ミズバショウが咲いている・・・
桜の開花には少し早いが、水芭蕉が咲く頃だろうとカリンバ自然公園まで散歩の脚を伸ばした。4月下旬の穏やかな日のことである。自宅からは徒歩で約45分(3.1km)、少し長い散歩で心地よい汗をかいた。カリンバ遺跡の保護地区に繋がるカリンバ自然公園(黄金1号近隣公園)は旧カリンバ川跡で湿地が残り、自然林にはミズバショウの群落がみられる。遊歩道が設けられているのでミズバショウなど自然植物を観察できる。
自然公園にはコブシが咲き、ミズバショウの白い苞も開いていた。年配女性の二人連れが散策している。車いすの老人が音楽を聴きながら公園に向かって時を過ごしている。鴨が2羽ミズバショウの間で何かを啄ばんでいる。長閑な空間の中、遊歩道からミズバショウを写真に収めた。
ミズバショウの隣に、形が似ているが「白」ではなく「濃い赤色」の個体が散見される。「ザゼンソウ」と呼ぶらしい。黒頭巾(黒紫色)を被ったお坊さんが座禅をして座っている姿に似ていることから付けられた名前だと言う。
ミズバショウの名前を知ったのは「夏の思い出」の歌詞。尾瀬にミズバショウ群落があるのだと、その時覚えた。そして、十勝に住むようになってからは芽室町上美生のミズバショウ群生地を訪れ、北海道では「ヘビノマクラ」と呼ぶと教わった。花序の形を蛇の枕に見立てた表現だが、ミズバショウが咲く周辺は湿地なので「危険だから近づくな」と子供たちへの警句だったのだろう。また、ミズバショウの葉が牛の舌に似ていることから「ベコノシタ」とも呼ぶそうだ。地域によって他にも呼び方があるようだが、葉の形状による場合が多い。アイヌ語では「パラキナ(幅の広い葉)」である。
北海道には大空町、女満別町、芽室町、雨竜沼湿原、大沼などよく知られた群生地があるが、恵庭市のカリンバ自然公園は市街地でミズバショウ群落を観察できる貴重な場所である。
◆ミズバショウ(水芭蕉、学名: Lysichiton camtschatcensis Schott)は、サトイモ科ミズバショウ属の多年草。北海道と中部地方以北の本州の日本海側及びシベリア東部、サハリン、千島列島、カムチャツカ半島に分布する。
湿地に自生し、発芽直後の葉間中央から純白の仏炎苞と呼ばれる苞を開く(花ではなく葉の変形したもの)。仏炎苞の中央にある円柱状の部分が花序で、数十から数百の小花が集まっている。それらすべてが雄蕊と雌蕊を持つ両性花だと言う。受粉後、花序は大きく成長し緑色肉質の果穂になる。開花時期は低地で4月から5月、高地では融雪後の5月から7月。葉は花の後に出て立ち上がり、長さ80 cm、幅30 cmに達する。大きく成長した個体の塊茎からは細長く短い地下茎が生じ、栄養繁殖することもある。
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