豆の育種のマメな話

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葉が枯れてから花が咲く、庭の毒草「コルチカム(イヌサフラン)」、恵庭の花-24

2018-09-23 18:18:32 | 恵庭散歩<花のまち、花だより、自然観察>

コルチカム「イヌサフラン」

北海道に秋の気配が漂う頃、9月下旬になると「コルチカム」がピンクの花を開く。葉が出ていないのに、地面から顔を出した土筆のようなピンクの蕾は花茎を伸ばし華やかな花弁を開く。花弁の色は遠目にもひときわ目立つ。コルチカムは、春先に根生した光沢ある長い葉が初夏には枯れてしまい、葉が無くなってから花を開く習性があるのだ。

園芸用に球根が販売されているので、ガーデニングのまち「恵み野」でも目にすることが多くなった。拙宅では10年前に植えた球根が絶えることなく、今もなお季節になるとピンクの花を開く。

 

コルチカムは「イヌサフラン」(autumn crocus, Colchicum autumnaleL.)を園芸用に品種改良したもので、ユリ科コルチカム属の球根植物、60種ほど存在すると言われている。球根は35cmの卵型、秋に15cmほどの花茎を伸ばし、サフランに似た花を付ける。翌春になると2030cmほどの万年青(オモト)やギョウジャニンニクに似た葉を根生する。

イヌサフランとサフランは名前が似ているだけでなく、球根も花の形もよく似ているが全く別の種類。サフラン(saffron crocus, Crocus sativusL.)がアヤメ科クロッカス属なのに対し、イヌサフランはユリ科コルチカム属(イヌサフラン属)である。花の形は似ているが、サフランの花の雄蕊が3本で大きく垂れさがっているのに対し、イヌサフランは6本の雄蕊があるので区別できる。原産地はヨーロッパ中南部から北アフリカと言われる。

サフランは料理の色付けや風味付けのための香辛料として利用されるが、イヌサフランは全草(球根、茎、葉、花など)に有毒成分(コルヒチン)を含んでいるので誤食しないよう注意が必要。

特に、春先の山菜の時期にギョウジャニンニク(アイヌネギ)と間違えて食べ、嘔吐、腹痛、下痢、痙攣、呼吸困難、死に至る例が多い(2007新潟、2014静岡、2015山形、2017北海道、2018北海道など)。その他にも、鱗茎をタマネギやミョウガと間違えた例、球根をイモと間違え誤食した例、乾燥した花柱をスパイスとして誤用した中毒例なども報告されている。

北海道「庭や野山の毒草ハンドブック」にも、食中毒を起こしやすい植物として注意喚起されている。

下の写真はイヌサフラン(北海道「庭や野山の毒草ハンドブック」から引用)。イヌサフランには球根がある。

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恵庭市議会議員研修会「農業政策の動向と恵庭市農業の展開方向」

2018-09-01 11:09:01 | 講演会、学成り難し・・・

恵庭市議会議員研修会が、平成30828日恵庭市民会館において開催された。質疑応答を含め約3時間、熱のこもった研修会となった。

1.主催者挨拶(恵庭市議会議員会長、川原光男氏)

2.基調講演(講師:北海道農政部農政課政策調整担当課長、野口正浩氏「農業政策の動向と恵庭市農業の展開方向について」)

3.パネルデスカッション(地域農業振興の取組みと展開方向について)

パネリスト(石狩振興局産業振興部農務課長濱田敬一氏、道央農業協同組合代表理事組合長松尾道義氏、恵庭市農業委員会会長龍田敏雄氏、恵庭土地改良区理事長大滝崇夫氏、道央農業振興公社常務理事長澤基氏)

進行役(恵庭市議会議員会長、川原光男氏)

4.閉会挨拶(恵庭市議会議員会副会長、猪口信幸氏)

◆基調講演

1.農業の基本的役割として、食料の安定供給、経済・社会を支える基幹産業、多面的機能の3要因を上げ、農業を社会で支えることの重要性を指摘。

2.農業基本法(S36)、食料・農業・農村基本法(H11)、新たな食糧・農業・農村基本計画(H27)、農林水産業・地域の活力創造プランの策定(H25)、同プランの改訂(H26)、総合的なTPP関連政策大綱(H27)、農林水産業・地域の活力創造プランの改訂(H28H29)、農林水産業・地域の活力創造プランの関連法の改正状況(H28)、主要農産物種子法の廃止と道の対応、道の農業施策(北海道農業・農村振興条例、北海道農業・農村振興推進計画)について解説。

3.恵庭市農業の現状について、販売農家数と農業就業人口が減少していること、作目の変化(稲作から野菜)が顕著であることを指摘。将来も販売農家数減少が予想されることから、経営面積の拡大が必要になるだろうと展望し、参加者に対し「作付け品目の展望」「担い手の育成・確保の対応」が問題意識としてとらえられているかと問いかけた。

◆パネルでデスカッション

1.各関係機関の取り組み状況・成果について説明があった。

2.各機関から地域農業振興策について考え方が述べられた。

◆一市民の感想

恵庭市在住の○○です。この度は、一般市民も聴講できるよう議員研修会を公開にして頂きましたこと、議会議員会の英断に感謝申し上げます。お陰様で、農業施策の流れ、恵庭市農業の現状と問題点など大変勉強になりました。また、農業情勢が激しく変動する中、関係機関の皆様が課題解決に向けご尽力されておりますことを伺い、皆様の取り組みに対し改めて敬意を表する次第です。

さて、聴講させていただきながら、以下のようなことを考えていました。

1.関係機関はそれぞれ組織内で当面の課題解決に向けて取り組まれていますが、生産者、市民(消費者)、実需者を含め横断的な議論を深め、施策推進の理解を得る努力が重要だろうと感じました。足元を見つめながらも組織の枠を超えて(守りに入らず)、長期的な視点で展望を語ることが必要ではないでしょうか。

2.議論の中であまり触れられませんでしたが、農業の展開方向を議論する上で(1)高温化・異常気象、(2)限界集落、(3)健康志向が当面必須のキーワード(要点)になるのではないでしょうか。僭越ながら一市民としての感覚です。

3.すなわち、①高温化が進み、異常気象が顕在化する中で、恵庭農業はどうあるべきでしょうか。農業構造・作付け品目・基盤整備などについての論議や対策は進んでいるのでしょうか。②近郊農業に活路を見出さんとする恵庭農業、担い手育成や労働力確保にも努力していますが、決して安泰と言えません。限界集落・消滅集落の言葉を何処か他所のことと考えていませんか。③「飢餓の時代」から「飽食の時代」、さらには「高品質・美食の時代」へと歩んできましたが、今や「健康志向の時代」。恵庭農業はこの流れに対応できているでしょうか。

4.北海道農業は開拓時代から冷害克服など寒地農業確立に努力してまいりました。さらには、コメの食味向上を達成し、全国に先駆けクリーン農業を標榜して「美味しく安全な北海道農産物イメージ」を作り上げた実績があります。さあ、恵庭農業は何をシンボルとして打って出るのか。市民を巻き込んで夢を描く時が来ているのではないでしょうか。

勝手なことを申し上げました。恵庭農業発展を願っての研修会受講者の戯言とご容赦願います。論議が深まり、恵庭農業発展のための方向性が打ち出されますことを切に期待申し上げます。

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