tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

今、好況の中で企業にしてほしいこと

2017年12月17日 23時12分40秒 | 経営
今、好況の中で企業にしてほしいこと
 この所、いろいろな調査データなどを紹介し、景気の現状を見て来ました。
 結論から言えば、有難いことに今、日本経済は好調です。

 地球上、至る所にいろいろな問題はありますが、権力闘争というのは多くの場合リーダーたちの頭の中で始まることで、庶民は平和と安寧そして豊かで快適な日常生活を求めているというのが現実の姿でしょう。

 その意味では挑発合戦のようなことにかまけているリーダーたちも、庶民の心に気づいてくれることを望むばかりです。

 冒頭「有難いことに」と書きましたが、この有難いことが、リーダーたちの責任ある行動で、安定したものになることが望まれます。
 太平洋戦争の反省の上に立って、戦争をしない国であることを闡明している日本は、平和国家、文化、科学、経済の活動で世界に貢献することを目指してきています。
 それでこそ日本は世界から必要な国として認められるのです。

 幸い、日本は長期の低迷から脱し、今、好況に入り、今年の年末商戦は今までとは少し違ってくるだろうなどと見られています。
 多くの企業の健全性も増しています。厚くなった資本蓄積は自己資本比率の改善の表れています。

 経常収支の大幅黒字の主要部分をなす第一次所得収支は、日本企業が、海外で多くの付加価値生産を行い、現地経済に付加価値(豊かさ)をもたらしていることの結果でしょう。

 日本経済にとって大事な事は、こうした経済の活発な活動を、企業で言えば『ゴーイング・コンサーン』と言われるように、永続して安定的に継続することです。
 各種調査でも、好況がいつまで続くかには不安を持つ企業も多い事が知られます。

ならば今、企業の為すべきことは何でしょうか。それは明らかで、将来に向けての成長発展の芽を育てることでしょう。厚くなった資本蓄積を生かして、将来を支えるイノベーション、多様な意味での技術開発への注力です。

 折しも、人々の生活を変えるような変化の時代になりつつあります。交通システム(自動車・鉄道)、情報システム、AI、健康長寿、地球環境、それを支えるエネルギー革命、30年後、50年後、世の中は大きく変わるでしょう。

 これこそビジネスチャンスです。成功は革新的なイノベーションにかかっています。日本は、その多くの部分で先端を走っているようです。長期不況の中で、些か遅れをとっていたイノベーションに拍車をかけるための財務基盤は整っているはずです。

 通常技術は、賃金コストの低い新興国に任せてもいいでしょう。日本の狙うのは画期的な新技術です。例えば、有機ELパネルを印刷で作るなどはその1例でしょう。
 そして最後に付け加えれば、開発は全て、人間の頭の中から生まれるのです。ですから、根源は「人の育成」です。
 日本的経営は、人間中心、人間尊重が基本です。これからの日本に期待しましょう。