豆の育種のマメな話

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歓迎の言葉

2016-05-13 18:53:35 | 講演会、学成り難し・・・

春は入学式のシーズン

恵庭市長寿大学・大学院でも,511日恵庭市民会館で入学式・始業式が挙行された。平成28年度の入学生は50名(74名の希望があった),大学院進級生は26名。今年度の学生数は235名になるという。高齢者の学習意欲は益々健在である。ここでは,新入生に贈られた,歓迎の言葉を紹介しよう。

◆歓迎の言葉(在学生代表)

新入生の皆様,入学おめでとうございます。新たな挑戦の場を求め,期待を胸に入学されました皆さんの門出を,お祝い申し上げますと共に,在学生一同心から歓迎致します。

この4月には熊本を中心にした群発地震があり,多くの方々が被災されました。被災者の皆様には,衷心よりお悔やみとお見舞いを申しあげます。その厳しい環境の中,高齢者の方々も率先して復興に向け頑張っておられます。その姿には深く感銘を受けました。

世の中に高齢化社会と言う言葉が定着してから久しく,最近では「超高齢社会」と呼ばれるようになりました。総務庁統計によれば,現在4人に1人が65歳以上という状況にあり,20年後には3人に1人が高齢者と推定されています。

このような時代であるからこそ,私たち高齢者は「健康で心豊かに暮らす術」を身につけねばなりません。そのためには,常に新たなことに挑戦しようとする意欲を持ち続け,アグレッシブに行動することが大事であると考えます。高齢者だからと言って慢心せず,謙虚な心を持ち続け,日々に身体を動かし,社会に役立とうとする弛まぬ行動が重要であろうと思います。

皆さんの入学の動機は多様なものと拝察致しますが,講義や行事へ主体的に参加されることで,新たな出会いがあり,新鮮な体験があり,新しい知識を吸収できる喜びを感じることでしょう。

学生自治会では,長寿大学がより有意義な学びの場となりますよう,学習プログラムの企画,研修旅行や記念事業の実施などに知恵を出し合い,皆さんとともに大学運営にも参画して参ります。更には,会報の発行,パークゴルフやボーリング大会,学年行事など,親睦を深めるための行事を計画致します。是非,新入生の皆さんも受け身にならず,全員が積極的に参加されますよう期待しております。

折しも,恵庭市長寿大学は,本年度がちょうど開設40周年の節目の年に当たります。また,本年度から新たに「まちづくり科目」がスタートします。この記念すべき年に入学されました皆さんとともに,先輩が築き上げて来られた大学の歴史を偲び,更なる発展に向けて,教育委員会並びに関係機関の皆様のご指導・ご支援を賜りながら,新たな1ページを積み重ねたいと思います。

4年後の卒業時には,ここに入学された全員が「楽しい有意義な学生生活だった」と振り返ることが出来ますよう,一緒に学び,楽しい思い出を作りましょう。

学生生活で学んだこと,培った強い絆は,間違いなく私たちの生きざまに反映し,私たちが暮らす街・恵庭の発展に寄与することだろうと確信致します。年老いてなお,何かしら「社会に役立っている」と感じることができれば,たとえ経済的に貧しくとも,それこそ幸せなことではないでしょうか。長寿大学は,やがて訪れる「成熟社会」の生き方を学び実践する場でもあります。

最後に,皆さんが一日も早く学生生活に慣れ,日々の学習の場が新鮮で有意義なものになりますようご祈念申し上げ,歓迎の言葉と致します。

平成28年5月11日 

在学生代表 長寿大学〇年 〇〇○○

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桜だよ!歩こう会,恵庭2016

2016-05-12 18:24:13 | さすらい考

今年は桜を観る機会に恵まれた。

4月下旬に東北地方(弘前公園,角館など)を巡り,満開のソメイヨシノを堪能したのに続き,59日恵庭市恵み野で表記の「桜だよ!歩こう会」に参加した。こちらも,恵み野駅前環状通りの桜並木が満開の姿を見せてくれた。

「歩こう会」に参加した一行16名は,道と川の駅「花ロード恵庭」南緑地帯散策コース駅前環状線桜並木恵み野中央公園北緑地帯散策コース郷土資料館開拓記念公園松園通り桜並木漁川堤防道と川の駅「花ロード恵庭」と桜を観ながら歩いた。或いは桜吹雪に佇んだ。

恵庭市図書館近くの公園広場,郷土資料館開拓記念公園で休憩し,「三角点」探訪もおまけの思い出を作った。保健センター裏の公園ベンチでワイワイと弁当を楽しんだ後に解散。

お花見を兼ねた「歩こう会」とは言え,公園,散策路,堤防など公共地を歩くのだからゴミ拾いも兼ねましょうと,ゴミ袋を持参。高齢者のこの一行(長寿大学学生),決して無駄には歩かない。全員完歩(約1万歩),心地よい汗をかいた。

 

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恵庭の「三角点」探訪(恵み野編)

2016-05-08 14:22:23 | 恵庭散歩<記念碑・野外彫像・神社仏閣・歴史>

「山の頂きには測量の基準点となる柱石が埋められていて,三角点と呼ぶ」

子供の頃に聞いた祖父の話が頭の片隅に残っていて,「三角点」という言葉を聞くといつも山頂を連想する。確かに,三角点は見晴らしの良い場所に設置されるため高山の山頂付近に設置される場合が多い。北海道でも,利尻山,硫黄山,天塩岳,旭岳,トムラウシ山,富良野岳,夕張岳,札内岳,暑寒別岳,後方羊蹄山など名だたる山の頂上(付近)に三角点がある。恵庭の近くでも,恵庭岳,紋別岳,樽前山,馬追山などにも三角点が設置されている。

国土地理院によれば,一等三角点(約40km間隔,全国に約1,000点),二等三角点(約8km間隔,全国に約5,000点),三等三角点(約4km間隔,全国に約3万2,000点),四等三角点(約2km間隔,6万9,000点)が設置されており,地籍調査など測量の基準点となるのは四等三角点だという。

さすれば,当然のことながら三角点が市街地にもあることになる。一等三角点を山頂に持つ山の踏破を目指す登山愛好者も多いと聞くが,散歩のついでに市街地の三角点を探してみるのも面白いではないか。

今回は「恵庭の三角点探訪(恵み野編)」。恵み野界隈には「四等三角点」が3点存在する。さあ,何処にある?

恵み野中央公園の三角点

恵み野中央公園は,恵庭市恵み野の市街を斜めに横断する形で造られている。市民憩いの公園で,日中は散歩する人々の姿が絶えない。公園の中ほどに日本庭園風の池があり,その奥に小高い築山が見える。恵庭市立図書館駐車場脇にある小山と言ったほうが分かり易いかもしれない。冬には子供らが橇遊びをしている場所だ。

この小山頂上に三角点が埋められていることを知る人は少ないだろう。三角点の柱石は遠くから認識できない。近づいてみると,写真のような鉄製の丸い標識(蓋)が芝生面にあり,ここに三角点があることが分かる。その蓋には日本地図と「三角点,基本,国土交通省国土地理院」の文字が刻まれている。

  

 

恵庭開拓記念公園の三角点

恵庭開拓記念公園は恵み野市街の東端に位置する1haほどの緑豊かな公園である。道の駅「花ロード恵庭」から松園通りを北東方向に進めば,北海道道600号島松千歳線に交差する。記念公園は交差点の島松側にある。或いは,恵み野中央公園を散策がてらに訪れるのであれば,小川の流れに沿って進み,公園の散策路が切れる地点で道道600号線を渡り(恵み野7丁目信号),さらに北緑地帯の散策路を進んだ突き当りに恵庭市郷土資料館,恵庭開拓記念公園が現れる。

開拓記念公園には恵庭市郷土資料館や近畿大学バイオコークス研究所が隣接しており,恵庭開拓記念像「拓望」,廃校になった松園校門柱,同校跡地記念碑,二宮尊徳像,富山県人開拓の碑などが設置されている。

三角点は,この公園の南東の角近く,富山県人開拓の碑の北東側にある。近くには「三角点,国土地理院」と記された角柱標識があるので発見することが出来るだろう。三角点を覆う鉄製の蓋が芝生の面にあり,中には柱石が埋められている。四等三角点の柱石は,一辺が12cmの花崗岩で上面に十字が刻まれている。

  

 

北海道電力島松変電所の角にある三角点

恵庭開拓記念公園の三角点を確認したら,道道600号島松千歳線に沿って島松方向に向かってみよう。進行方向左側は恵み野市街,右側には畑地が広がっている。しばらく進むと,道道600号の恵み野北7丁目信号(恵み野団地環状線との交差点)が見えてくる。ここは恵み野市街の北端に位置する地点である。

交差点の島松側(恵み野市街地にある島松共同用水紀念碑の筋向い)には,数本の高い鉄塔や大きなトランスがおかれた施設,北海道電力島松変電所がある。この角の草叢に三角点を見つけることが出来る。三角点を示す標識(文字は消えている)は残っているが,三角点を保護する天蓋はなく,柱石が頭を出している。花崗岩の柱石の頭には三角点の基準となる十字の切り込みが刻されているので,三角点であることが確認できる。測量関係者が残したのだろうか,赤い布切れのついた棒が近くに立てられている。

 

三角測量

三角点は三角測量の基準点であると述べた。

では,三角測量とは「互いに見通せる地上の三点を選んで三角形を作り,その一片の長さ及び夾角を測定して,三角法により他の二辺の長さや頂点の位置を求める測量法(デジタル大辞典)」と定義される。わが国の三角測量は,明治4年(1871)工部省測量司がイギリス人マクヴインの指導を受けて東京府下で実施したのが最初とされる。その後,測量は陸軍省参謀本部測量局管轄となり,全国を網羅する測量が進められ三角点も設置された。第二次世界大戦後,管轄は内務省地理調査所(後の国土地理院)に引き継がれている。

更に,平成21年(2009)には,約2万の基準点にICタグを付加した基準点の整備が行われた。このインテリジェント基準点は地殻変動の測定にも活用されている(恵庭市内のIC基準点は後述する)。

一方,近年GPSなどの測量技術が急速に進歩しているので,三角測量の機会は減少して行くのかもしれない。とは言え,三角点が土地測量の基準点として重要なことは言うまでもなく,柱石の破壊/移転など機能を損ねる行為には厳しい罰則が定められている(2年以下の懲役又は100万円以下の罰金,測量法第六十一条)。探訪観察の折には,このことを認識しておいたほうが良いだろう。

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