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tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

〇〇ファーストが流行ですが?

2025年07月26日 15時44分15秒 | 文化社会

<このブログは tnlaboratory's blog に名称変更し「はてなブログ」で継続しています>

○○ファーストという言い方は、英語の世界では多分一般的にあったのでしょが、それが政治、特に一国の政権の公式なスローガンになったのは第一次トランプ政権の「アメリカ・ファースト」の時のようです。

「自分たちがファーストだ」とリーダーが言えば、メンバーは大体賛成するという事は考えられるのですが、なんだか自己中心主義のようで人前で声高に言うのは「えげつない」し「カッコ悪い」といった心情もあるはずです。

トランプさんの場合は、世界中がアメリカと商売して得して、アメリカは損ばかりしているという、世界で最も豊かな大国のアメリカ人が、多分潜在的に持っていた不満や被害者意識を正面から取り上げて成功しました。

日本では小池都知事が最も豊かな都道府県である東京都の知事選で「都民ファースト」と使って成功しました。人間の心理は微妙です。

今の日本では日本人は損ばかりしているという意識は結構強いので今回、参政党が「日本人ファースト」と言って成功しました。

〇〇の例として「アメリカ」「都民」「日本人」と並べましたが、○○というのは「自分たちは損している」という意識を持つ集団の被害者意識を掴み「私が救う」というリーダーの言葉として有効のようです。 

人間はSocial Animal(社会的動物)と言われますように、集団を形成して生活をしています。その最小単位は「家族」で、最大の単位な国家です。

○○ファーストという言葉が、家族と国家の場で、最も人の心に訴えることは、多くの人は一般的心情として容易に理解するでしょう。

理由は、この2つの集団は最も「出入りが制限されている」からです。どの家族に生まれるか、どこの国民として生まれるかは選べません。しかし人間は不思議なもので、殆どの人は生まれた家・国に愛着を持つのです。

それは動物の進化の過程で備わったものかもしれませんが、それならそれは自然なことでしょう。ならば、それを脅かす外界、外来者はセカンド以下です。

しかし、人間、ホモサピエンスの場合、大脳が発達していますから損得の判断から博愛の精神まで、多様な思考能力を持っています。

場合によっては 博愛の精神を優先し、場合によっては損得を優先します。

アメリカが、バターも大砲もと言われた1950年代初頭、ローズマリー・クルーニーの謳う「Come on-a my house(ウチへおいでよ)」の「あなたに上げましょキャンディ」から「何でもかんでも上げましょう(I'm gonna give you everything)」に至る気前のいい時代なら「アメリカ・ファースト」は流行らなかったでしょう。 

博愛の精神から見れば、ヨーロッパがアフリカの移民を受け入れて来たことはヨーロッパ社会の寛容さを示す良さと受け取られていました。

然し物事は程度問題でしょうか、今、ヨーロッパ右翼の台頭が目立ちます。原因は、労働力不足という経済的問題、文化の違いによる摩擦などです。

インクルージョンが大切という中で、差別・選別型の「○○ファースト」を受け入れへの風潮が、高まってきているという混乱が見受けられるのです。

成り行きに任す前に、十分、確りと考える必要がありそうです。


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