フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

孤食、個食?

2014-11-12 23:16:38 | Weblog
相手を思いやる気持ちが希薄になっているような気がします。その原因の一つに個食、孤食があるんではないかと最近思うようになりました。人間は生まれてからしばらくは「してもらって」生きます。食べることも、眠ることも、移動することもすべてしてもらっています。それが一人で食べられるようになってもご飯を作ってもらいます。それは食べる時に一緒にいてもらうことですね。
この一緒に食べるということが大切なんです。毎日同じものを食べていても、お互いに「おいしい?」と聞きあう。見たものや聴いたものと違って味はなかなか共有出来ません。相手にどんな味がしているかたずねます。想像力を働かせるわけです。この一緒に食べるということが他人に思いを馳せるもっとも基礎的な訓練の一つになっていると思うのです。食事中に会話もなく一人で食べていたなら相手を思う気持ちを持てるはずがありませんね。食事の味と人情味はイコールです。ましてや、食べる側はどうしても人が働いてくれて出来たとはなかなか思わないですもんね。