京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

『練り供養 極楽への誘い』 龍谷ミュージアム

2013-09-24 06:19:38 | 美術・博物館

龍谷ミュージアムで現在、特別展『極楽への誘い 練り供養をめぐる美術』(~10月20日まで)が開催され、先日行って来ました。




このミュージアムは、仏教の総合博物館です。
仏教を総合的に俯瞰できる施設があれば、多くの人が「東洋の至宝」に親しむことができると考え、龍谷大学が2011年4 月に龍谷ミュージアムをオープンさせました。
仏教の誕生から現代仏教に至るまで、仏教の辿った歩みをわかりやすく通覧できます。春と秋 にはテーマを決めて規模の大きい特別展を開催しています。




今回の展示会には、極楽往生を願う「練り供養」に関する仏像や仏具などの美術品約150点が展示されています。
なかでも、練り供養で有名な奈良の當麻寺や岡山弘法寺に登場する阿弥陀如来像や菩薩面などが注目されています。

ミュージアムの2階、3階にわかれて、練り供養とそれにまつわる様々な文化財が展示され、練り供養自体がよくわかるような構成になっています。

序章:練り供養とは
第1章:望まれた臨終のかたち、浄土教美術の優品から練り供養のイメージの源を紹介。
第2章:練り供養いまむかし~各地に伝わる練り供養~ …演じられた往生極楽の宗教劇!その長い歴史をたどります。という構成です。

特別協力
當麻寺、誕生寺、弘法寺(遍明院・東寿院)、弘法寺踟供養保存会 です。

そもそも、練り供養とは
阿弥陀信仰では、極楽往生に際して西方浄土から阿弥陀仏 が、観音、勢至以下多くの菩薩を引き連れ来迎するとされます。
「この信仰は、極楽浄土の思想を説いた『往生要集』(源信撰、寛和元年(985年))によっ て、貴族の間で浄土思想・来迎信仰として盛り上がりを見せ、建築・彫刻・絵画に幾多の 華麗な作品を残しただけでなく、次第に庶民にもこの浄土信仰が浸潤するのに従って、 「迎え講」や「来迎会」あるいは「練供養」と呼ばれる仏事が、より具象化された「仮装 の風流(ふりゅう)」とも呼び得る伝統芸能に昇華したとされています。
さらに、練供養の起源となる仏事は、源信が横川華台院で創始した阿弥陀仏迎接会と言わ れ、現在各地で行われているほとんどの練供養は、源信・寛印によって寛弘2年(1005) に始められた奈良當麻寺の練供養に、その起源を求めることができる」そうです。

古来、千年も前から、人がこの世を離れる時、極楽浄土から阿弥陀如来とその一行がお迎えに来て下さるという臨終観が広く庶民の間に行き渡ったのです。









別室のミュージアムシアターでは、岡山弘法寺で毎年行われている練り供養の様子を撮影した映像を見ることができます。
面や装束を身につけ仏菩薩に扮した人たちが、極楽浄土にお迎えに来る様子を演じています。全国各地で練り供養の宗教行事は行われていますが、弘法寺のは、人が木彫りの阿弥陀如来像のなかに入って演じます。

シアターより西本願寺が見える



展示会を見終え、ミュージアム中庭でホッコリ一休み



古くより、先人たちが臨終の際に思い描いた 極楽浄土から阿弥陀如来とその一行がお迎えに来て下さるという信仰を私はまだ持ち得ていません。
そもそもお釈迦様は、死後の世界を語ったのだろうかなど懐疑的です。
しかし、そういう宗教観によって死の苦しみが少しでも和らぐのなら悪いことではないと思います。
















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