我が家のコーヒーが初めて赤い実を着けた。100円ショップで鉢植えを買ったのは,何年前のことだったか覚えていない。常緑の葉を楽しむ目的で,夏は玄関ポーチに置き,冬は室内で育てて数年が経過している。背丈はおよそ50~60cm。北国の恵庭でコーヒーが稔るのを期待した訳ではなかったが,実が赤くなるにつれ小さな幸せを感じるのは不思議なものだ。コーヒー豆を眺めながらの今朝の一杯は,格別に美味い。
開花を確認したのは昨年7月のことだった。水を遣りながら何気なく見ると,第2枝の5節目に萎れかかった花らしき痕跡を見つけた。「おい,コーヒーに花が咲いたぞ」と声を上げたが,「え,本当?」と覗き込んでも見つけることが難しいほど小さい。コーヒーの花の命は短くて,開花は2日間位だと言う。最初の開花に気付かなかった訳だ。注意して観察を続けると,脇から2~3個の小さな5弁の白い花が開花した。ジャスミンのような香りがすると書かれているが,その時は香りを全く意識しなかった。何はともあれ受精させようと試みた。
そして10月に青い1果を確認,年が明けた3月には色づき始めた。コーヒーチエリーと呼ばれる完熟果になったのが3月下旬,今は登熟が進み黒ずんでいる。
開花:2014年7月22日(写真は次回に)
着果:2014年10月13日(写真)
色づき始める:2015年3月13日(写真)
完熟果:2015年3月17日(写真)
過熟果:2015年5月3日(写真)
◆コーヒーノキ
アカネ科(Rubiaceae)コーヒーノキ属(Coffea)に属する植物。栽培種の原産地はアフリカ大陸中部。主要産地は北緯25度~南緯25度までの熱帯と亜熱帯の「コーヒーベルト」と呼ばれる地帯である。生育にはサバンナ気候や熱帯モンスーン気候のような雨季と乾季,または熱帯雨林気候の山岳地帯など昼夜の寒暖差が大きい気候が適し,多雨を好むとされる。霜など寒さには弱い。ブラジルやコロンビアで品種改良がおこなわれ,栽培品種の数は多い。
かつて,ブラジルと国境を接するパラグアイ北東部の町ペドロ・フアン・カバジエーロ市を訪れて,アマンバイ農協の住吉嘉行組合長(北海道福島町出身の移住者)から話を伺ったことがあるが,コーヒー生産と霜害の苦労は想像を絶する物語であった。その折の内容は,拙ブログ(豆の育種のマメな話「ジョンソン耕地に抱いたコーヒー生産の夢は大豆で実ったか?」2011.2.11)をご覧頂こう。
北国に稔った赤い一粒を見つめるたびに,住吉組合長(当時)等から聞いた話が蘇る。
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