tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

忍び寄るバブルの影?

2017年12月01日 11時36分31秒 | 経済
忍び寄るバブルの影?
 バブルの時は、多くの人はバブルだと思っていない、だからバブルが発生するのです、といった解説はよく聞かれます。

 今日も株価は乱高下しています。日経平均は、朝方は200円を超える上げ幅でしたが、一転してマイナスに転じ、その後徐々にまたプラスに転じているようですが、戻りは鈍いようです。

 東京市場も、昔と違って、日本勢よりも外国勢の方が主導権を持っているようですが、アメリカのダウ平均のドル表示の価格を、日経平均が円表示の数字で追いかけているような感じの動きになっています。

 ダウ平均はすでに24,000「ドル」を超えていますから、日経平均もそろそろ23,000「円」を超えてもというのでしょうか。
 確かにアメリカ経済は好調というのが一般的な理解のようです。日本経済もゆっくりですが、堅調な歩みを見せています。
 このブログでも、日本経済は当面堅実な上昇を続けるのではないかと見て来ています。

 そういう意味では、株価上昇もバブルではないという見方が多いと思います。
 しかし、日本経済もアメリカ経済も、共に問題を抱えていることは、皆様ご承知の通りです。

 アメリカでは年明けの2月にはFRBを去るイエレン議長が、トランプ政権の財政政策について厳しい指摘をしています。
 金融政策としてやるべきこことはやり切ったが、現政権の財政政策では、連邦債務はGDP比で許容範囲を超えることになろう、これは政府が対応すべき仕事だという指摘です。

 日本では現政権は、公約だった2020年の財政基礎収支の黒字化を断念、「ただし財政健全化の旗は降ろさない」などと言っていますが、財政健全化の旗を降ろす政権などと言うものは世界にあり得ませんから、全然説明になっていません。

 もしアメリカの財政問題に懸念の意見が出れば、ダウ平均は? それより酷い累積財政赤字の日本への影響、国際投機資本の日経平均を見る目はどうなるのでしょうか。
 イエレンさんは、金融の正常化を実行しましたが、日本は金融は緩めっぱなしだから大丈夫などとは言っていられない事は確かでしょう。

 国際経済は連鎖します。防波堤は、自国経済を徹底して健全に保つことでしょう。求人倍率の高さを誇る現政権ですが、それだけ雇用が逼迫しても、国民の将来不安が消えず、ゼロ金利のもとでも消費を控え貯蓄に走る国民の不安感、それにどう答えようというのでしょうか。
 バブルの宴で解決出来ない事は、バブル崩壊で辛酸を舐めた日本人は知っています。