竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
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万葉集 集歌3598から集歌3602まで

2022年09月08日 | 新訓 万葉集
集歌 3598 奴波多麻能 欲波安氣奴良 多麻能宇良尓 安佐里須流多豆 奈伎和多流奈里
訓読 ぬばたまの夜は明けぬらし玉の浦にあさりする鶴(たづ)鳴き渡るなり
私訳 漆黒の夜は明けるらしい。玉の浦で餌を探す鶴の啼き声が響き渡る。

集歌 3599 月余美能 比可里乎伎欲美 神嶋乃 伊素末乃宇良由 船出須和礼波
訓読 月読(つきよみ)の光りを清み神島の礒廻(いそま)の浦ゆ船出す吾(わ)れは
私訳 月の光が清らかなので、(広島県福山市の)神島の磯廻の湊から船出をする。私たちは。

集歌 3600 波奈礼蘇尓 多弖流牟漏能木 宇多我多毛 比左之伎時乎 須疑尓家流香母
訓読 離れ礒(いそ)に立てるむろの木うたがたも久しき時を過ぎにけるかも
私訳 離れ磯に立っているムロの木は、まこと、長い年月を過ぎて来たのだな。

集歌 3601 之麻思久母 比等利安里宇流 毛能尓安礼也 之麻能牟漏能木 波奈礼弖安流良武
訓読 しましくもひとりありうるものにあれや島のむろの木離れてあるらむ
私訳 暫くの間も独りでいるものでしょうか。それなのに島のムロの木は、ひとり離れて立っている。
右八首、乗船入海路上作謌
左注 右の八首は、船に乗りて海に入り路の上にして作れる謌

雲を詠う歌一首

集歌 3602 安乎尓余志 奈良能美夜古尓 多奈妣家流 安麻能之良久毛 見礼杼安可奴加毛
訓読 あをによし奈良の宮にたなびける天の白雲見れど飽かぬかも
私訳 若葉の色つやが美しい奈良の京にまで棚引く天の白雲は、見ていても飽きないものです。
右一首、詠雲
左注 右の一首は、雲を詠う
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