クロッカスを追いかけるように、イフェイオン(和名:ハナニラ)が花を開いた
まだ緑が見えない北国の庭先に、青、ピンク、白の可憐な花が群生しひときわ目につく。例年は4月20日頃に咲くが、今年(平成30年)は1週間近く早い開花である。数年前に植えた球根をそのまま放置しておいたので、種子が飛び分球で増え、今は絨毯のように群生している。越冬を繰り返したため個体の生育は貧弱だが花の姿は美しい。北国に春を告げる花の一つ。恵み野を歩いていると、多くの家の庭にこの花を見つける。
和名をハナニラ(花韮)、英語では花の形からスプリング・スターフラワーと呼ぶそうだ。学名はIpheion uniflorum、ネギ科、ハナニラ属(イフェイオン属)に分類される。葉や球根を傷つけると、名前のとおりネギやニラのようなにおいがする。
原産地は中南米大陸。メキシコからアルゼンチンにかけて25種以上が自生していると言われるが、園芸種も販売されているので変異はさらに拡大しているのかもしれない。最もよく見られるのはユニフロルム(Ipheion uniflorum)であるが、黄色い花を咲かせる近縁の黄花ハナニラ(Nothoscordum sellowianum)もハナニラと呼ばれている。
アルゼンチンに滞在したいた頃、INTAの庭に咲く可憐な花を見た記憶が蘇る。この花だったのか。