tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

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2017年12月の日銀短観:現状好調、先行きも基本は強気

2017年12月15日 13時54分48秒 | 経営
2017年12月の日銀短観:現状好調、先行きも基本は強気
 今日、日本銀行から、今月、12月調査の「短期経済観測(短観)」が発表されました。
 昨年来の景気は「緩やかに上昇」というのが大方の見方ですが、今回の「短観」でも、大企業の業況は5四半期連続の改善となっています。

 第1項目の「業況判断」では、製造業で見ますと、大企業が前回(9月)の22から25に改善、中堅企業が17から19に、中小企業が10から15に改善となっています。
 特に今回は、中小企業の改善大きく、景気の状況が、漸く、中小企業にも浸透して来た様子が見られます。

 ただ、先行きについての回答を見ますと、大企業19、中堅企業14、中小企業11と、慎重な見方になっており、先行きについては、短観の数字は何時の慎重に出る傾向がありますので(9月調査でも先行きは19)、これは次の調査(3月)まで待った方がいいのかもしれません。
 中小企業の場合は先行きは11ですが、9月時点の実績が10ですから、中小企業が最も強気だという事でしょうか。

 非製造業では、大企業が9月⇒12月で、23→23の横ばい、中堅企業が19→20、中小企業が9→10で、製造業ほど顕著ではありませんが、傾向的には良好な状況が続いています。

 こうした判断のベースでもある経常利益について見ますと、2017年度の計画値は、前年度比の伸び率で、製造業大企業15.0%、同中堅企業4.2%、中小企業3.8%となっており、大企業の伸びが目立ちますが、いずれも、前回調査の時の計画値より3~9ポイントの改善という計画になっています。

 さらに企業の先行きへの意欲を示すと思われる、設備投資計画(2017年度、研究開発を含み、土地は除く)について見ますと、対前年同期比で、大企業:製造業6.5%増、非製造業8.5%増、中堅企業:製造業14.8%、非製造業24.0%、中小企業:製造業7.2%、非製造業-7.2%と、特に中堅企業での積極的な設備投資計画が見られます。

 営業用設備の判断のDI(過剰-不足)がいずれの場合もマイナス(不足が多い)という結果も調査も示され、雇用人員の判断でも、いずれもDIはマイナス(不足)という結果になっていますから、ベースにある企業の意欲(判断)は、基本的に強いとみて良いのではないでしょうか。

前提となる為替レートは1ドル=110円前後と回答されていますが、為替を含む、国際経済情勢の安定があれば、企業に良くは強いことが窺われるのが「短観」の結果のようです。