tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

2022年6月消費性向上昇基調続く

2022年08月08日 16時00分55秒 | 経済
今朝、総務省統計局から2022年6月分の家計調査が発表になりました。

結論から先に言いますと、今年の6月の消費は、比較的好調でした。
好調の原因には、6月まではコロナの第6波の鎮静状態が続き、もしかしたらこのまま終息に入るかもといった期待も感じられたこともあるようです。

先の事は7月になって見ないと解りませんが、2人以上世帯の6月の消費支出は4月・5月対前年同月で名目・実質ともに小幅マイナスだったのを見返すように6.3%のプラスで、消費者物価が上がって来ているのにも負けず3.5%の実質上昇になっています。

特に伸びているのは住宅関連の15.5%、水道光熱の10.7%(これは値上がりのせいもあるようです)、さらに交通・通信10.7%(これは実質11.5%で通信費の値下がりのせいです)、教養娯楽の14.7%などです。

特に教養娯楽の伸びが大きいのは大変良い傾向で、コロナで抑え込まれているのが多様なイベントなどですから、コロナが終息すれば先ずこれが伸びるという指標と思われ、コロナ後の消費需要の伸びの弾力性の大きさを示すように思われます。

7月に入ってからのコロナ第7波の強烈さの影響がどの程度のものになるのか来月の数字が待たれますが、政府の with corona 戦略の結果も次第に見えてくるのではないでしょうか。

ところで6月の統計に戻って、2人以上勤労者世帯の数字で、収入、支出の両面、さらにこのブログで定点観測を続けている平均消費性向の数字を見てみましょう。

2人以上勤労者世帯の6月は、ボーナスが増えたと言われますが、多分これは好調な大企業の話で、2人以上の勤労者世帯の平均では世帯主の収入は前年同月比で-0.2&%の微減、配偶者の収入が9.9%増えて、合計1.4%のプラスで、可処分所得も1.6%の増加です。

勿論、消費者物価は2%以上上っていますから実質では1.2%のマイナスです。
残念ながら所得は実質では増えませんでしたが、消費支出の方は、恐らくコロナ鎮静化のせいが大きいのでしょうか伸びました。

対前年同期の伸び率は6.9%で、消費者物価上昇を差し引いても 4.0%の伸びで、潜在所費意欲のあることを示しているようです。

    平均消費性向の対前年比較(2人以上勤労者世帯)

                資料:総務省「家計調査報告」

結果的に、例月の2人以上勤労者世帯の平均消費性向は40.8%と前年同月を2ポイント上回っています。

上の図は、毎月当年分を1か月毎に加えていくことになりますが、見て頂きますように、3月を除いて対前年同期比プラスです。
この後の動きもコロナ次第という面も予想されますが、それに加えて、各家庭(世帯)の消費意欲が、 with corona ともいわれる中で、多少とも回復してくるのかどうかが見どころになるのではないでしょうか。