界人類の思い、世界の核廃絶運動の願いを背負って、核廃絶のために動くべきは・・・。

多分それは国連であり、国連の機関であるIAEAでしょう。
IAEAのロゴの下には、次のように書いてあります。
The IAEA is the world's centre for cooperation in the nuclear field and seeks to promote the safe, secure and peaceful use of nuclear technologies.
(IAEAは、世界の核分野の協力のための世界のセンターとして、核の諸技術の活用についての安全とその保障、そして平和的使用の推進を希求する国連傘下の組織です:筆者意訳)

ウクライナでは、ロシア占領下の原発の不適切な管理、さらに新たに原発への攻撃など、危険の状態が多くマスコミによって伝えられています。
こうした状況への徹底した厳格な態応が、ロシアの核についての安易な発言や行動の抑止のためにも常に必要のように思われます。

ロシアが拒否権を持つ常任理事会ではなく、国連総会などの活動や決議等によって、IAEAの組織、権限、能力等の強化も不可能ではないように思われますが、そうした政策がまさに必要な時期に来ているのではないでしょうか。