京町屋中京区の続き、第9回です。
誉勘商店
歴史的風致形成建造物
中京区 室町通二条上る冷泉町
創業以来、京都室町で金襴絹織物・各種金襴裂地製造卸商を営み、現在で十三代目を数える京の老舗です。
各宗別誂織袈裟地・打敷地・装束・衣装・祭用復元物・小物用裂地 ・表装用織物・人形用等を扱っています。
宝暦年間(1751~63)創業で、初代誉田屋勘兵衛が本家より暖簾わけを許され独立しました。
本家は誉田屋庄兵衛、三井越後屋と並ぶ商家でした。
本家の商売敵にならぬよう、同じ布地の中でも法衣や装束、舞台衣装、人形用に用いる金襴裂地を扱うようになります。
蛤御門の変で奥の蔵を残し、虫籠窓のある京町家の家屋を消失、現在の建物は明治9年に建てたものです。
誉勘商店と松井邸は隣同士で、二軒撮影しています。
松井邸
歴史的風致形成建造物
中京区 室町通二条上る冷泉町
一周堂
大きな町屋です。
近隣の町屋と路地
きもの座・京都
三井越後屋京都本店記念庭園
三井越後屋の広大な商家があった場所です。
記念庭園と石碑が往事を忍ばせています。
然花妙院
築300年のお菓子屋さんです。
外観の特徴
屋根一階庇の最前列は一文字瓦葺いています。
横の一直線と格子の縦の線の調合が町屋の外観美の一つです。
格子は戦国時代からで、内からは外がよく見え、外からはよく見えないようになっています。
家の商いや家主の好みでデザインが異なります。
上部が切り取られた「糸屋格子」、太い連子の「麩屋格子」、「炭屋格子」、重い酒樽や米俵を扱う「酒屋格子」、「米屋格子」、繊細な「仕舞屋格子」などがあります。格子を紅殻で塗ったものが紅殻格子。
ばったり床几は元々は商いの品を並べるもので、後に腰掛け用に床几として近隣との語らいの場でした。ばったりとは棚を上げ下げするときの音からきています。
虫籠窓は表に面した二階が低くなっている「厨子二階」に多く見られる意匠。
防火と道行く人を見下ろさない配慮と言われています。
犬矢来
竹の犬矢来は割竹を透き間なく組んだものから、少し透かしたものまでさなざまです。
直線的な町屋の表情を和らげてくれます。
駒寄
家と道との境界に巡らされた格子の垣。元は牛馬をつなぐためのものでした。
意匠もさまざま、栗や欅などの硬い木が使われることもあります。
鍾馗
厄除けの瓦人形は京町屋の屋根の象徴です。
各種建造物指定の説明
国・登録有形文化財
緩やかな規制により建造物を活用しながら保存を図るため,平成8年度施行の文化財制度で,登録された建物が登録有形文化財です。
登録文化財には,築後50年を経過している建造物で,国土の歴史的景観に寄与しているもの、造形の規範となっているもの、再現することが容易でないものといった基準を満たす建造物が対象となります。
京都市では,近代の建造物を中心に積極的に登録を進め,市内243件(平成31年1月末現在告示分)が登録されています。
景観重要建造物
平成16年に制定された景観法に基づき,地域の自然,歴史,文化等からみて,建造物の外観が景観上の特徴を有し,地域の景観形成に重要なものについて,京都市長が当該建造物の所有者の意見を聞いて指定を行う制度です。
指定を受けた建造物には,所有者等の適正な管理義務のほか,増築や改築,外観等の変更には市長の許可が必要となりますが,相続税に係る適正評価や,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。
歴史的意匠建造物
歴史的な意匠を有し、地域の景観のシンボル的な役割を果たしている建築物等を京都市が指定するものです。
歴史的風致形成建造物
平成20年11月に施行された、歴史まちづくり法に記載された重点区域内の歴史的な建造物で,地域の歴史的風致を形成し,歴史的風致の維持及び向上のために保存を図る必要があると認められるもので,京都市長が建造物の所有者及び教育委員会の意見を聞いて指定した建造物。
指定を受けた建造物には,所有者等の適切な管理義務のほか,増築や改築,移転又は除却の届出が必要となりますが,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。