両親が亡くなってからは毎年のことだが、お盆前には生家と墓地を清掃するために帰郷し、墓前に花を手向ける。今年も8月上旬の或る日、早朝に北海道を発ち伊豆下田へ向かった。日本列島の東にある高気圧の縁を、太平洋を北上する台風の熱気が回り込むように流れ込み、熱中症の警報が毎日のように発せられている暑い日だった。
日中の作業は無理だろうと、早朝の4時半ころから刈払い機で草刈りを始めるが半時も持たない。汗が流れる。水分補給する。休憩しシャツを換える。汗が流れる。奮闘するも、午前10時には作業終了。3日間で、庭と通路、墓地の清掃は何とか終わり、一息つく。
写真手前の花はヒガンバナ(彼岸花。曼殊沙華、死人花、捨て子花、天蓋花、幽霊花とも呼ぶ)。土手や水田の畦などに生え、秋の彼岸頃に花をつける。有毒植物とされるが、イノシシに掘られて(?)近年めっきり減ってしまった。
◆サルが渋柿をかじる?
イノシシは毎晩のように足跡を残しているが、今回はサルがやってきた。二日目の朝、青い柿の実が庭に数個落ちているのを見つけた。かじった痕跡が見える。裂けた枝が落ちている。姿を見た訳ではないが、痕跡からしてニホンサルに間違いあるまい。
裏山は天城山麓に連なるので、群れを成したサルの周遊範囲なのだろう。数十年前から「家の屋根に猿が来ていた」との話を聞いたことがある。この地方の農業・林業にとって、イノシシ、シカ、サルは鳥獣被害の三傑だという。農林水産省鳥獣対策室によれば、平成27年度の被害額は全国でシカ59億6千万円、イノシシ51億3千万円、サル10億9千万円だという。因みに静岡県では、イノシシ1億4千万円、シカ7千800万円、サル3千700万円。電気牧柵など鳥獣に対する防除策はいろいろと提案されているが、被害軽減は難しいようだ。
柿の実はまだ渋いはずなのに食べるとは、森に食べ物がないということだろうかと考える。
◆ダニ(マダニ)
北海道に戻ってシャワーを浴びた時、腰のあたりに硬貨大の赤い腫れがあるのに気づいた。触ってみると何かがついている。3日間も伊豆の山里で草刈りをしたのでダニだろうと予測はついたが、よく見えない場所で、自分で処置するのも難しいのでM皮膚科クリニックに行く。
病院では患部を観察しマダニであることを確認、局部麻酔で除去。感染症の恐れがあるということで、セフゾンカプセル100mg(感染症治療のためのセフェム系抗生物質、1日3回、7日分)を処方され、併せてビオフェルミンR錠(耐性乳酸菌製剤)を服用。服用してから1週間、ダニに食いつかれてから多分10日間が経過しているだろうが、刺し口周辺にはまだ紅斑が残っている(発熱/発疹はなし)。
マダニに食いつかれた幼時の記憶が蘇る。あの頃は、腫れることも無かったような気がするのだが・・・、免疫力が落ちたのだろうか。