京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

京町屋 中京(11)宮川邸、楠邸、神戸邸、長谷川邸、膳處漢ぽっちり、橋弁慶山会所、旧ムラナカ理容院

2019-09-11 16:51:17 | 京都の町 町屋・建造物


京町屋中京区の続き、第11回です。
宮川邸、楠邸、神戸邸は先斗町、長谷川邸は東木屋町通です。

宮川邸    
歴史的風致形成建造物
中京区 先斗町通四条上る四丁目松本町
先斗町のお茶屋さんです。










楠邸    
歴史的風致形成建造物
中京区 先斗町通四条上る梅之木町
ここも先斗町のお茶屋さんです。





神戸邸   
歴史的風致形成建造物
中京区 東木屋町通四条上る二丁目下樵木町
元お茶屋さんでしょうか。現在は1階は店舗です。














長谷川邸
景観重要建造物
中京区 東木屋町通四条上る二丁目下樵木町






膳處漢ぽっちり
京都を彩る建造物選定番号第7-013号
中京区
昭和10年(1935)に呉服店兼住居として建てられています。
表屋造の町家の構成を踏襲し,およそ200坪の敷地に洋館,和風の居住棟,離れ,土蔵が建っています。
現在は中華料理店「膳處漢」とバー「ぽっちり」として利用されています。


















橋弁慶山会所




今年の山鉾巡行です。

橋弁慶山
くじ取らずで後祭の巡行の1番目です。
弁慶と牛若丸が五条大橋で戦う姿をあらわしています。
弁慶は鎧姿に大長刀を斜にかまえ、牛若丸は橋の欄干の擬宝珠の上に足駄で立ち片足を曲げ右手に太刀を持っています。
橋は黒漆塗で特に牛若丸の人形は足駄金具一本でこれを支えています。
弁慶と牛若丸の人形には永禄6年(1563)大仏師康運作の銘があり、また牛若丸の足の鉄串には天文丁酉(1537)右近信国の銘があります。














旧ムラナカ理容院
町屋ではありませんが、室町通に馴染んだ建造物として外せません。
京都を彩る建造物
中京区
昭和3年(1928)建築の木造3階建ての元理髪店です。
煉瓦タイルの外壁,アーチ型の窓や細かな装飾などを備えた洋風意匠となっています。
内部の構成など町家との共通点も多い建物です。















外観の特徴
屋根一階庇の最前列は一文字瓦葺いています。
横の一直線と格子の縦の線の調合が町屋の外観美の一つです。
格子
戦国時代からで、内からは外がよく見え、外からはよく見えないようになっています。
家の商いや家主の好みでデザインが異なります。
上部が切り取られた「糸屋格子」、太い連子の「麩屋格子」、「炭屋格子」、重い酒樽や米俵を扱う「酒屋格子」、「米屋格子」、繊細な「仕舞屋格子」などがあります。格子を紅殻で塗ったものが紅殻格子。
ばったり床几
元々は商いの品を並べるもので、後に腰掛け用に床几として近隣との語らいの場でした。
ばったりとは棚を上げ下げするときの音からきています。
虫籠窓
表に面した二階が低くなっている「厨子二階」に多く見られる意匠。
防火と道行く人を見下ろさない配慮と言われています。
犬矢来
竹の犬矢来は割竹を透き間なく組んだものから、少し透かしたものまでさなざまです。
直線的な町屋の表情を和らげてくれます。
駒寄
家と道との境界に巡らされた格子の垣。元は牛馬をつなぐためのものでした。
意匠もさまざま、栗や欅などの硬い木が使われることもあります。
鍾馗
厄除けの瓦人形は京町屋の屋根の象徴です。


各種建造物指定の説明
国・登録有形文化財
緩やかな規制により建造物を活用しながら保存を図るため,平成8年度施行の文化財制度で,登録された建物が登録有形文化財です。
登録文化財には,築後50年を経過している建造物で,国土の歴史的景観に寄与しているもの、造形の規範となっているもの、再現することが容易でないものといった基準を満たす建造物が対象となります。
京都市では,近代の建造物を中心に積極的に登録を進め,市内243件(平成31年1月末現在告示分)が登録されています。

景観重要建造物
 平成16年に制定された景観法に基づき,地域の自然,歴史,文化等からみて,建造物の外観が景観上の特徴を有し,地域の景観形成に重要なものについて,京都市長が当該建造物の所有者の意見を聞いて指定を行う制度です。
指定を受けた建造物には,所有者等の適正な管理義務のほか,増築や改築,外観等の変更には市長の許可が必要となりますが,相続税に係る適正評価や,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。

歴史的意匠建造物
 歴史的な意匠を有し、地域の景観のシンボル的な役割を果たしている建築物等を京都市が指定するものです。

歴史的風致形成建造物
 平成20年11月に施行された、歴史まちづくり法に記載された重点区域内の歴史的な建造物で,地域の歴史的風致を形成し,歴史的風致の維持及び向上のために保存を図る必要があると認められるもので,京都市長が建造物の所有者及び教育委員会の意見を聞いて指定した建造物。
指定を受けた建造物には,所有者等の適切な管理義務のほか,増築や改築,移転又は除却の届出が必要となりますが,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。

京都を彩る建物
京都市内には京都の歴史や文化を象徴する建物が,所有者のたゆまぬ努力により,世代を越えて継承されています。
しかし,その存在と魅力が十分に伝わっていないものや,維持・継承が危ぶまれているものもあります。
そこで,京都の財産として残したい建物や市民から募集し,市民ぐるみで残そうという気運を高め,様々な活用を進めることなどにより,維持・継承を図ろうというものです。
京都を彩る建物は市民から推薦を受け、審査委員会で選定された建造物です。
京都市内で世代を越えて継承され,京都の歴史や文化を象徴し、概ね50年以上の建造物(国又は地方公共団体が所有しているものは除く)です。









京町屋 藤野家の特別公開(2)

2019-09-11 05:58:21 | 京都の町 町屋・建造物


京町屋 藤野家の特別公開の続きです。

居住棟一階の奥庭です。
灯篭,蹲,飛石を配し,土蔵を背景とした庭が設けられています。
























庭は座敷からの見学だけです。





二階に上がります。





二階も二間座敷ですが、公開は一部(西側)だけです。





ここも網代が敷かれています。





床柱を赤松の皮付きとして、より数寄屋風が濃厚です。





この作品も今尾景年です。













































二階からの景色です。
隣の家を撮影しないようにということで。
写っているのは蔵です。






下り階段のスイッチ
古いものと現在のものが並んでいます。
こんな古いのは今まで見たことがないです。





二階から一階に下ります。

階段(下り用)がありますが、箱階段です。









見学終了です。