京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

日曜美術館 半身の馬 神田日勝

2013-09-04 06:06:16 | 美術・博物館


9月1日(再放送)NHK日曜美術館 、半身の馬 神田日勝を見ました。
衝撃的な黒い半身の馬の絵に圧倒されてしまいます。
普通ではあり得ない絵から画家の叫び声が聞こえてきそうです。

馬(絶筆)


画家神田 日勝(1937年12月8日 – 1970年8月25日)は、東京練馬生まれで、
8歳のときに戦火を逃れる為、一家で北海道鹿追町へ疎開し、そ のまま定住。
農業をするかたわら独学で油絵をはじめ、その後北海道を代表する画家として評価を得つつも、32歳の若さでこの世を去った。
ベニヤ板にペインティングナイフやコテで描く力強いタッチの具象画で有名。農家でもあったことから、農耕 馬や牛などをモチーフにした画も多い。(Wikipediaより)

私は今まで32歳で夭逝した神田日勝という画家は知りませんでした。
半身の馬は絶筆となった絵だそうですが、馬の頭と二本の前足が克明に描かれながら、なぜか胴体の途中でばっ さりと途切れているのです。
冒頭書きました通り、普通ではあり得ない構図です。
しかしあり得ないからこそ、多くの事を語りかけ、見る者の胸を打つもかもしれません。
余りにも衝撃的なこの絵は、日勝の代表作となっています。
意図的に筆を置いたのか、謎に満ちた絵です。

番組は初夏の北海道、帯広郊外の鹿追町にある神田日勝記念美術館を訪ねます。
今も暮らす日勝の妻をはじめ、創作の過程を見つめた関係者の貴重な証言から、鮮烈な作品を残した画家の生涯をたどっていました。

日勝は馬や牛を多く描いています。どれも北海道に根差して働く牛馬です。
生活にねざした牛馬へに寄せる日勝の視線は、優しいという生半可なものではありません。私は描かれた牛馬を見て、日勝その人を見ている気がしてきました。



番組でも紹介された、日勝の作品です。







晴れた日の風景


室内風景


静物