豆の育種のマメな話

◇北海道と南米大陸に夢を描いた育種家の落穂ひろい「豆の話」
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クロッカス(春サフラン)、恵庭の花-19

2018-03-31 11:28:37 | 恵庭散歩<花のまち、花だより、自然観察>

20183月末日、クロッカスが咲いた。「春告花」とは梅の呼称だが、クロッカスがわが家の「春告花」となった。春先に温暖な日が続いたためか、例年より710日早い開花である。

 

クロッカスは、アヤメ科(Iridaceae)、クロッカス属(Crocus)に分類される(学名Crocus L.)。秋植え球根植物で、原産地は地中海からトルコにかけての地域とされる。

晩秋に咲き、花を薬用やスパイスに使うサフラン(Crocus sativus L.)と同属であるが、早春に咲き、観賞用のみに栽培されるクロッカスを春サフラン花サフランなどと呼んでいる。クロッカスの名前は、雄しべの先が糸のように見えることから、「糸」を意味するギリシャ語からきているのだと言う。

球根は直径4cmくらいの球茎で、花はほとんど地上すれすれのところに咲き、黄色・白・薄紫・紅紫色・白に藤色の絞りなどがある。植物学上は、クリサントゥスCrocus chrysanthusを原種とする黄色種と、ヴェルヌスC. vernusを原種とする白・紫系の品種とは別種だが、通常は同一種として扱われている。

寒さに強く、日当たりと水はけの良いところなら、植えっぱなしでもよく生育するほど丈夫と言われるが、今回開花したクロッカスも植えっぱなしのもの。周辺はまだ緑のカケラもないのに、健気に花開いている。

花言葉は、早春に花咲く姿から連想した「信頼」「青春の喜び」、ギリシャ神話に由来する「愛したことを後悔する」など。ギリシャ神話には、「美青年クロッカスは、羊飼いの娘と恋仲だったが、神々の反対にあい、悲嘆のあげく自殺してしまった。クロッカスをあわれに思った花の神フローラは、彼の亡骸をこの花に変えた」との伝説があるそうな。

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野菜栽培講習会2018,恵庭

2018-03-03 13:29:33 | 講演会、学成り難し・・・

恵庭野菜栽培研究会(会長野村信史)主催の「野菜栽培講習会が今年(2018)も開催されます。事前申し込みの必要はなく自由に参加できるので,興味ある方は足を運んでみたら如何ですか。家庭菜園の楽しみが深まることでしょう。

会場:恵み野会館(恵庭市恵み野北2-12-2)

時間:9時30分~11時30分

第一回:3月4日(日),土屋武彦「野菜栽培の基礎」

第二回:3月11日(日),熊谷秀行「野菜栽培のための土つくりと施肥」

第三回:3月25日(日),吉良賢二「枝豆・馬鈴薯・玉蜀黍・小豆・菜豆の上手な作り方と美味しい食べ方」

第四回:4月1日(日),萩田孝志「野菜の病害虫について」

第五回:4月8日(日),中野雅章「トマト・南瓜・ブロッコリー・小松菜などの野菜の上手な作り方」

なお,ステップアップ講座第二回,3月18日(日),東田修司「作物の栄養と肥料」

第一回講座「野菜栽培の基礎」では,以下の内容について勉強します。

関連記事:恵庭野菜栽培講習会2019「野菜栽培基礎講座」,拙ブログ「豆の育種のマメな話」2019.2.19

 

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恵庭市長寿大学「この老人のように」

2018-03-02 11:48:22 | 講演会、学成り難し・・・

恵庭市長寿大学は昭和51年に開学,平成10年には講座選択制の導入や大学院の新設など変遷を経て,本年度41年目に当たる。2月28日には,長寿大学第17回卒業生48名,長寿大学大学院第15回修了生26名が卒業・修了証書を授与された。学生自治会では、今年度も記念誌を発行した。

◇長寿大学を卒業・修了される皆様へ(学生自治会長)

この度,長寿大学を卒業される皆様,大学院を修了される皆様,おめでとうございます。心からお祝いとお慶びを申し上げます。また,学生自治会活動に対するご支援ご協力に対し心から感謝申し上げます。皆様が「楽しく充実した大学生活のために,自治会や学年行事を活性化しよう」と主体的に取組まれた活動は,長寿大学の範となるものでした。

大学院修了生の皆様が入学されたのは六年前,東京スカイツリーが完成した年でした。その後も,富士山の世界文化遺産登録,北海道新幹線の開業,日本人のノーベル賞受賞など明るいニュースがありましたが,一方では,地震など自然災害が頻発し,地球温暖化による海水温上昇,季節外れの台風や豪雨など異常気象が当たり前に感じられる時代でもありました。また,グローバル化・競争社会を標榜する経済政策は格差社会をもたらし,政治ではポピュリズムの台頭,自国第一主義の動きが起こり世界の枠組みが大きく変わろうとしています。難民問題やミサイル発射対応にも解決の糸口が見えません。

このような中,皆様の学生生活は如何だったでしょうか。希望を胸に緊張感で迎えた入学式,新しい友との出会い,先生方の心に響く言葉の数々,研修旅行や学年行事で子供のように笑った楽しい思い出,講座の司会や発表会でちょっぴり緊張した記憶などが次々と蘇っておられることでしょう。そして,卒業・修了の日を迎えた今,達成感と喜びがふつふつと湧き上がっていることだろうと推察致します。卒業後も,学び,出会い,アグレッシブに行動する気持ちを持ち続けて下さい。高齢者にとって「簡素な生き方,前向き人生」こそ,幸せに暮らすキーワードと考えます。

健康に留意され,学生時代に培った絆と知恵を糧として,心豊かな人生を送られますよう祈念申し上げ,お祝いの言葉といたします。

(恵庭市長寿大学学生自治会編「恵庭市長寿大学大学第17回生,大学院第15回生卒業・修了記念誌11p」2018.3)

 

◇この老人のように(卒業生A)

札幌農学校で教鞭を執ったクラーク博士は,島松駅逓所まで見送りに来た学生達に「青年よ,大志をいだけ(Boys, be ambitious like this old man)」の言葉を残して明治10年4月米国へ去った。この有名な言葉は誰もが知るところだが,後に続く「この老人のように(like this old man)」の部分はあまり注目されない。

この老人とは誰なのか。クラーク博士自身と言うのが通説だが,中山久蔵を指すとの説もある。中山久蔵は明治六年に島松沢で初めて水稲(赤毛)の試作に成功し「寒地稲作の祖」と称される人物。明治十七年から駅逓取扱人を務めている。クラーク出立の時,傍らにいたとしてもおかしくない。

だが,北海道の開拓は稲作でなく牧畜畑作を目指すべきだと考えるクラークが,僅か三作を終えたばかりの水稲試作を成功事例として認識していたとは思えない。百歩譲って,久蔵を知っていたとすれば,「成功の見込み少ない寒地稲作に挑戦する老人(久蔵は五十歳であるが)の姿」に感銘を受けたと言うことだろうか。Be ambitious(大望をいだけ,野望を持て)の言葉は,久蔵に重ねると妙に落ち着くのも確かだ。

さて,時を経て今の時代にクラークが恵庭に立てば,「青年よ,大志をいだけ。この長寿大学の学生たちのように」と言うに違いない。

長寿大学に学ぶ学友たちは,若者に劣らぬ向上心と探求心を持ち,何よりも行動的である。新しいことに挑戦する強い意志,正義感,仲間を慮る心,社会に役立とうとする奉仕の心で充ちている。クラークが若者に語り掛けた「大志」の具体像がここにあるように思える。

若い頃の不真面目さを懺悔する気持ちで入学した長寿大学だが,学生生活は刺激的である。所詮無理な話だが,私もクラーク博士に「この老人」と呼ばれるように生きたいと思う。

参照:恵庭市長寿大学学生自治会編「恵庭市長寿大学大学第17回生,大学院第15回生卒業・修了記念誌63p」2018.3

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