太陰暦から太陽暦に変わり、
窮地に追い込まれる暦問屋。
時は明治五年。
まだ江戸を引きずる庶民を
置き去りに、政府は
維新を押し進めて行く……。
前進座創立八十周年記念
『明治おばけ暦』
(作/山本むつみ、演出/鈴木龍男)
暦問屋だけでなく、
新制度に置き去りにされた
貧しい武士や、
芝居への検閲を嘆く戯作者ら
市井の人々の痛みと
そこに目を向けない官吏の姿に
今の政治への警鐘を込めた
「前進座」らしい芝居。
とはいえ決して堅苦しくなく。
特に序盤は笑いを盛った運びで
客を引き込んで行く……。
そして河竹黙阿弥や守田勘弥、
大隈重信ら歴史上の人物と
無名の人々を絡めながら、
築地のホテル跡地での
奇想天外なクライマックスへ。
朝ドラ版『ゲゲゲの女房』の
脚本を担当した山本の、
演劇戯曲デビュー作は
実に巧みな筆運び。お見事!
あ、おばけ暦ってのは、
禁止された旧い暦がおばけのように
現れては消えながら、
庶民に愛されたもの。
2011.10.14~23、前進座劇場
同.11.25~26、浅草公会堂
来春は京都南座でも上演。
窮地に追い込まれる暦問屋。
時は明治五年。
まだ江戸を引きずる庶民を
置き去りに、政府は
維新を押し進めて行く……。
前進座創立八十周年記念
『明治おばけ暦』
(作/山本むつみ、演出/鈴木龍男)
暦問屋だけでなく、
新制度に置き去りにされた
貧しい武士や、
芝居への検閲を嘆く戯作者ら
市井の人々の痛みと
そこに目を向けない官吏の姿に
今の政治への警鐘を込めた
「前進座」らしい芝居。
とはいえ決して堅苦しくなく。
特に序盤は笑いを盛った運びで
客を引き込んで行く……。
そして河竹黙阿弥や守田勘弥、
大隈重信ら歴史上の人物と
無名の人々を絡めながら、
築地のホテル跡地での
奇想天外なクライマックスへ。
朝ドラ版『ゲゲゲの女房』の
脚本を担当した山本の、
演劇戯曲デビュー作は
実に巧みな筆運び。お見事!
あ、おばけ暦ってのは、
禁止された旧い暦がおばけのように
現れては消えながら、
庶民に愛されたもの。
2011.10.14~23、前進座劇場
同.11.25~26、浅草公会堂
来春は京都南座でも上演。