京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

美の壺 『京都の坪庭』

2013-09-18 06:17:13 | 寺院・庭園


明後日19日は中秋の名月です。待ちきれず、昨夜お月様を撮影しました。
満月まであと少しですね。
中秋とは秋の真ん中、旧暦8月15日のことです。





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NHK-Eテレで8月25日再放送された「鑑賞マニュアル 美の壺」FIie219 『京の坪庭』を大変興味深く拝見しました。
「美の壺」の趣旨は、「暮らしの中に隠れたさまざまな美を紹介する、新感覚の美術番組です。 普段使いの器から家具、着物、料理、建築に至るまで、衣食住、人の暮らしを彩ってきた美のアイテムを取り上げていきます」。
結構面白い番組で、気に入っています。
現在の案内役は、草刈政雄さんですが、初代は谷啓さんでした。

古都、京都。 風情あふれる街並に軒を連ねるのは、「京町家」と呼ばれる独特の 家です。
間口が狭く奥に細長い町家は、ウナギの寝床とも言われますが、そこには思いもよらない美の世界 があります。

番組冒頭で取り上げられた町屋は、築102年の京都生活工藝館・無名舎です。



京呉服の問屋街「室町」の一画六角町にあり、建物は白生地問屋を商った京商家の典型ともいうべき表屋造りです。
店舗、住居、土蔵とそれらを結ぶ2つの庭と、通り庭から成っています。
数々の生活工芸品(江戸時代の小袖等)を見ることで、江戸から明治・大正・ 昭和にかけての京商人の生活文化を偲ぶことができます
1909(明治42)年建設。 平成11年に歴史的意匠、建造物、平成18年に景観重要建物に、京都市の指定を受けています。
なお見学は予約制で有料です。

建物に入ってすぐ庭があり、そして建物の奥にも、もう一つの坪庭があります。
古くからある町家では、よくある造りです。



この坪庭こそがさまざまな美を生み出すのです。
坪庭とは、四方を建物などに囲まれ、借景のない庭の事をいいま す。



部屋に座って眺めて楽しみます。
基本的な坪庭にあるのは灯籠、 椿などの常緑樹、 そして手水鉢です。
さらに住む人の好みで、庭石などを置きます。

【灯籠】



【植栽】



【手水鉢】



【石】




この小さな空間に、ひとたび光が差し込むと、えも言われぬ美が生 まれます。



無名舎以外の番組で紹介された坪庭























やはり坪庭はいいですね。
小さな庭空間を見て楽しむ美しい庭です。
作庭家の方が、「坪庭は余計なものを廃して、研ぎすさまれたものだけが配置してある」とおっしゃっていました。

作庭家が作ったさわずか2坪の坪庭





わが家の粗末な中庭で、 広さは2坪余りしかありません。
恥ずかしくて人様 にお見せできる代物ではありませんが、ブログということで恥を忍んでお見せします。
南天と思いきってハナミズキを植えました。春先クリスマスローズが咲きます。
四季おりおり、朝から晩までいろいろな表情があり楽しんでいます。
特に朝日が入る午前中は、一番好きです。
これからの時期、ハナミズキの葉が真っ赤に色づくのが毎年楽しみです。