麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

(続)岸田國士的なるものをめぐって

2011年10月03日 | 鑑賞
岸田國士(1890-1954年)は、
文学座を岩田豊雄、久保田万太郎らと
設立した人物として知られている。

また、彼の遺志顕彰のために作られた
「岸田戯曲賞」は、国内で最も権威ある
戯曲賞である。

さて。1923年、フランスから帰国した
岸田の戯曲は、それまで日本の主流だった
《主義主張を伝えるための戯曲》
ではなく、そのセリフの裏側に隠された
あるいは溢れ出る心理・葛藤にこそ
演劇の本質がある、というものだった。

今回のP-カンパニーの試みは、
竹本穣、石原燃、阿藤智恵、
三人の劇作家が、それをどう捉え、
どうリスペクトし、あるいはどう反発し、
「新作短編」を書き下ろすか、
を狙った企画・・・だそうだ。

なので、単純に「岸田的」な作品が揃った
公演ではなかった。

さてさて。此度の番外公演弐は、
とことん削ぎ落とした美術を含め、
総合的な演劇として、決して派手ではないが
美しく輝いていた。


公演は残すところ3ステージ。
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岸田國士的なるものをめぐって

2011年10月03日 | 鑑賞
大人の鑑賞に足る、芳醇な舞台でした。


Pカンパニー番外公演その弐
『岸田國士的なるものをめぐって
~3人の作家による新作短編集』
2011年9月30日→10月1日
西池袋・スタジオP

昨日、福岡ソフトバンクが
リーグ優勝を果たしたけれど……
先発、中継ぎ、抑え、
それぞれが能力を最大限に発揮、
見事な完封勝利!!!
……そんな三作品でした。

一本目
『果樹園に降る雨』
作/竹本穣、演出/木島恭

最も長い40分ほどの作品は、
長いイニングを肩の力を抜いて、
打たせて取る投球。
間合いをたっぷり取って、
常にバッテリー側のペースで
コースを丁寧に投げ分けた。

二本目
『はっさく』
作/石原燃、演出/小笠原響

剛速球、あるいはシュートを
バッターの胸元にびゅんびゅん投じ、
気持ちで一歩も引かない
気合のピッチング。
ストッパータイプをあえて
二番手に置いたことが
「公演」としてのバランスにも
メリハリがついた。

三本目
『曼珠沙華』
作/阿藤智恵、演出/富士川正美

魔球というか……
打者の打ち気を逸らす間合いと
癖球で、打者は手が出ず、
あるいは見逃しの、
三振の山を築いた感じ。

【続く】

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