tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

消費支出に動意?これからに注目を!

2017年12月26日 12時31分03秒 | 経済
消費支出に動意?これからに注目を!
 今朝、総務省統計局から2017年11月分の家計調査報告の速報が発表になりました。
 TVニュースなどでは「消費支出3か月ぶり増加」などと報道されていますが、中身を見ますと、何か、家計消費に動きが出たような様子も見られますので、その辺りを取り上げてみました。

 家計調査の中心である2人以上世帯で見ますと、11月の消費支出は、一所帯当たり277千円余で、前年同月に比べて2.4%の増加、住居や自動車購入といった特別なものを除く「除く住居等」では、242千円弱で、同3.4%の増加になっています。(いずれも名目値、実質値は物価上昇0.7%を差し引いた値)

 注目すべきは「除く住居等」の3.4%増で、これは、耐久消費財なども入っていますが、ほぼ日常の買い物といった概念で捉えて良いように思います。
 昨日のブログで見ました政府経済見通しの2017年度の個人最終所費支出の伸び(実績見込み)は1.6%、来年度の見通しでも2.1%の伸びですから(いずれも名目)、3.4%というのは大きな伸びです。(政府経済見通しでは民間住宅は別計上)

 このブログでいつも気にしております勤労者所帯の「平均消費性向」はどうなっているのかと見てみましたら、可処分所得361千円、前年同月比2.7%増の中で、消費支出301千円の伸びは2.4%で、平均消費性向は83.4%、残念ながら昨年11月の83.6%から0.2%ポイントの低下でした。

 しかし従来、可処分所得が増えても、消費が増えない傾向が強かったのに比べれば、何か消費に動意が見えているような気がします。

 以上は「速報」よりですから、確報までには変更もあるかもしれませんが、家計調査は毎月出ます。年明けの1月末には12月分の速報が出て、年末商戦の様子も数字で見られるでしょう。
 これからの消費需要の活発化に期待して、見守っていきたいと思います。